ニューリッチへの道

稼ぐビジネスマンの読書法は目的と手段を間違えない

これまで読書の習慣があまりない人が、たとえば「関連書を月に○冊読もう」などの目標を決めて取り組むのは、モチベーションを維持し習慣化するうえで一定の効果はあります。しかし目的と手段を混同しないよう注意が必要です。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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ビジネスパーソンが読書に投資をする際の注意点

これまで読書の習慣があまりない人が、たとえば「関連書を月に○冊読もう」などの目標を決めて取り組むのは、モチベーションを維持し習慣化するうえで一定の効果はあります。
しかしそこで、「勉強の本来の目的は何か」を取り違えたら、得た知識が活かされることなく、貧しさを乗り越えられない危険性があります。
 
読書に限らず勉強の本来の目的は、「自分のアウトプットを進化させる」ことのはず。そのために、今までの自分が持っていなかった知識やものの見方、考え方を取り入れ、行動を変えていくことにほかなりません。
表に出てこない知識や情報は、そもそも最初からそんなものは持っていないのと同じだからです。
つまり「本を読む」という行為は、手段であって目的ではないわけで、なのに「読む本の冊数」という目標設定をすると、目的を見失いやすくなります。
 
たとえば「野菜を採る」ことは手段であり、その目的は「健康のために野菜に含まれている栄養素を摂取する」事のはず。その野菜がどのような環境で育てられたか、また摂取する栄養素が偏っていないかなど、総合的に判断する必要があります。
にもかかわらず「10種類の野菜が入ったスープ」と聞いただけで「野菜が採れる健康的な食品だ」と感じ、それが他のスープよりも割高であっても喜んで買ってしまう。手段であるはずの野菜摂取を優先してしまうという人は意外にも多いものです。

そしてこの目的の見失いは、勉強や読書にも同様に起こりやすいわけです。
 

稼ぐ人はリターンから逆算して投資する

たとえば読書という手段が目的化してしまうと、「次は何を読もうかな」という渡り鳥になったり、「今月は○○冊読破した!」と満足して終わり、ということになりかねません。
 
稼ぐ人は、読む本の冊数に目標は立てない。月に50冊読む人もいれば、1冊の本を何か月もかけて読む人もいて、そこにこだわりはない。
「自分の目的を達成するには、どんな本をどのような方法で読むのが最も効果的か」 を考えたとき、「冊数は本質的な問題ではない」からです。
 
たとえば、「成功哲学を学びたい」という目的なら、気に入った自己啓発書を1冊、折に触れて何度も繰り返し読む。そして本で得た情報を役立てて自分の思考パターンや行動パターンが変化しているかを適宜チェックする。
成功本で言っていることはどれもそう大差がないから、あえてたくさん読む必要はなく、それよりも自分の思考と行動が本当に変化しているかのほうが重要です。
 
あるいは「特定の分野で専門家と議論できるレベルになりたい」という目的なら、自分なりの主義主張を持つことが必要となる。
それを裏付ける根拠を持つには、様々な論点を理解すべく、その分野の本を大量に読むことになるだろう。すると、月に50冊読んでも「まだまだ」となるかもしれない。
 
つまり「どういうリターンを得たいか」という目的適合性から取り組む必要があるということです。
もちろん、楽しむ読書もあれば、暇つぶしの読書もあるでしょう。それを否定はしません。このコラムも「おもしろかった」「つまらなかった」という感想で済ませるのも本人の自由です。
 
しかし多忙なビジネスパーソンが読書という「投資」をするなら、やはりリターン、つまり「自分の仕事や人生にどう活かすか」という視点を持ちたいものです。
でなければ、冊数は多く読んだものの、生活は一向に変わらず、読書に費やしたお金と時間がダブルで全損になってしまうリスクがあるからです。
 
出典)「年収1億の勉強法 年収300万の勉強法」(学研プラス)
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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