ですが、そもそもぼくは何百人、何千人のお金持ちに会ったことがありません。ぼくの友人もきっとそうでしょう。でも、なぜか「お金持ち=ズル賢い」「お金持ち=性格が悪い」というイメージを持たれている気がします。 もし、「お金持ち=ズル賢い」「お金持ち=性格が悪い」というのが間違いだったら、お金持ちの人たちは、とんでもない思い違いをされていることになります。そんなことは、あってはいけませんよね。
そこで今回は、科学的に見て「お金持ちは本当にズル賢くて、性格が悪いのか?」を調べてみました。
お金持ちはズル賢いのか?
まず、「お金持ちはズル賢いのか?」という点について、論文を漁ってみました。気になるものとしては、Lex Borghansらの研究(1)が面白いと思います。彼らの調査によると、「IQが高いと、少しくらいは収入が増えるかもね」という程度の効果が見られました。しかし、論文を読んでみた限り、そこまで大きな効果が出ているか? と言われると、そんなに大きな影響は出ていないようです。「IQの高さ=ズル賢さ」という訳ではありませんが、仮にそうだったとすると、別にズル賢くても、お金持ちになれるかどうかは決まらなそうです。
この研究結果を踏まえ、「お金持ち=ズル賢い」という意見は、気のせいなんじゃないかな?と思いました。
お金持ちは性格が悪いのか?
さらに、Lex Borghansらの研究(1)では、「誠実性が高い人ほど、お金持ちになりやすい」ことが分かりました。「誠実性が高い」というのは、自己統制力や粘り強さ、真面目さ、責任感の強さなどがある人のことを言います。ちなみに、誠実性の高さは、アメリカの心理学者であるゴールドバーグ氏が開発した「BIG5」テストを受けることで、調べることができます。最近は、メンタリストDaiGoさんが監修した心理テストアプリ(超性格分析)でも、簡易版のBIG5テストを受けることができます。いちど、調べてみてはいかがでしょうか。
さて、話を戻しましょう。少なくとも、研究結果からは「お金持ち=性格が悪い」とは言い切れないようです。むしろ、誠実性が高いということは、性格が良いとも解釈できそうですね。そう考えると、「お金持ち=性格が悪い」というのは、間違いである可能性が高いでしょう。
さらに見つかった、お金持ちの共通点
おまけとして、いくつかお金持ちの共通点として見つかった点をご紹介します。まず、見つけたのは「未来展望型」な人ほど、お金をよく貯めるという研究(2)(3)です。つまり、「未来のことを身近に考えている人」や「未来のことをよく考えている人」の方が、貯金に熱心なのだとか。貯金はお金持ちになるための第一歩です。100円を貯めることができない人が、1万円を貯めることができるはずもありません。そう考えると、未来志向の人ほど、お金持ちになりやすそうですよね。
まとめ:お金持ち=性格が良い
色々と調べてみましたが、「お金持ち=性格が悪い」というのは、どうやら間違いのようです。むしろ、その逆で「お金持ち=性格が良い」と考えた方が、正しいみたいですね。ついついお金持ちに嫉妬してしまいがちですが、「お金持ち=性格が悪い」なんて考えていた自分の方が、よっぽど性格が悪かったみたいです。きっと、嫉妬していただけなのでしょう。
「お金持ちな奴らって、性格が悪そうだよね……!」などと妬む時間があったら、自分の性根を叩き直して、お金持ちの仲間入りできるように努力した方がよいと思いました。
【参考文献】
(1) 論文:Lex Borghans, Bart H. H. Golsteyn, James J. Heckman, and John Eric Humphries, 2016, “What grades and achievement tests measure”, 113(47), pp. 13354-13359
(2) 動画:キース・チェン, 2012, “言語が貯蓄能力に与える影響”, TED
(3) 論文:Elizabeth Howlett, Jeremy Kees, and Elyria Kemp, 2008, “The Role of Self-Regulation, Future Orientation, and Financial Knowledge in Long-Term Financial Decisions”, The Journal of Consumer Affairs, 42(2), pp. 223-242
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