<目次>
・新幹線の回数券とは? 使い方と注意点、購入場所
・回数券とエクスプレス予約の比較
・エクスプレス予約のメリット
・回数券とエクスプレス予約の料金比較表
・JR東日本の新幹線でお得な切符は?
新幹線の回数券とは? 使い方と注意点、購入場所
新幹線回数券は、6枚つづりになっていて、1回分の料金が正規料金よりも安くなっている。例えば、東京都区内(東京駅、品川駅利用)~大阪市内(新大阪駅)は、新幹線指定席利用の片道の正規料金=1万4720円(運賃=8910円、通常期の料金=5810円)が、回数券6枚セット8万3640円(普通車指定席用)を6で割れば1回分1万3940円となる。780円安いので、5%程度の割引率だ。回数券には、いくつか条件がある。
- 有効期間は3カ月以内
- 5月の大型連休(4月27日~5月6日)、お盆の時期(8月11日~20日)、年末年始(12月28日~1月6日)は使えない
- 指定席用の場合は、回数券購入後、窓口や券売機で改めて座席の指定を受けなくてはならない(列車の変更は、指定した列車の発車時間前であれば何回でも可能)
回数券の購入場所は、駅のきっぷ売り場(窓口、券売機)、おもな旅行会社などである。
回数券とエクスプレス予約の比較
東海道・山陽新幹線を頻繁に利用する人の間で使われているのが、エクスプレス予約だ。会員になると、年間を通して割引料金で新幹線に乗れる。各種早特もあるし、パソコンやスマホ、タブレットで予約可能なので、駅の窓口や券売機での手続きなしに直接改札口を通ることができ使い勝手がよい。回数券のように使用不可の期間がないのも好ましい。料金については、EX-ICの通常プラン(早特ではないもの)で、東京駅あるいは品川駅から新大阪駅までが、1万3620円となっている。単純に比べると、指定席回数券よりも320円安いし、通常期の正規料金よりも1100円安く、7.5%の割引率だ。
それなら、回数券よりもエクスプレスの方がトクなのだ、と思うのは早計で、少々冷静になる必要がある。エクスプレス予約の料金というのは、東京駅から新大阪駅までの東海道新幹線乗車のみの料金で、回数券のように東京都区内から大阪市内までの運賃計算にはなっていない。 仮に、新宿駅から東京駅までJR中央線に乗り、新大阪駅から大阪駅までJR東海道線に乗った場合、200円、160円の運賃は別途支払わなければならないのだ。つまり、トータルでは、1万3980円支払うことになり、回数券の1回分よりも40円高くなってしまう。
新宿駅⇒(JR中央線 200円)⇒東京駅⇒(東海道新幹線)⇒新大阪⇒(JR東海道線 160円)⇒大阪駅
回数券の場合は新宿駅から大阪駅まで有効だが、エクスプレス予約の料金は東京駅から新大阪駅までしか含まれていない。
もちろん、JR在来線を利用することなく、東京駅までは地下鉄(東京駅以外でも大手町から歩くことも想定される。東西線の大手町駅からだと八重洲側の新幹線乗り場まで大した距離ではない)やタクシーを利用し、新大阪駅から大阪市内までも地下鉄やタクシーを利用するなら、回数券よりも断然おトクになる。
エクスプレス予約のメリット
エクスプレス会員の年会費は1100円なので、東京~新大阪を片道利用するだけで元は取れ、後は年会費を気にする必要はなくなる。また、グリーン車にグレードアップできるポイントが貯まるのも魅力で、東京~新大阪を6往復すると、次回の片道は普通車指定席の料金でグリーン車に乗れる。 何と言っても、常時混んでいる窓口で指定席を取る必要がなく、JRの駅窓口が近くにない場合、自宅なり職場なり、あるいは電車やタクシーで移動中に指定席を取れる魅力は何物にも代えがたい。3カ月以内に6回分使い切るという制約もないので、クレジットカードを持つことに抵抗や制約がないのならば、入会を考えてもよいサービスであろう。さらに、熱海から西の駅から東京駅、品川駅到着の新幹線に乗ると、「ご利用票」提示でTokyo Subway Ticketが購入できる特典もある。また、早特利用なら、さらに安い値段で新幹線に乗れるので、そうなれば回数券にこだわる必要は全くなくなる。
(参考)最強フリー切符Tokyo Subway Ticketはどこで買える?
回数券とエクスプレス予約の料金比較表
以下に東京・品川~名古屋、新大阪、岡山の料金比較を掲げておこう。正規料金 | 回数券1回分 | EX-IC | |
---|---|---|---|
東京・品川~名古屋 | 1万1300円 | 1万550円 | 1万310円 |
東京・品川~新大阪 | 1万4450円 | 1万4720円 | 1万3620円 |
東京・品川~岡山 | 1万7660円 | 1万6390円 | 1万6300円 |
JR東日本の新幹線でお得な切符は?
JR東日本の新幹線にはエクスプレス予約のような制度はない。従って、回数券や「お先にトクだ値」という割引きっぷが候補に挙がる。ビジネス利用が特に多い東京~仙台間で比較してみよう。なお、東北新幹線「はやぶさ」「こまち」と「やまびこ」では料金が異なることに注意したい。
東京~仙台
正規料金 | 回数券1回分 | お先にトクだ値 | |
---|---|---|---|
はやぶさ・こまち | 1万1410円 | 1万950円 | 設定なし |
やまびこ | 1万1090円 | 1万950円 | トクだ値15 9250円 お先にトクだ値35 7070円 |
やまびこでは、回数券よりもトクだ値が安いことがわかる。トクだ値は、席数に限りがあるので予約はお早めに。
その他、株主優待券による割引、高齢者向けのジパング割引などもある(「のぞみ」「みずほ」には適用されない)ので、利用できる人は考慮するといいであろう。
なお、JR東日本の新幹線回数券は、自由席については2021年3月31日で販売終了。指定席タイプについては、2021年6月30日で販売を終了する予定だ。
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