会社員が副業でビジネスをはじめるとき、「場所」をどう確保するかが課題となります。自宅で副業をするとなると家族との関係があるし、カフェで作業するのは席も確保しづらく、集中できない……。副業ですから最初はなるべくコストを掛けずに、手軽にはじめたい、というのが普通でしょう。
そんなときに活用したいのがンタルオフィスです。今回は副業で活用したいレンタルオフィスについて解説します。
レンタルオフィスとは?
副業で場所を確保したいとき、レンタルオフィスは強い味方となる
レンタルオフィスとは、仕事に必要な執務空間や机、いす、情報機器などを備えたオフィスを、自前でオーナーからオフィス賃貸するよりも低い利用料やイニシャルコストで提供してくれるオフィスです。サービスオフィスともいわれます。
執務スペースのほかに、打ち合わせスペース、雑談スペース、動画配信スタジオ、携帯電話ルーム、カフェスペースなど、場所によってさまざまなスペースが備えつけられています。
住所や電話番号の利用、電話応対サービス、秘書サービスなど、副業する人が必要とするサービスを幅広く提供しているのも特徴のひとつです。
レンタルオフィスの種類
ひと言でレンタルオフィスといっても、さまざまな形態があります。大きく分類すると以下の4種類があり、場所によっては、このうちの複数サービスを同じ場所で提供していることもあります。
壁で区切られた専用のスペースに、専用の机といすが用意されるタイプ。完全に密閉された空間を確保できるため、最も集中できる快適な空間を手に入れることができます。一方で利用料は高額になりがちです。「その利用料があれば通常の賃貸オフィスを借りられる」という場合も少なくありません。
自分専用の決まった机やいすはなく、会員で共有して使うタイプです。個室タイプに比べると、利用料を抑えつつ快適な環境を手に入れることができるため、人気があります。他の会員と交流しやすいことも人気のひとつです。
机やいすの物理的空間を利用することは前提とせず、単に住所や郵便物の届く私書箱、電話応対サービスなどを利用するタイプです。実作業の場所は自宅等で確保することを想定し、単に住所や電話番号だけが欲しい場合に最適。格安で利用でき、合理的です。
特定の数時間だけや、毎週特定の日に数時間など、時間単位で無駄なく利用できるタイプです。本業が忙しく、最初は副業に使える時間が限られている人に向いています。
副業でレンタルオフィスを利用するメリット
会社員が副業でサービスオフィスを利用する場合、どのようなメリットを期待できるのでしょうか。あらためて書き出してみます。
不動産オーナーから個別に賃貸オフィスを借りることに比べ、安い維持費で快適な仕事環境を手に入れることができます。また、机やいす、複合機など、設備面でのイニシャルコストを抑えられる、というメリットもあります。
あらかじめ安定したインターネット(wifi)環境が提供されているため、Webやメールでの作業に便利です。
仕事上の打ち合わせが必要なとき、会議室や打ち合わせスペースを確保できます。カフェなどで打ち合わせをする場合には、機密情報や信用の面での問題がありますが、その点もクリアできます。
名刺に記載する住所が自宅だとプライバシー面で問題がありますが、住所や電話番号も借りることでプライバシーを守ることができます。またレンタルオフィスの住所自体が信用力につながる可能性もあります。
レンタルオフィスの会員同士の交流が活発なところを選べば、同業種や異業種の人脈の拡大を期待できます。また、レンタルオフィスで開催されるイベントや交流会にも参加すれば、さらに人脈や販路の拡大に活かすことも可能です。
レンタルオフィスで開催されるセミナーなどに参加して、仕事のスキルアップに活用することもできます。
レンタルオフィスを選ぶ際に検討したいこと
副業でレンタルオフィスを選ぶ際には、次のことを検討しましょう。
レンタルオフィス選びで最も大事なのは、サービス内容が自分に合っているかです。例えば、時間貸しに対応しているか、仕事に集中できる環境が整っているか、話し声が外に聞こえない密閉された会議室があるか、などです。
この点、まずは内見を申し込んだ上で、サービス内容や実際の環境や雰囲気を確認することをオススメします。ひとまず、1日や数時間だけ利用できる「ビジター利用」をしてみるのもいいですね。
これから行う副業で必要とされる付帯サービスが提供されているかも要チェックです。例えば、自宅への郵便転送機能、不在時の訪問への対応、電話対応代行などです。こうした細かい点は意外と見落としがちなので、よく調べましょう。
ひとことでレンタルオフィスといっても、最高級グレードからお手軽なものまでレベル感には大きな違いがあります。「余分なコストを掛けない」という観点と「必要なサービスが揃っている」という観点でうまくバランスを取りながら選ぶのが失敗しないコツです。
個人事業ではなく、会社を設立して副業を行う場合、そのレンタルオフィスで会社の登記ができるかどうかも重要な検討材料です。登記できないレンタルオフィスもあるため、よく確認してください。また、会社設立する場合には、その住所で法人銀行口座を開設できるかも重要です。この点もよく確認しましょう。
契約内容をよくチェックすることも重要です。特に何ヶ月前に予告すれば解約できるのかなど、解約条項をしっかりチェックしましょう。中には、「契約から1年間は解約できない」というような厳しい契約条件のところもあるため、事前によく確認することをお薦めします。