2018年夏ドラマを一挙紹介! ガイドのおすすめは?
遊びに出る人が多い夏はドラマの視聴率がとりにくく主演俳優も若手が多い傾向。しかし今季は綾瀬はるか、石原さとみといった人気女優が参戦しヒットを狙いに来ています。また手堅く視聴率がとれる刑事ドラマが少なめなのも特徴。全体に挑戦的なドラマが多くなっています。それでは民放各系列とNHK、各チャンネルごとにおすすめの1作品を中心に、2018年の主な夏ドラマを紹介します。
結婚前にトラブる日本テレビ
水曜22時『高嶺の花』石原さとみ、峯田和伸、芳根京子、千葉雄大、戸田菜穂、小日向文世木曜23:59『探偵が早すぎる』滝藤賢一、広瀬アリス、水野美紀
土曜22時『サバイバル・ウェディング』波瑠、伊勢谷友介、吉沢亮、高橋メアリージュン
日曜22:30『ゼロ 一攫千金ゲーム』加藤シゲアキ、間宮祥太朗、梅沢富美男、小池栄子
今年になってドラマにヒットのない日本テレビは一発当てたいところ。
期待は『高嶺の花』。脚本は過激な作風で90年代に一世を風靡した野島伸司。近年は『彼氏をローンで買いました』など制約の少ないネット配信ドラマで復活傾向。主演は『アンナチュラル』をヒットさせたばかりの石原さとみ。「野島脚本のラブ・ストーリーをやりたい」と長年本人が希望していた待望の作品です。
華道の家元に生まれ才色兼備のヒロインだったが結婚式当日に婚約者の二股交際により破談。自信喪失した彼女の前に偶然現れたのは平凡な自転車店主(峯田)だった……
(日テレ公式チャンネルより)
二番手は『サバイバル・ウェディング』。土曜21時から22時に時間帯が変わってから5作連続でジャニーズ俳優メインでしたが結果が出ず。変わって普通ならイメージが悪くなりそうな『あなたのことはそれほど』を成功させるなど実績のある波瑠が『未解決の女』に続いて連投。
寿退社した日に婚約者の浮気で婚約破棄されたヒロイン。仕事も辞めた彼女を拾ったのは人気雑誌の変人編集長(伊勢谷)。再就職の条件は編集長の指示に従い婚活して半年以内に結婚することだった……
木曜の読売テレビ制作枠は『探偵が早すぎる』。名探偵の弱点は事件が起きてから解決するため事件を防げないこと。しかし本作の千曲川光(滝藤)は些細な違和感から事件発生前に犯人を先回り。滝藤賢一がブレイクした『半沢直樹』の「やられたらやり返す」ならぬ「やられる前にやり返す」です。
『ゼロ 一攫千金ゲーム』は『カイジ』の福本伸行作品が原作で金を賭けたゲームもの。ただ主演の加藤シゲアキが未成年飲酒問題で始まる前からミソをつけてしまったので、どうなるでしょうか。
攻めと守りのテレビ朝日
水曜21時『刑事7人』東山紀之、田辺誠一、倉科カナ、白洲迅、塚本高史、吉田鋼太郎、北大路欣也木曜20時『遺留捜査』上川隆也、栗山千明、戸田恵子、永井大、梶原善、甲本雅裕
木曜21時『ハゲタカ』綾野剛、渡部篤郎、沢尻エリカ、光石研、小林薫
金曜23:15『dele』山田孝之、菅田将暉
土曜23:15『ヒモメン』窪田正孝、川口春奈
刑事ドラマで確実にヒット狙いは相変わらずですが、刑事ドラマ以外が攻めています。
筆頭は『dele』。山田孝之・菅田将暉ダブル主演だけで魅力は十分。『ストレイヤーズ・クロニクル』の本多孝好が原案・脚本を担当。さらに脚本には『SP』『BORDER』『CRISIS』の金城一紀、『グラスホッパー』監督の瀧本智行など多様なメンバーが参加するメディアミックス企画。舞台は故人のデジタル情報を削除する事務所。真柴(菅田)が依頼者の死亡確認をするなかで故人の人生や秘密に触れ、車椅子の坂上所長(山田)が情報を抹消してきます。
(テレビ朝日公式チャンネルより)
『ハゲタカ』は企業買収がテーマ、2007年に大森南朋主演でNHKが制作した作品を再ドラマ化。NHK版は原作を大胆に変えてヒットしましたが、今回も2018年オリジナル要素があるようです。
『ヒモメン』は実家を追い出された翔ちゃん(窪田)と看護師のゆり子(川口)が同棲。しかし翔ちゃんは働く気がなくヒモに。ゆり子はなんとか働かせようとし、翔ちゃんは生活を守るべくゆり子のピンチを救うために努力する、変わったカップルを描きます。
水曜21時と木曜20時の東映刑事もの枠はともに続編。
毎シリーズ大きく設定の変わる『刑事7人』は天樹(東山)が資料係に左遷。そこで資料を入力する仕事をしたため、人間犯罪データベースとなりそれを生かして捜査します。
『遺留捜査』は前シリーズに引き続き京都府警特別捜査対策室が舞台。チームに猪突猛進タイプの刑事役として梶原善が新加入します。
大河と朝ドラを引き継ぐTBS
火曜22時『義母と娘のブルース』綾瀬はるか、竹野内豊、佐藤健、麻生祐未金曜22時『チア☆ダン』土屋太鳳、石井杏奈、佐久間由衣、山本舞香、オダギリジョー
日曜21時『この世界の片隅に』松本穂香、松坂桃李、村上虹郎、尾野真千子、伊藤蘭
主力の日曜劇場枠はアニメ映画版がロングランヒットした『この世界の片隅に』。脚本は一年前の朝ドラ『ひよっこ』の岡田惠和、主演は同じく『ひよっこ』青天目(なばため)ちゃんでブレイクした松本穂香。『ひよっこ』組からは他に宮本信子、伊藤沙莉。夫役の松坂桃李は『わろてんか』。ヒロインの幼少期は『おんな城主直虎』と『わろてんか』で同じく幼少期だった新井美羽。『べっぴんさん』の土村芳、久保田紗友など最近の朝ドラで話題となった俳優が目立ちます。
(TBS公式チャンネルより)
『義母と娘のブルース』は『直虎』の森下佳子脚本。TBSでは『JIN-仁-』『とんび』『天皇の料理番』など日曜劇場のヒット作を多く担当。キャストを見てもこちらが日曜劇場でもよかったぐらいの布陣です。バリバリキャリアウーマンの亜希子(綾瀬)が子持ちの良一(竹野内)と結婚、母になるための10年間を描きます。
『チア☆ダン』は広瀬すずが主演した同名映画の9年後を描きます。チアリーダー部・部員役に若手注目女優多数。誰がブレイクするかにも注目です。
深夜も経済ドラマのテレビ東京
月曜22時『ラストチャンス 再生請負人』仲村トオル、椎名桔平、水野美紀、長谷川京子金曜20時『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』小泉孝太郎、松下由樹
金曜24:12『GIVER 復讐の贈与者』吉沢亮
金曜24:52『インベスターZ』清水尋也、早見あかり、柾木玲弥、柳美稀
テレビ東京が力を入れる経済ドラマ路線の第二弾『ラストチャンス 再生請負人』は旧第一勧銀出身で総会屋利益供与事件の収拾に努力し映画『金融腐蝕列島』のモデルにもなった江上剛の原作。主人公の勤める銀行が吸収合併されたことを契機に飲食フランチャイズの再生に身を投じる主人公を描きます。WOWOW版の『空飛ぶタイヤ』『下町ロケット』などを担当し企業ものを得意とする前川洋一脚本で骨太ドラマが期待できます。
(テレビ東京公式チャンネルより)
刑事ものが多い金曜20時枠は定番『警視庁ゼロ係』の第3シーズン。冬彦(小泉)が科警研時代にレポートした女性の失踪事件が現代につながっていきます。
金曜の深夜ドラマは期待の若手男優が二人がそれぞれ主演。『GIVER 復讐の贈与者』は仮面ライダー出身で今年映画8作出演、うち2作主演と赤丸急上昇中の吉沢亮が復讐代行業というダークヒーローに。『インベスターZ』はこの1月からの連ドラで『anone』彦星くんと『電影少女』主人公の親友役で印象を残した清水尋也主演。スーパー進学校で学年トップクラスの生徒により構成された「投資部」が舞台。深夜の経済ドラマです。
定番で復活かフジテレビ
月曜21時『絶対零度 未然犯罪潜入捜査』沢村一樹、横山裕、本田翼、伊藤淳史火曜21時『健康的で文化的な最低限度の生活』吉岡里帆、井浦新、田中圭、遠藤憲一
木曜22時『グッド・ドクター』山崎賢人、上野樹里、藤木直人、柄本明
春のフジテレビは『コンフィデンスマンJP』に『モンテ・クリスト伯』と話題になったとんがったドラマを制作してきて、視聴率がいいとはいえないけれど復活の芽はありました。それをうけての夏ドラマは定番パターンの刑事ドラマと病院ものをそろえてきました。
『絶対零度』は2010,2011年に放送された上戸彩主演ドラマの続編。ただし桜木泉(上戸)は捜査中に失踪し、物語の謎をにぎる役で特別出演のみ。変わって主人公の井沢刑事(沢村)は元公安刑事だが資料室に左遷。しかし実はビッグデータを分析して犯罪を未然に防ぐ「ミハン」システムの実用化プロジェクト任務をまかされていました。
(フジテレビ公式チャンネルより)
『グッド・ドクター』はアメリカでもリメイクされた韓国ドラマが原作。主人公の新堂湊(山崎)はサヴァン症候群の研修医。驚異的な暗記力で医学部は主席で卒業。夢だった小児外科で研修を開始するがコミュニケーションに問題があるため病院でトラブルが多発。しかし湊の子どもに対する思いが周囲を変えていく姿を描きます。
『健康的で文化的な最低限度の生活』は新人公務員の義経えみる(吉岡)が主人公。生活課に配属され生活保護現場の現実と向き合います。
やっぱり朝ドラNHK
金曜22時『透明なゆりかご』清原果耶、瀬戸康史、水川あさみ、原田美枝子土曜20:15『バカボンのパパよりバカなパパ』玉山鉄二、比嘉愛未、長谷川京子、森川葵
『透明なゆりかご』は『あさが来た』ふゆ役でブレイクの清原果耶がテレビドラマ初主演。産婦人科医院でアルバイトの看護師見習い・アオイ(清原)はいきなり中絶手術現場に立会い衝撃を受けるなど苦闘しますが、やがて妊婦たちの心に寄り添うようになります。脚本は『リッチマン、プアウーマン』『コード・ブルー3』の安達奈緒子。BSプレミアムのドラマで脚本を担当したことはありますがNHK総合は初。もしかしたら朝ドラ脚本へのステップ?
『バカボンのパパよりバカなパパ』はマンガよりハチャメチャだった赤塚不二夫とその家族の姿を描きます。玉山鉄二が現在BSプレミアムで再放送中の『マッサン』以来のNHKドラマ主演。『マッサン』も熱血バカだったのでよく合うでしょう。
最後にまとめ。
『この世界の片隅に』が最も力の入った企画ですが、抜擢した松本穂香がハマるかどうかに大きく左右されそう。抜擢理由はアニメ版の主演声優・のん(能年玲奈)にイメージが似ているからでしょうか?
次は『高嶺の花』ですが、こちらも野島伸司の作風が地上波になじむのかどうかでかなり変わってきます。となると一番カタいのは『義母と娘のブルース』でしょう。
挑戦的なところでは『dele』。発表前から山田孝之と菅田将暉の共同SNSアカウントをつくるなど話題になっています。
あと社会派コメディ路線で『ヒモメン』と『健康的で文化的な最低限度の生活』。経済ドラマの『ハゲタカ』『ラストチャンス 再生請負人』の対決も楽しみです。