離婚/離婚を決意する前に

新婚なのに離婚したい! 危機を乗り越えるためのヒント

結婚してそれほど年月がたっていない、新婚のうちから「この人と結婚して正解だった?」「離婚したいかも」と考える女性は少なくありません。そこで今回は、実際のエピソードをもとに、離婚を考える瞬間や、スピード離婚の危機を回避する考え方のヒントをご紹介します。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

<目次>

新婚なのに離婚したいという悩みは意外と多い!?

新婚なのに離婚したいかも...

新婚なのに離婚したいかも...

好きな人と結ばれて幸せなはずの新婚期なのに、「この人と結婚して本当によかったのかな……」とモヤモヤした気持ちになること、ありませんか?

日常生活における相手のささいな言動に生じる小さな「?」が増えていくと、結婚したことが間違いだったのではないかと疑問に思うことがあります。実際、結婚してからそれほど年月がたっていないにもかかわらず、「離婚したほうがいいのでしょうか?」と夫婦問題の相談に訪れる女性もいます。

新婚早々、離婚の相談に訪れる女性たちに共通して言えるのは、「小さな価値観の違いに敏感になっている」ということ。周りからしたら「なんで、そんなささいなことで?」と思うようなことでも、本人たちは「別れるべきかも……」ととらえてしまっているケースは少なくありません。極端な話、浮気や暴力、借金といった明白な理由がない場合でも、スピード離婚を考えるケースも珍しくないのです。

たとえば、次のようなエピソードを聞いたこともあります。
 

新婚早々、結婚を後悔した女性たちのエピソード

■エピソード1:「イベントを大切にしない夫」の妻A子さんのケース

社内恋愛がきっかけで約1年前に結婚したA子さんは、「離婚するなら早いほうが、お互いに傷が浅く済むのでは?」と夫婦問題の相談に訪れた30代前半の女性です。

A子さんの話によると、結婚前に付き合っている頃はお互いに実家で家族と暮らしていたため、デートはほぼ外。そのため、誕生日やクリスマス、バレンタインなどイベントの日には、必ずと言っていいほどすてきなお店で食事をしたり、新しくできたデートスポットにおでかけしたりするのが2人のお決まりのコースでした。

ところが、結婚してから判明したのは、A子さんの夫は出不精で面倒くさがりな性格だった、という事実だったのです。「『家があるのにわざわざ外に出る必要はないだろう』と休日は必ず部屋でゴロゴロしたまま1日が終了。『イベントも本当は面倒くさいから好きじゃなかった。結婚したらラクがいちばん!』とクリスマスや誕生日のおでかけもスルー。釣った魚にエサはやらない主義だと知っていたら、この人と結婚なんてしなかったのに……」と嘆くのでした。

■エピソード2:「食の好みが違いすぎる夫」の妻B美さんのケース

出会った瞬間に運命を感じ、付き合って2カ月でスピード婚をしたB美さんは、結婚生活をしてすぐに「この人とは一緒にやっていけない!」と感じ、現在は離婚を考えていると言います。

Bさんの悩みの原因は、夫との食の好みの違いについて。「私は食べることが大好き。自分で言うのもナンですが、料理をするのも得意なんです。でも、結婚してはじめてわかったのは、夫は好き嫌いが激しく、食に関して超保守派だったんです」とキレ気味に話します。

2人が結婚してB美さんがはじめて手料理をふるまおうとした日、夫から「じつは、オムライスかハンバーグ以外はあんまり好きじゃないんだ。チャーハンはOKだけどラーメンはNGだからよろしくね!」と宣言されたとき、Bさんは「無理……」と絶望的になったのでした。「この先もずっと夫に合わせた食事を続けなければいけないのかと思ったら、私の人生の楽しみが半減するんだな、って。それって、別れるしかないですよね?」。

・エピソード3:「いつまでも子どもっぽい夫」の妻C菜さんのケース

26歳で授かり婚をしたC菜さんは、出産して半年になる新米ママ。ところが、すでにシングルマザーになる決意をしています。「もともと子どもっぽいところがある夫でしたが、自分の子どもが生まれてからも、まったく改善しようとしないんです」と、ため息をつきます。

聞けば、夫は毎晩のように会社の人や学生時代の友人との飲み会に参加して帰宅は終電ギリギリ。週末は趣味の仲間と出かけてしまうため、結局、家事や育児はC菜さんにまかせっきりとのこと。

「夫と同じ年の男性はまだ独身が多く、自分も『まだまだ遊びたかった』と思っているのは明らか。でも、だからといって私や子どもを放っておいて自分だけ好き勝手なことをしていいわけはないですよね?」とC菜さんは不満をぶつけます。

すると、そんなC菜さんの苦労をみかねた彼女のご両親が「ウチに戻ってくれば?子どもの世話なら私たちが引き受けるから、あなたは働きに出ればいいんじゃない?」と援助を申し出てきたと言います。「たしかに復職するならできるだけ早いうちのほうが有利だし、実家にいれば家賃もかからない。正直、かなり真剣に離婚を考えています」と話すのでした。
 

新婚なのに「離婚したい」と思ったときに考えるべきこととは?

離婚を考える

相手の価値観を認めることができるうちは、「離婚」を考える段階にはまだ早すぎることも。冷静に見極めて!

離婚を考えるきっかけは人によって違うもの。ですが、先ほどの3つのエピソードからもわかるように、新婚早々に離婚を考える危機が訪れた場合、その多くは「ささいなことが原因で、相手との違いを感じた」というものだったりします。

夫婦とはいえ、もとは他人。生まれた家庭も異なれば、育った環境も違います。いわゆる「価値観の違い」が気になりすぎて、スピード離婚という選択肢が頭をよぎることになるのでしょう。

もしも、まだ新婚なのに「運命の相手じゃないから別れたい」「こんな人、もう別れるしかない」と思ったときは、すぐに離婚という決断を下す前に、まずすべきことがあります。それは、“離婚”と“価値観の違い”を天秤にかけて、冷静に考えてみる、ということです。

そもそも、なんのトラブルもなくラブラブな関係が続く結婚生活なんて、宝くじに当たるようなもの。ほとんどの夫婦は、なんらかの課題を抱えているものです。だとしたら、ささいな価値観の違いだけで、すぐに離婚を決めるのはもったいないこと。「価値観の違い」は、相手を変えても起こりえる問題だからです。

それよりは、相手に価値観の違いを感じたときに「それって、本当に認めることができないことなのか?」を、離婚することと比べて、自分に問い合わせてみてください。たとえば、「誕生日にプレゼントをもらえないことは、離婚より大事な問題?」「好き嫌いが多い相手と暮らすのは、1人でいるより不幸なこと?」「たとえ子どもっぽい夫でも、子どもにとって父親がいるのとそうでないのとでは、どっちがいい?」というように。

そんなふうに価値観の違いと離婚を比べたとき、「それでも別れるしかない」と思うなら、新婚であっても、離婚を視野に入れて将来を考えはじめましょう。反対に、「まだそこまでではないかな」と思えるなら、夫婦関係について相手と話し合うことが大切です。いずれにしても、お互いに理解し合ったうえで結論を出すほうが、後悔のない結婚生活になることは間違いないでしょう。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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