集中できてる?勉強の邪魔してない?スマホを使った学習の注意点
スマホ・タブレットアプリで学習する子どもは増えている
学習にスマホアプリを活用する子どもたち
MMD研究所とオンライン学習塾アオイゼミ共同調査の「中高生の勉強時におけるスマートフォン利用実態調査」(2017年12月)によると、中学生の91.0%、高校生の92.1%が「勉強にスマートフォンを利用する」と回答しています。使用目的は、「わからない問題や単語を検索」「動画サイト/アプリで問題の解き方や授業を視聴」「勉強時間や試験のスケジュールの管理」「LINEで友だちと問題について教え合いながら勉強」「英単語帳やノートとスマートフォンを連動させて利用」などとなっています。
また、朝日学生新聞社とアルクテラスによる「中高生の勉強へのSNS活用状況調査」(2017年7月)によると、全体の89%が「SNSは勉強に役立っている」と回答しています。利用しているSNSは、Twitter、Google+、LINEQ、学習アプリ、YouTubeなどとなっています。分からないことを質問したり、勉強した記録を残したりという使い方をしているのです。
TwitterやInstagramなどのSNSで勉強専用アカウント、通称「勉強垢」を使って学習をする子が増えています。同調査では、3割の中高生が「勉強垢」を利用していることが分かっています。勉強垢では、志望校や偏差値などの学習上の目標を明らかにした上で、学習時間を記録したり、お互いに励まし合ったりする使い方が見られます。
スマホアプリを利用するメリット・デメリットとは
私が聞いた範囲でも、「YouTubeで解き方動画、解説動画を見る」という子は多いようです。無料の優良で分かりやすい動画が見られることで、学習の理解が進むことは間違いないでしょう。また、勉強垢で励まし合いながら勉強することも、モチベーション維持につながっているようです。勉強垢と同様の使い方ができるアプリ「Stduplus」などを活用している子もたくさんいます。
このように、スマホアプリを活用することで、学習の理解が進んだり、モチベーション維持につながることは大きなメリットでしょう。
一方、LINEなどで学習以外の連絡がくることも多く、学習に集中できなくなる可能性もあります。LINEのやりとりがやめられなくなったり、ゲームアプリなどにはまって、学習どころではなくなることもあります。
つまりうまく活用できれば大きなメリットがあるものの、誘惑に近づきやすい点がデメリットと言えるでしょう。
セルフコントロール力次第で柔軟に対応を
アプリやSNSで学習できるのか、それともLINEやゲームで遊んでしまい勉強できなくなってしまうのかは、子どもの性格によるでしょう。子どもが強い目的意識を持って利用をセルフコントロールできるかどうかで対応は変えていくべきです。たとえば、テスト前には「これからテスト勉強するからLINEは終わりにするね」と友だちに言える子なら、問題なく活用できます。その場合は、アプリなどをうまく学習に活用できるのではないでしょうか。特にスマホやタブレットの利用を制限する必要はないでしょう。
しかし、友だちにLINEで話しかけられたらついつい関係ない話をしてしまったり、ゲームの誘惑に弱い子の場合は、スマホがあると勉強にならなくなるかもしれません。その場合は、勉強の時間は保護者がスマホを預かる、或いは居間で充電するなどの決まりを作り、スマートフォンは勉強する部屋には持ち込まないようにするほうがいいでしょう。