貯蓄/貯蓄を増やす習慣

「お金持ちはズル賢くて性格が悪い」は本当?

なぜかは分かりませんが、お金持ちの人を見ると「ズル賢そうだな」「性格悪そうだな」と思うことがあります。友人でも、「お金持ちって、ズル賢くて、性格悪いよね」なんて話で盛り上がる人が居ます。今回は、科学的に見て、「お金持ちは本当にズル賢くて、性格が悪いのか?」を調べてみました。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

  • Comment Page Icon
なぜかは分かりませんが、お金持ちの人を見ると「ズル賢そうだなー」「性格悪そうだなー」と思うことがあります。ぼくの友人でも、「お金持ちって、ズル賢くて性格悪いよね」なんて話で盛り上がる人がいます。
 
ですが、そもそもぼくは何百人、何千人のお金持ちに会ったことがありません。ぼくの友人もきっとそうでしょう。でも、なぜか「お金持ち=ズル賢い」「お金持ち=性格が悪い」というイメージを持たれている気がします。
なぜか「お金持ち=ズル賢い」「お金持ち=性格が悪い」というイメージを持たれている?

なぜか「お金持ち=ズル賢い」「お金持ち=性格が悪い」というイメージを持たれている?

もし、「お金持ち=ズル賢い」「お金持ち=性格が悪い」というのが間違いだったら、お金持ちの人たちは、とんでもない思い違いをされていることになります。そんなことは、あってはいけませんよね。
 
そこで今回は、科学的に見て「お金持ちは本当にズル賢くて、性格が悪いのか?」を調べてみました。
 

お金持ちはズル賢いのか?

まず、「お金持ちはズル賢いのか?」という点について、論文を漁ってみました。気になるものとしては、Lex Borghansらの研究(1)が面白いと思います。彼らの調査によると、「IQが高いと、少しくらいは収入が増えるかもね」という程度の効果が見られました。
 
しかし、論文を読んでみた限り、そこまで大きな効果が出ているか? と言われると、そんなに大きな影響は出ていないようです。「IQの高さ=ズル賢さ」という訳ではありませんが、仮にそうだったとすると、別にズル賢くても、お金持ちになれるかどうかは決まらなそうです。
 
この研究結果を踏まえ、「お金持ち=ズル賢い」という意見は、気のせいなんじゃないかな?と思いました。
 

お金持ちは性格が悪いのか?

さらに、Lex Borghansらの研究(1)では、「誠実性が高い人ほど、お金持ちになりやすい」ことが分かりました。「誠実性が高い」というのは、自己統制力や粘り強さ、真面目さ、責任感の強さなどがある人のことを言います。
 
ちなみに、誠実性の高さは、アメリカの心理学者であるゴールドバーグ氏が開発した「BIG5」テストを受けることで、調べることができます。最近は、メンタリストDaiGoさんが監修した心理テストアプリ(超性格分析)でも、簡易版のBIG5テストを受けることができます。いちど、調べてみてはいかがでしょうか。
 
さて、話を戻しましょう。少なくとも、研究結果からは「お金持ち=性格が悪い」とは言い切れないようです。むしろ、誠実性が高いということは、性格が良いとも解釈できそうですね。そう考えると、「お金持ち=性格が悪い」というのは、間違いである可能性が高いでしょう。
 

さらに見つかった、お金持ちの共通点

おまけとして、いくつかお金持ちの共通点として見つかった点をご紹介します。まず、見つけたのは「未来展望型」な人ほど、お金をよく貯めるという研究(2)(3)です。つまり、「未来のことを身近に考えている人」や「未来のことをよく考えている人」の方が、貯金に熱心なのだとか。
 
貯金はお金持ちになるための第一歩です。100円を貯めることができない人が、1万円を貯めることができるはずもありません。そう考えると、未来志向の人ほど、お金持ちになりやすそうですよね。
 

まとめ:お金持ち=性格が良い

色々と調べてみましたが、「お金持ち=性格が悪い」というのは、どうやら間違いのようです。むしろ、その逆で「お金持ち=性格が良い」と考えた方が、正しいみたいですね。
 
ついついお金持ちに嫉妬してしまいがちですが、「お金持ち=性格が悪い」なんて考えていた自分の方が、よっぽど性格が悪かったみたいです。きっと、嫉妬していただけなのでしょう。
 
「お金持ちな奴らって、性格が悪そうだよね……!」などと妬む時間があったら、自分の性根を叩き直して、お金持ちの仲間入りできるように努力した方がよいと思いました。
  
【参考文献】
(1)   論文:Lex Borghans, Bart H. H. Golsteyn, James J. Heckman, and John Eric Humphries, 2016, “What grades and achievement tests measure”, 113(47), pp. 13354-13359
(2)   動画:キース・チェン, 2012, “言語が貯蓄能力に与える影響”, TED
(3)   論文:Elizabeth Howlett, Jeremy Kees, and Elyria Kemp, 2008, “The Role of Self-Regulation, Future Orientation, and Financial Knowledge in Long-Term Financial Decisions”, The Journal of Consumer Affairs, 42(2), pp. 223-242

【関連記事をチェック!】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます