犬に豆腐を与えても大丈夫?
犬に豆腐を食べさせても大丈夫?
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豆腐は犬に食べさせても大丈夫! にがりも平気、ただ豆腐の種類によっては下処理を
犬に食べさせる豆腐の選び方
犬に最も必要な栄養素であるタンパク質として取り入れることもできますが、豆腐100gあたりのタンパク質量は肉や魚と比べて1/2~1/3程度しか含まれていません。犬が消化吸収を得意とするのは肉・魚・卵といった動物性タンパク質なので、健康な犬のごはんの毎日のタンパク源のメインとするのはあまりおすすめできません。
焼き豆腐と厚揚げ(生揚げ)は、犬に不足しがちな成分のひとつ、カルシウムが豊富に含まれています。焼き豆腐は焦げが気になる場合は焼き目の部分を取り除いてください。厚揚げの脂質は絹ごし豆腐の約3倍多くなるので、お湯に浸したり下ゆでをして油を抜き、できれば外側の部分を切り落とすことをおすすめします。
高野豆腐は水で戻した状態であれば犬に食べさせて大丈夫ですが、弾力があるので細かく刻むようにしてください。
豆腐に含まれる成分は、皮膚や骨の健康が期待できる
豆腐を食べると犬の健康にいいこと
1:血流を整える働き
豆腐に含まれているビタミンKには、怪我や手術などによる出血が起きた時に、血液を固めるために必要な要素の働きを助けることが期待できます。
2:皮膚、被毛や粘膜を健やかに
木綿豆腐に含まれるビオチンは、皮膚、被毛や粘膜の健康維持に欠かせない成分です。
ビオチンは、炭水化物や脂質の代謝にも関わる栄養素なので、ごはんやいも類と合わせて食べてもいいでしょう。
3:骨の健康維持に期待できる
大豆製品に含まれる、大豆イソフラボンを混ぜた食事をした若いラットは骨密度が上昇、高齢のラットは骨を作る働きの促進が推測される研究結果があります。犬に対しても有効かはわかっていませんが、先々期待したい作用のひとつです。
手作り食のメニューにもおすすめ!尿路結石、貧血の犬には注意
豆腐を食べない方がいい犬の病気や薬は?
「豆腐の原料である大豆は”畑の肉”と呼ばれるほど、植物性の食材の中ではタンパク質を多く含みますが、犬は人と比べて食物繊維の消化が苦手なため、それほど有効にその栄養分を吸収することができません。
しかし、豆腐は大豆を加熱し、食物繊維を取り除いた豆乳から作られるため、大豆に比べると消化しやすく、栄養成分も取り込みやすくなります。カルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルが豊富なことから、手作り食やおやつ作りに積極的に取り入れたい食材の一つです。
ただし、これらのミネラルは尿路結石の原因となったり、腎不全悪化の要因の一つとなることがあるため、病気の心配がある犬は大量に摂取しすぎないように注意しましょう。
大豆製品に含まれるグリシニンという成分は、鉄の吸収が阻害されるといわれています。貧血気味だったり、すでに貧血があって鉄を含む薬を飲んでいる場合、症状や薬の働きに良くない影響が出ることがあります。貧血気味の犬や鉄剤を飲んでいる犬も豆腐を避けておいた方がいいでしょう。
”犬が大豆製品を食べることによって、胃がガスや食べ物で拡張した時に起こる胃拡張胃捻転症候群や、腸にガスがたまる鼓腸症になる”という記事をよく目にします。牛などの草食動物は、豆類を食べることによって胃の中の微生物が異常発酵を起こし鼓腸症になりますが、犬の胃には胃酸があるため、微生物は存在せず発酵は起こりません。
豆乳、きなこ、納豆といった大豆製品でアレルギー反応が出てしまう犬にはもちろん、えんどう豆にアレルギーがある場合も大豆を食べさせることは避けておきましょう。」
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。ごま豆腐、たまご豆腐、枝豆豆腐などの加工品はよく原材料を確認して
味付きの豆腐、付属の調味料は犬には避けて
絶対にダメとは言い切れませんが、メーカーによって原材料やその分量に差があり、犬にとっては過剰な調味料になることもあるので、できれば食べさせることは控えてください。
豆腐を使ったおすすめ犬おやつレシピ!豆腐と鶏肉の簡単手作りハンバーグ
犬のための簡単豆腐ハンバーグのレシピ
【豆腐と鶏肉の簡単手作りハンバーグ】
■材料(直径6cmのもの 6個分)
- 絹ごし豆腐 150g
- 鶏ひき肉 150g
- 卵 M1個
- EXVオリーブオイル 小さじ1
- ボウルに豆腐、ひき肉、卵を入れ、全体が均一になるまで混ぜる
- フッ素樹脂加工のフライパンを熱し、EXVオリーブオイルを入れてキッチンペーパーで軽く拭き取る。1をスプーンですくって直径10cm程度の丸にする。蓋をして両面蒸し焼きにする。
詳しい作り方や犬の体重別に与えていい量の目安は「犬用レシピ:豆腐と鶏肉の簡単手作りハンバーグ」をご覧ください。
犬に豆腐を食べさせても大丈夫?まとめ
- 豆腐は犬に食べさせることができる
- 血流改善や皮膚の健康に期待できる成分が含まれる
- 尿路結石、腎臓に不調がある犬には控えめにする
- 貧血の薬や鉄剤を飲んでいる犬は避けておいた方が安心
- ごま豆腐、たまご豆腐などの加工品はできれば与えないようにする
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
丸田香緒里 獣医師(Animal Life Partner 代表)
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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