ニューリッチへの道/ニューリッチへの道

お金持ちが大切にしている「時間」の生み方とは?

時間をつくりだす、あるいは無駄な時間を減らすためには、自分なりの意思決定の方法論を持っておくことです。判断の軸があるだけで、短時間で効率的に意思決定ができ、結果多くの時間を確保することができるようになります。成功している人は時間を効率よく確保しています。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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「評価軸」と「優先順位」がないと損をする

時間をつくりだす、あるいは無駄な時間を減らすためには、自分なりの意思決定の方法論を持っておくことです。


たとえば買い物でほしいものが2つあり、迷って結局決められなかったという経験はないでしょうか。あるいは商品のパンフレットを何度も読み比べたけれども、なかなか決められない経験があるとか。

意思決定に時間がかかる理由のひとつに、自分の判断軸が明確でない、あるいは判断軸の優先順位付けが明確でないことが挙げられます。

家を買う場合も、選定基準は金額か駅からの距離か広さかなど、優先順位が決まっていれば、候補を絞り込むスピードは上がります。

しかし基準が「新築の家がほしい」「自分で買える金額」程度しかないと、たくさんの新築モデルルームを渡り歩いたものの、どれも同じに思えてきて迷います。そして、やがて疲れて家を買う情熱も冷め、結局断念した、という人は少なからずいます。あるいは自分より決断が早い人に先を越されてしまうとか。

こうなると、家の検討に要した時間・労力が全損です。
 

明確な評価軸は他人をも納得させる

仕事でも、たとえば人材採用の評価軸とその優先順位を持っておくと、納得性の高い意思決定が短時間でできるようになります。

たとえばある企業では、論理性や志望動機の説得力、将来ビジョンの明確さなど約7項目の評価軸があり、10点満点で採点するそうです。

それぞれの評価軸でウエイトが異なり、たとえば論理性は20%、志望動機の説得力が10%などで、それに点数を乗じて合計得点を出します。そして最後は「この人と一緒に働きたいか」で点数をつける。

また、様々な意思決定が求められる立場にもかかわらず、単なる自分の好みや印象で判断すると、あとで「あのひと、何でこれにしたのかねえ?」なんて批判を受けることになりかねません。

しかし評価軸とその優先順位を明確にしておくと、「これこれこういう基準で合理的だと判断し、これに決めたのです」と、周囲からの納得性も高まります。
 

優先順位の判断軸は、ゲインかペインか

どの仕事から優先的に取り掛かるか、ひとつの参考として「ゲインかペインか」という軸があります。

ゲインというのは「利益・儲け」という意味で、「これをやると収益になる・もっと儲かる」「これをやるとコスト削減になる」という仕事です。

ペインというのは「痛み」ですが、ここでは「これをやらないと損失になる」という意味です。たとえば「怒られる」「評価が下がる」「信用を失う」「あとで余計手間になる」「コストアップになる」となることを回避する仕事です。

ゲインの仕事とペインの仕事のどちらを優先させるかは、そのインパクトの大きさと、影響を及ぼす時間の長さで決めます。

たとえば、購入したいという人にはいち早く対応しつつ、ただの問い合わせメールは午後に後回しとか。あるいはクレームは放置すると二次クレームになるなどとやっかいなので、それは即対応する。一方で部下からの「この資料に目を通してください」には「1時間後でいい?」みたいなイメージです。

会社員であれば、対顧客向けの仕事はゲインなので優先的に取り組み、社内向けの仕事はゲインにはなりにくいですが、ペインになるものを優先的に取り組むという感じでしょうか。
 

やらなくても困らないことはやめてみる

もうひとつ、優先順位の付け方の軸を紹介します。これは私も実践している考え方で、特に「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、ああ忙しい」という人には役立つかもしれません。

それは、次の3つの質問を自分に投げかけてみることです。

1. それ、本当にやらなきゃいけないの?
2. やらないと何がどれくらい困るの?
3. その困り具合は取り返せないほど甚大な被害をあなたにもたらすものなの?


この3つの質問にYESと答えられないものは、思い切ってやめるか後回しにするのです。

たとえば部屋の掃除や洗濯。1にはYESですが、2はどうでしょう。掃除をしないと見た目が良くないとか、つまずくとか、配偶者が怒るとか、探すのが大変とか考えられます。では3は?

掃除をしなくても死なないし、お金が減るわけでもない。数カ月も放置すればダニやカビがわくかもしれないので必要ですが、今の忙しい状況の中では、結構どうでもいいな、と思えないでしょうか。

これを家事育児だけでなく、仕事でも応用してみるのです。「この資料、本当に必要?」「この作業をやめて、困る人はいるの?」と考えたとき、「いらないんじゃない?」と思えるものが見つかるかもしれません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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