平成30年度中小企業診断士1次試験申込みが始まりました!
科目免除の権利、行使すべき?
平成30年度中小企業診断士1次試験受験申込みが始まりましたが、すでに何人かの受験生の方から科目免除についてのご相談を受けました。
中小企業診断士1次試験には受験科目の免除申請という制度があり、この制度を利用するかしないかも、合否を左右する要素となるからです。
(2次試験においては、科目免除制度はありません)
2018年の受験申込み受付最終日は5月31日(木)ですが、まだ免除科目について悩んでいる方は、ぜひご参考ください。
中小企業診断士1次試験の受験科目の免除要件は、主に2つ
先に述べた通り、一定の要件を満たす場合は、1次試験の7科目全て受験せずとも合格できる場合があり、そのために必要な手続きが受験申込みの際の免除申請です。
科目免除には、
- 他資格等保有による科目免除
- 科目合格による免除
の2通りがあります。
他資格等保有による科目免除とは、経済学・経済政策、財務・会計、経営法務、情報システムの4科目について、専門的知識を保有していると認められる場合に受験を免れるというものです。
例えば、
- 公認会計士や税理士の財務・会計
- 弁護士の経営法務
- ITストラテジストや応用情報技術者などIT系資格取得者の経営情報システム
詳しくは、中小企業診断士第1次試験他資格等保有による科目免除にてご確認ください。
科目合格による免除は、得点源となる得意科目の免除となるケースも
「受験科目が少なくて済むなら、それに越したことはないではないか」と思われる方が多いことでしょう。
ですが、実際に受験して科目合格しながら1次試験合格には至らず、2年目、3年目の受験を迎えようとする方々にとってはそう言い切れない面もあります。
科目合格は、過去に受験した時に通常合格基準となる60%(=60点)を超えている科目に認められるものです。
したがって、60点台後半以上の高得点を取れるような得意科目も含まれるケースが少なくないのです。
中小企業診断士1次試験の合格基準は、総得点の60%以上(かつ、40%未満の科目が1科目でもないこと)とされているため、「苦手科目がある場合」は「それをカバーできる得意科目の免除申請の権利を放棄してあえて受験する」という選択肢が出てくるのです。
つまり、科目合格している場合は
- 科目免除の権利を行使し、受験科目を少なくして負担を減らす
- 科目免除の権利を放棄し、免除科目をあえて受験して得点源とする
の2択となるのです。
作戦としては、どちらの選択肢もありです。人それぞれ得意も不得意も受験科目数も異なりますから、一概に「こちらが正しい」とは言いきれません。
そこで、私は判断基準として、次のようなアドバイスをしています。
迷っているなら、科目免除の権利行使をすべき
理由は明確で、受験科目数が少ないほど合格率も高まる傾向にあるからです。TACでは、毎年1次試験終了後にWebサイト上で自己採点できるシステムを提供しており、その入力データを元に、様々な分析を行っています。
年度によって多少の違いはあれど、合格率が高い順に、
- 1科目受験
- 2科目受験
- 3科目受験
- 4科目受験
- 5科目受験
- 7科目受験
- 6科目受験
となっています。
6科目受験よりも7科目受験の方が合格率が高い理由は、一発合格するストレート合格者の存在にあります。
上記の分析結果によれば、確率論で言えば受験科目数は少ない方がいいということが言えます。
科目免除の権利を放棄した場合の実例
科目免除の権利を放棄して得意科目もあえて受験したケースでは、成功パターンも失敗パターンもあります。成功パターンとしては、権利放棄した科目の難易度が難化せず、例年通りだったかもしくは易化したケースです。
この場合、ぴったり狙い通りに苦手科目の低得点をカバーして合格できます。
失敗パターンとしては、
- 苦手な財務・会計1科目だけの受験を回避したい
- 最も自信のあった経営情報システムの科目免除申請をしなかった
- 財務・会計は合格点の60点を上回ったものの、得点源のつもりだった経営情報システムが極端に難しくなり逆に足を引っ張って、総得点で120点を下回り不合格
科目の難易度が年度によって大きく変化する場合がある。これは、中小企業診断士試験の特徴の一つです。
この変化にも対応できると言えるぐらい自信を持って受験できる科目であれば、得点源と見込んで科目免除の権利を放棄しても差し支えないでしょう。