懸賞好きな人たちは、スーパーで必ずチェックする場所がある
懸賞で当選したテーマパークで仕事仲間の皆さんと撮影
――まず、最近の懸賞事情について聞かせてください。
ガバちゃん:実は今、懸賞の数が以前より増えているんです。スーパーの懸賞コーナーのところにある懸賞のハガキを見れば一目瞭然。かなりの数が出ていますよ。ケーマーさん=懸賞好きな人たちは、スーパーで必ずあの場所を必ずチェックするんです。
――そうなのですね。てっきり、最近の懸賞はネットが主流で「ハガキ懸賞」は、下火になったのかと…。
ガバちゃん:とんでもない。かなり盛り上がっていますよ。最近、特に増えているのは、メーカーとスーパーがタイアップで行う「レシート懸賞」です。10年前までは、商品についているバーコードやシールを貼って応募するものがほとんどでしたが、今は「レシート懸賞」が主流。少し大きめのスーパーなら、ほとんどのところで実施していると思います。
懸賞は、誰でも応募できる「オープン懸賞」と、購入者など限られた人のみが応募できる「クローズド懸賞」に分類されますが、スーパーでのレシート懸賞は、クローズド方式。“○○円以上あるいは対象商品〇円以上を買ったレシートをハガキに貼って応募する”というカタチです。
もうひとつ嬉しいことに、プレゼントの内容も豪華になってきているんです。懸賞プレゼントの定番、金券の額も上がっています。これまで1000円~2000円程度だったものが、最近では1万円くらいの金券プレゼントも増えてきましたね。数年前にアベノミクスで株価が上昇してきたのと比例し、懸賞の商品もレベルアップしています。懸賞は、企業の状況を反映する鏡。豪華な懸賞プレゼントを出すところは、企業が潤っている証です。
――面白いですね。懸賞から社会が見える。懸賞人口も増えているんですか?
ガバちゃん:増えていますよ。景気がよくなり、懐があったかくなってきた人もいるけれど、恩恵にあずかっていない人も多いわけです。人々の節約傾向も変わっていません。家計の不安を懸賞でカバーしたいという思いは皆さんあるのでは?
気軽に応募できるネット懸賞が増えたことで、男性のケーマーさんも増えました。たとえ缶コーヒー1本でも、あの“当たった感覚”を一度体感すると確実にハマります(笑)。リタイア後の楽しみとして懸賞をする人も多いようですね。海外旅行の懸賞に大量に応募するのは、大抵リタイア後の人たちなんですよ。
一方、ハガキ懸賞のほうは、まだまだ女性が主流。スーパーに買い物に行くのは女性が多いですし、“対象商品〇円以上の購入レシートを貼る”など、細かな条件も多いので、男性はなかなか足を踏み入れにくいようです。
――家計の不安を懸賞で補えればコストダウンできる上、当たる楽しみも味わえる。一石二鳥ですね。とはいえ、懸賞目当てに余計なものまで買ってしまっては本末転倒です。家計に負担をかけず、懸賞を楽しむコツはありますか?
ガバちゃん:達人たちは皆、余分なものを買うのではなく、懸賞を実施している商品メインで生活をやりくりするなど、賢く工夫しています。なかには、当選した金券などでお買い物をし、再び懸賞に応募する猛者もいますよ。要は、余計なお金を一切使わない。先日、取材した九州の懸賞達人は、3人家族で1日の食費1000円がルール。ですが、懸賞で当てた商品や金券でゆとりある食卓を実現していました。毎年、家族で東京ディズニーランドに行くために、交通費と宿泊費を懸賞で捻出をしているそうです。懸賞を活用し、実際よりもいい暮らしをしている人、実は結構いますよ。
「懸賞の情報を探すのが大変」という声もありますが、効率のよいやり方もあります。例えば、仲間を作って、懸賞情報をLINEやSNS上で共有する。写メをとってLINEに流して共有し、それを見ながらスーパーで買い物をしているという人たちもいます。一人だとなかなか情報が探しきれないけれど、みんなで共有すれば、どこのスーパーでどんな懸賞をやっているかが分かりますからね。
★次回はガバちゃん直伝の「当てるコツ」を紹介します。
教えてくれたのは……
懸賞ライター 長場典子さん
取材・文/西尾英子