パリの市内交通を使いこなそう!
アールヌヴォー調のメトロの入口はムーランルージュの最寄り駅、ブランシュ© Paris Tourist Office - Photographe : Amélie Dupont |
ピンポイント移動するならタクシーやレンタサイクル、ヴェリブもあります。割高だけど楽、割安だけど体力が必要、などそれぞれ特性がありますので、その時々の場合に応じて利用して下さい。
※1ユーロ=約125円(2019年1月27日現在)
<目次>
メトロ&RER(パリ初心者~上級者)
パリ市内を中心に走る地下鉄がメトロで、パリ市内から郊外のイルドフランスまで走っているのが郊外高速鉄道RER。メトロの運営はRATP(パリ交通公団)で、RERの運営はSNCF(フランス国鉄)と会社が違いますが、パリ市内であれば、メトロとRER間の乗り換えは自由です。メトロのメリットは1枚の切符で何回でも乗り換え可能で、速くてわかりやすいところ。メトロは1~14まで、RERはA~Eまでの路線があります。路線や時間帯により混雑状況は違いますが、1番線はほぼ終日、4番線は主に通勤時間帯(8時~9時、18時~19時)に混んでいることが多いです。混雑時に注意したいのは、やはりスリ。以前よりは少なくなりましたが、貴重品の入っているバッグは必ず手で押さえ、変な人に話しかけられても徹底的に無視して下さい。
メトロ、RER、バスの各マップ(英語版)
※メトロの窓口でももらえます。
<料金(メトロ、パリ市内のRER、バス共通)>
- メトロの切符1枚(1回分一律、RERはゾーン1のみ):1.90ユーロ(約250円)
- 10枚綴り(カルネ):14.90ユーロ(約1,900円、1枚につき約60円お得)
- 1日パス(モビリス、朝5時~夜1時、ゾーン1~2のパリ中心部):7.50ユーロ(約1,000円、1日4回以上で元が取れる)
- パリ・ヴィジット:1~5日まであり。例えば5日のゾーン1~3で38.35ユーロ(約4,800円)
- 1週間パス(ナビゴ、買った日の0:00~7日目の23:59まで有効、ゾーン1~5):22.80ユーロ(約3,000円)
※切符、カルネは地下鉄の各駅、キオスク、タバコ屋やカフェなどで買えます。モビリス、カルト・オランジュは各駅の窓口で申し込みます。
※ゾーン1~2はパリ中心部、ヴェルサイユ宮殿、ディズニーランド・パリ、ヴィルパント展示会場などはゾーン5になります。
主なゾーンと観光名所、施設
<乗り方>
メトロは、入る時に切符もしくはパスを検札機を通します。出口に検札機はありませんが、時々出口付近で職員によるコントロール(検札)があるので、出るまで切符は捨てずに持っておきましょう。RERは日本のように入口、出口両方で切符を検札機に通します。
バス(パリ中級者~上級者)
メトロより路線が細かく多少複雑ではありますが、その分よりピンポイントで目的地にたどり着くことができます。ちなみにパリのバスは、メトロと同じRATP(パリ交通公団)の運営ですので、メトロの切符やパスがバスにも使えます。バスのメリットは外の景色を見ながら移動できるし、慣れれば非常に便利です。ちなみに最初の乗車から1時間半の間ならバス同士の乗り換えができます(逆方向への乗り換えは不可、つまり行きのルートの帰りの方向のバスに乗り換えることはできません)。
メトロに比べスリ発生率は少ないですが、混雑時はメトロと同様持ち物には十分気をつけて下さい。そして渋滞やゴミ清掃車の移動と重なってしまったときなどは大幅に遅れることがあります。
バスの路線マップ
※指定の路線をクリックするとバス停の路線図(Plan de ligne)や時刻表(horaires)などの情報が見られます。
<料金>
メトロの料金参照。切符は何枚でもバスの運転手から買えますが、カルネ(10枚綴り)は買えないので注意。
<乗り方>
目的のバスが来たら必ず手を上げて合図します。前のドアから乗り、運転手の横にある検札機に切符もしくはパスを通します。降りる時は、近くにある赤いボタンを押し、中央のドアから降ります。
タクシー(パリ初心者~上級者)
メトロやバスに比べて割高ですが、目的地を告げるだけで行けるし、荷物が多かったり人数でシェアできる時などは便利。ただしパリではありがちな渋滞に巻き込まれると時間がかかってしまう場合もあるので注意が必要です。<料金>
基本料金2.6ユーロ(約340円)+月~土曜日の10~17時は1kmにつき1.04ユーロ(約140円)、日曜日の深夜0~7時は1kmにつき1.54ユーロ(約200円)、それ以外の時間帯は1kmにつき1.27ユーロ(約170円)。最低料金6.86ユーロ(約900円)があり、メーターでこの金額に満たなくても支払います。
<乗り方>
基本的には青い「taxi」の表示があるタクシー乗り場(パリ市内約50m毎にある)で待ちますが、空車(屋根にあるランプが消えている)を見つけたら手を挙げて合図すれば停まってくれる場合もあります。日本と違いドアは自分で開ける手動式です。
パリのタクシーについて(仏語・英語)
パリでは、UBER TAXIの利用者も増えています。必ずしもタクシー営業のライセンスを持つ運転手に当たるわけではないですが、料金の安さなどもあり、概ね好評のようです。パリのタクシーと乗り比べてみて気に入った方を利用するという手もありかもしれません。
レンタサイクル、ヴェリブ・メトロポール(パリ上級者)
2007年より始まったパリの無人レンタサイクル、ヴェリブは、10年目に大規模リニューアルを行い、「ヴェリブ・メトロポール」として再スタートしました。パリ市内にある約1,700のステーション(自転車を借りる/返却するポイント)にて約2万3000台の自転車が乗り捨て自由。1日や1週間という短期間で借りることもでき、観光客でも使えて何よりも格安。ただ利用方法が少々複雑なのと、雨の日や坂道の多いパリの街では不便で……時と場所を選びます。ですが、24時間利用できるので深夜でもタクシーを使わずに格安で移動できるという点はやはりメリットです。2017年より青色の電動アシスト付自転車も導入され、モンマルトルなどの丘にもスイスイ行けるようになってより便利になりました。ちなみに普通の自転車は緑となっています。
公式サイト(英語、仏語)
トップページに自転車を借りる/返却するポイント「ステーション」が表示されています。
<料金>
有効期限1日(開始から24時間):5台までレンタル可能で5ユーロ(約630円)~。30分以内に返却であれば普通自転車は無料、電動アシスト付自転車は1ユーロ(約125円)かかります。
有効期限1週間:15ユーロ(約1,900円)、返却時間による追加料金は上記と同様。
<利用方法>
ヴェリブを利用するには、こちらで事前に利用者登録をし、利用カードを受け取る必要があります。ホテル滞在を予定している場合は、ホテルの窓口で受け取って保管してもらえるよう、ホテルに連絡する必要があります。
利用カードを受け取ったら、後は直接自転車の画面で操作できます。操作方法・利用方法は、こちらのページの動画を参考にしてください。
なお、ヴェリブのシステムは少々複雑で、パリ在住のガイドも最初は手間取ったほど。そしてパリの自転車は、日本と違い歩道ではなく車道を走り、しかも右側走行です。日本語しかわからないパリ初心者の方には、難易度が高いかもしれません。それでも試してみたい!という方は、最初は現地事情のわかる人に付き添ってもらいながら利用することをおすすめします。
ratpのアプリを使いこなそう
ratpのアプリはとても便利なので、スマホが常時オンラインで使える環境なら是非インストールを。鉄道としてメトロやRER、トラム、またバスやナイトバスの情報が網羅されています。メトロやバスの駅が現在地の地図上で表示され、路線、方面を選択するとあと何分で来るかがわかるようになっていて非常に便利です。もちろん、各路線の全停車駅や、指定の行程の所要時間や乗り換え情報も充実しており、事前のプランニングが可能になりました。
アプリのストアで「ratp」で検索するとトップに出てきます。もちろん無料です。
※ 2015年に起きた同時多発テロをきっかけに、そして現在は燃料課税に端を発した毎週土曜日の政府への抗議活動(デモ)により、パリは依然として厳戒態勢が敷かれています。渡航前には最新情報をご確認ください。
≫≫パリの治安 旅行前に知っておきたい注意事項