業種や年齢、会社の規模そして都道府県別に平均年収を分けて解説

サラリーマンの平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査によると、440万円(2018年)。平均といっても、平均年収は調査の仕方や調査対象により金額は大きく異なります。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2018年)では、486万円、日本経済団体連合会(経団連)の調査結果から計算した平均年収は679万円でした(定期賃金調査と夏季・冬季 賞与・一時金調査を単純に合算)。

調査ごとの差があるだけでなく、全体の平均ということもあって、実際の感覚とはかけ離れているようにも感じます。そこで実際と感覚の近い平均年収を見つけるために、業種や年齢、会社の規模そして都道府県別に平均年収を分けて紹介してみたいと思います。
 
 

業種別・年齢別の平均年収

業種と年齢層別の平均年収額
 
業種別・年齢別平均年収 出典:国税庁「民間給与実態統計調査結果(2018年)」

業種別・年齢別平均年収 出典:国税庁「民間給与実態統計調査結果(2018年)」




まずは業種別と年齢別です。表の見方は、例えば、製造業に勤務している39歳の人の場合、
 
業種「製造業」、年齢「35~39」の欄を見ます。5,103(千円)とありますので、平均年収は約510万円ということになります。
 
同じ年齢層(35~39歳)の全業種平均は447.8万円ですので、同年齢層の平均を約63万円上回っているということになります。年齢別にみると、どの業種も基本的には年功序列になっていて、50~54歳層の年収が最大になっている業種が多いようです。
 
また、平均年収の高い業種トップ3は、
1位 電気・ガス・熱供給・水道業 759万円
2位 金融業・保険業 631万円
3位 情報通信業 622万円
となっています。
 

事業所の規模別の平均年収

次は事業所の規模と男女別の平均年収です。事業所の規模は、従業員の人数が基準となっています。

 
事業所規模別・男女別平均年収 出典:国税庁「民間給与実態統計調査結果(2018年)」

事業所規模別・男女別平均年収 出典:国税庁「民間給与実態統計調査結果(2018年)」



全体的には事業所の規模が大きいほど平均年収が高いという傾向が出ていますが、男女別で見た場合、女性の平均年収が最も高い事業所規模は「500人以上」です。
 

都道府県別の平均年収

次に都道府県別の平均年収をランキングにしてみました。

ご注意いただきたいのは、ここで使用している統計は厚生労働省の賃金構造基本統計調査に基づくものであることです。国税庁の民間給与実態統計調査と比較すると、厚労省の調査の平均年収は60万円程度多くなっています。

 
都道府県別年収(平均年収の単位は千円、右の2列は順位) 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2018年)」、内閣府「県民経済計算(2016年)」を基に筆者作成

都道府県別年収(平均年収の単位は千円、右の2列は順位) 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2018年)」、内閣府「県民経済計算(2016年)」を基に筆者作成


東京と下位の県の間には、年収で200万円以上の開きがありました。生涯年収差の平均も同じだとすると、40年勤めた場合8,000万円の差になるということです。

また、私の住む福岡は経済規模の割に年収の順位が低いと感じ「県民総生産」を調べてみると、やはり経済規模は8番目にもかかわらず、年収は18番目でした。参考として県民総生産の順位も記載しています。
 
県民総生産とは、GDP(国内総生産)の都道府県版で、内閣府が行っている都道府県レベルの経済活動状況の推計です。
 

平均値より中央値が世間の実感に近いことがある

平均年収を高いと感じたときには、中央値を調べてみてください。

中央値とは、年収を聞いた人を年収の高い順に並べた時に、ちょうど真ん中に来る人の年収のことです。その集団の中に高額所得者が含まれていると平均が真ん中ではなくなることがあるため、平均が実感とずれるのです。2つの会社を例に平均年収を比べてみます。

      (単位:万円)

平均と中央値の違い

平均と中央値の違い

この2社の平均年収は同じ400万円です。1人が飛びぬけていると、ABC社のようにほとんどの人が平均年収を下回り、実感とかけ離れた平均年収と感じてしまいます。


そこで中央値を使うと、一般の人たちの実感に近くなります。中央値とは、全体のちょうど真ん中の値のことです。例の場合は、5人のうち真ん中の課長の年収が中央値となります。いろは社の年収の中央値は400万円と平均年収と同じ金額となりますが、ABC社の中央値は255万円となります。平均○○と出てきたときには、調査対象が誰で、中央値だとどうなるかなと考えたり、調べたりすることで、もしその数字が何かを意図しているものだとしたら、それに気づくことができるはずです。

会社別の平均年収

最後に個別の会社の平均年収です。上場している会社に限った方法ですが、上場している企業は、有価証券報告書の中身を見れば、年間平均給与や役員報酬を見ることができます。

2社の平均給与を見てみましょう。

【A社】生涯年収が上位の企業
年間平均給与 3,100万円(約100人)
 
【B銀行】九州の地方銀行
年間平均給与667万円(約3,700人)
 
それぞれの有価証券報告書を見てみることでA社は、業績が好調のため賞与が7~8割を占めていて、実は給与だけだと普通だな、とか、B銀行は、役員報酬が平均3,300万円(11人)で飛びぬけた人もいないけど、平均給与の計算には臨時従業員分も含まれていて、臨時従業員の人数が3分の1も占めているので、正規の行員の平均給与はもう少し高そうだな、とか表面の数字からはわからないことが見えてきます。
 
上場している企業は、EDINET(有価証券報告書等の開示書類を閲覧するサイト)で有価証券報告書等を公開しています。そこで有価証券報告書を開いて、「役員報酬」や「給与」または「給料」という語句で検索すると該当ページを調べることができます。
 
EDINETへのリンク:https://is.gd/MRk1zD
 

おわりに

平均年収の違いを紹介してきましたが、数字の中身や意味をよく見て自分で考えてみようという気付きになれば幸いです。もし今の年収に満足していないのであれば、年収を上げるためには3つの方法しかないと思います。

1.    今の勤務先で結果と人脈を積み上げる
2.    条件の良い会社へ転職する
3.    副業・起業・投資で収入を得る

 
どの方法に取り組むにしても、人を頼りにすることや楽して稼ごうとすることは、結果すべてを失うことになり兼ねませんので厳禁。焦りも禁物です。まずは「1万円の手取り収入を増やすにはどうしたらよいか」、を考えてみる、行動してみる、うまくいかない時は修正する、ことから始めるといいと思います。
 
結局、地道にコツコツが年収アップの近道だと私は思います。


【関連記事】



【新サービス事前登録のご案内】
あなたの「経験談」を、誰かの役に立ててみませんか?

オールアバウトは今後、「経験談」を売り買いするプラットフォーム「エクシェア」を開設予定です。「ファイナンシャルプランナーに相談したら家計が黒字化した!」「家族にバレずに債務整理できた!」など、あなたの体験談を登録してみませんか?

あなたの経験が、きっと誰かのチカラになります。副業としても、ぜひお気軽にご参加ください!

登録はこちらから

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。