理想の体重は難しい? 痩せすぎる中高生・肥満の子供

痩せすぎと肥満の問題イメージ

体重コントロールの問題を抱えているのは大人だけではありません。先進国では子どもの肥満とダイエット願望による痩せすぎがどちらも問題になっています

食べたいときに食べたいものが簡単に手に入れやすい先進国では、肥満になりやすい傾向があります。実際に日本でも子どもの肥満や生活習慣病も増えており、社会問題のひとつとされています。

一方で女子中高生などの間では「やせ願望」が高く、近年は女子中高生から20代女性の痩せすぎも問題視されています。以前「とても危険な「痩せすぎ」自慢? シンデレラ体重とは」でもご紹介しましたが、実は痩せすぎは太りすぎと同じくらい身体にとって危険な状態。まず最初に大切なことは、体重をやみくもに落とし続けようとするのではなく、健康的にきれいになれるダイエット目標を立てることです。
 

標準体重の計算式・見た目はややぽっちゃりめが健康的

中学生と高校生では成長の仕方が異なるため、目標の設定の仕方が少し異なります。

中学生(幼児~小学生を含む)は、肥満度で、高校生は厚生労働省の推奨する標準体重を目標体重として設定します。

■小児(幼児~中学生)の肥満度
標準体重からどの程度離れているのかをその都度計算しますが、計算式が面倒なため、神奈川県内の小児科医が公開しているこちらの判定用ホームページを利用するのが便利です。

■高校生~成人の標準体重の計算式(厚生労働省)
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

昨今の「シンデレラ体重」のような痩せすぎ体型が理想だと考えてしまうような10代女子から見ると、この式で出される体重は少しだけぽっちゃりめに思えるかもしれません。しかし、はっきり言って、この体重以上にダイエットしようと考える必要はありません。これを切るような低体重は、見た目だけは理想に近づくのかもしれませんが、健康や成長に関するリスクと引き換えです。

まずは最初に、本当にダイエットが必要かどうかを見定めることがもっとも大切で、不必要に痩せようと考えていないかをしっかり考える必要があります。

それでは、この標準体重を考慮した上でも本当にダイエットが必要な中高生は、どのような方法でダイエットをするのがよいのでしょうか?
 

中学生・高校生は第二次性徴期! 身長の伸び分も忘れずに

中高生は「第二次性徴」と呼ばれる年代です。この年代の特徴は、成長すなわち「身長の伸び」が著しいこと。そのため、成長するためのエネルギーを確保しつつ、肥満を是正するための栄養の摂り方をする必要があります。

すなわち成人のダイエットであれば、「活動量>摂取量」となればOKですが、中高生など成長期の場合「活動量+成長分=摂取量」とならなければならず、成人よりも条件がシビアであるため、細心の注意が必要なのです。

特に女子中高生の場合、自分の外見に興味を持つ年代でもあり、インターネット等を使って効果的なダイエット法を調べようとする人も多いでしょう。そこで成人の方程式を用いて、肥満の是正をしすぎてしまう、つまり成長期にもかかわらず痩せすぎてしまうことが起こるのです。この時期の過度のダイエットは、将来的な不妊などにつながることも知られていますので、ダイエットを希望する女子中高生には、十分に注意していただきたいところです。
 

中学生・高校生の栄養学的にも正しいダイエット法

さて、男女問わず中高生がダイエットを希望する場合には、先に述べた通り、身長の伸びを考慮する必要があります。そのために必要な栄養素を確保しながらダイエットしていくことが大切です。

ダイエット中でもしっかり確保する必要がある栄養素として、必要性も含めて以下の4つが外せないことを覚えておいてください。

1. エネルギー源
低エネルギーによるダイエットはもっとも一般的ですが、成長期は「成長分」のエネルギーを確保しなければなりません。過度の低エネルギーは禁物です。

2. たんぱく質
血肉となり成長を促します。ダイエット中だから肉は食べないなどと言っていると、身長の伸びなど、欲しい成長も止まってしまいます。後になってから身長を伸ばしたいと思っても叶いません。

3. ビタミン類
ダイエット中は特に食事の摂取量が減るため、ビタミン摂取量が少なくなりがち。野菜や果物をしっかり食べて、きちんとビタミンの補充を。美容のためにも大切です。

4. ミネラル類
牛乳や海藻などに含まれているミネラル類も体組成に重要な役割を持っています。ダイエット中でも、絶対に欠かすことのできない栄養素です。特に、鉄、カルシウムは中高生の今、体内に蓄積しておかないと、後々の体に悪影響を与えてしまいます。牛乳は太りそうだと気になるのであれば、低脂肪乳等を使ってカルシウムを摂りましょう。
 

中高生向けのサプリメントについての注意点

また、近年は子供向けのダイエットサプリや、上記のようなダイエット中の栄養を補うためといったサプリメントなども多く見られます。

中には「身長を伸ばす」「体が丈夫になる」「脳の発達によい」など、親もわが子に飲ませたくなるような謳い文句のものもあるようです。しかし成長期の中高生は、成人以上にサプリメントの影響を大きく受けることは忘れてはいけません。

基本的に中高生時代はしっかりとした食事を摂ることが大前提。詳しくは国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「「健康食品」の安全性・有効性情報 サプリメントと子どもの食事」(PDF)をご覧下さい。ここで解説されているのは3~5歳くらいの幼児を対象にした情報ですが、中高生にも当てはまる食事やサプリメントに対する基礎的な内容が分かりやすく書かれています。

また、男子中高生の場合は、見た目ではダイエット以上に背を伸ばしたいと考えることもあるでしょう。「身長を伸ばすサプリメント」については、日本小児内分泌学会から、「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解(2013年3月29日公表)」が出されています。この見解を読む限り、サプリメントに使う予定の費用で別の経験を詰んだ方が、魅力的な男性に成長できるようにも思います。

中高生時代は、食欲も旺盛で体もまだまだ大きくなる年代です。不足しそうだと感じる栄養素は食事から摂るのが一番。時に友だちとジャンクフードを食べることも楽しい経験だと思いますが、毎日そればかりでは体に悪いこと、ジャンクフードを食べた後は必ず栄養バランスのよい食事を食べることなどが大切です。

過度なダイエットに走らないように健康的なダイエット目標を立てて、必要な場合のみ適切な方法でダイエットを成功させてください。
 
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