成功者は自分の価値観に忠実

「成功」のひとつの在り方に「自由」があると思います。たとえばどんなにお金があっても、毎日深夜遅くまで過労死寸前になりながら働いている状態は、多くの人にとって望ましい状態ではないでしょう。

では自由とは何か。それは、何からも誰からも制約を受けず、自分の意のままに生きることと言えます。何かの制度や仕組み、あるいは誰か他人に縛られてがんじがらめになっている状態より、自分の好きなように生きるほうが楽しい。自分らしく生きられるとしたら、それもひとつの成功です。
そして、そんな自由を得たいならば、そこには必ず孤独がつきまといます。

自律していない人ほど周囲を気にする

「ひとりでいることは寂しいからいやだ」と無理やり誰かと一緒にいようとする。どこかのグループや集団に所属しようとする。週末の予定が真っ白だと不安になる。
自分を曲げて、あるいは自分の本心を抑え込んでまで周りに合わせることは、自分の人生を他人に浸食されることにほかなりません。

それに、周囲の目を過剰に気にして生きることは他人の価値観で生きているということであり、自律していないということを意味します。「インスタ映え」というのも、周囲からどう見られるかを気にしている人が多いということ。
つまり自分の行動を、自分の価値観や規律にもとづいて制御できていない状態です。これは不自由でしょう。

もちろん、人とつきあうことには良い影響を受けたり、多少は集団の影響を受けるものですが、頭の中まで浸食されてしまっては、いつまで経っても自分に自信が持てず、生きている実感を得にくくなります。すると、未来は明るいと思えなくなってしまいます。

「孤独=みじめ」の考えは成功を遠ざける

しかし世の中の大部分は、「孤独なのは寂しい」「ぼっちはみじめだ」という価値観ではないでしょうか。
たとえばランチメイト症候群や便所飯という言葉が話題になるほど、多くの人はひとりで食事するのを恐れます。いえ、実際には一人で食事をしているところを見られることを恐れているのです。

それはなぜかというと、自分の中に「孤独なのはみじめだ、ひとりは寂しい」という思い込みがあるため、「自分は友達のいない寂しい人間なんだと思われているんじゃないか」という妄想に襲われるからです。

孤独死というのも、生きている周りの人間が勝手に「かわいそう」「みじめ」などと言っているだけ。
本人は満足して死んだのかもしれないのに、本人の心情を知ることができない外野があれこれ講釈するのはナンセンスなはずですが、逆にそれくらい孤独を恐怖と感じている人が多いということなのでしょう。

成功者の思考は「孤独=自由」

そもそも「ひとりでは生きていけない」というのは錯覚です。
赤ちゃんや子どもは一人では生きられませんが、大人になればどうでしょうか。仕事を持っていれば、家賃を払って住む場所を確保できる。コンビニに行けば食べものは手に入る。ケガをして働けなくなっても医療保険や収入保障保険に入っていれば困ることはない。
一人で起きられるし、一人で着替えもできる。一人でお風呂も入れるし食事もできるでしょう。

仕事は一人ではなくチームや組織、あるいは取引先があるわけですが、求められる成果を出せば問題ないはずで、職場に苦手な人がいるなら仕事に必要な会話だけを淡々とすればよいだけ。特に濃厚なつきあいが求められているわけではありません。

自分からむやみに他人を攻撃しなければ人間関係が険悪になることもなく、単に誘われないとか、会話の輪に入れないだけ。仮にそうであっても、それが何かの障害になるわけでもない。
つまり実際には一人でも生きていけるわけで、孤独を恐れる必要はないことがわかります。

たとえば田舎の集落で暮らせば、地元の人間関係や風習にある程度従わなければなりません。地域の行事にもボランティアで強制参加を強いられます。その代わり、農作物を融通しあったり、互助的な生活が送れます。
一方、都会にはそのようなしがらみはほとんどなく、賃貸マンションや賃貸アパートに住んでいれば、隣の人を知らないし知る機会すらない人も少なくない。風習や習慣も地元行事も少ない。だから誰にも縛られない。これは自由です。
しかしその裏返しに、アパートの一室でひとりぼっち、などという状況に直面する。

孤独を受け入れずして自由を得ることはできません。逆に孤独を避けようとすればするほど、つきあう人が増え、他人に合わせなければならず、自由もあきらめることになります。
とはいえこれは、対人関係を避けて自ら孤立するような、自閉的な生き方を意味するわけではありません。

自由の先にある有益な人間関係と成功

自分らしく生きようとすれば、自分の考え方を尊重することになります。
すると、自分の個性に合わない人たちは離れていく一方、価値観が合う人、自分の存在を認めてくれる人だけが残ります。
その人たちとは自然体で接することができますから、必要のない気づかいで疲弊したり、悩んだりすることから解放されます。

その結果、自分を飾らず偽らずにつきあえる人間関係のみが残るから、人付き合いと自由を両立させることができるのです。
つまり「最悪ひとりでも大丈夫」と思える強さは、過剰に人間関係に気を使って疲弊したり思い詰めたりしなくて済むよう、人間関係を取捨選択できる勇気になるのです。

このように、自分の価値判断基準を信頼し自分らしく生きることは、お金に換算できない成功の一つの要素と言えるでしょう。

出典)「孤独をたのしむ力」(日本実業出版社)

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