石川県立歴史博物館:歴史を感じさせる風格が漂うノスタルジックな赤煉瓦建築
現在、石川県立歴史博物館として使われている3棟の赤煉瓦建築は、元々は明治末期から大正初期にかけて陸軍の兵器庫として建てられました。その後、金沢美術工芸大学校舎として使われ、博物館になったのは1986年(昭和61年)から。
倉庫として建てられたので華美な装飾はありませんが、創建当時そのままの姿を忠実に復元した力強い外観や赤煉瓦が持つ独特な風合い、展示設備との調和を図った内装も落ち着いた佇まいが感じられ、いつまで見ていても飽きません。
歴史的建造物の保存と博物館としての再利用が評価され、1990年(平成2年)には国の重要文化財に指定、翌年には日本建築学会賞を受賞。博物館は有料ですが、交流体験館がある棟は無料で利用できるので、気軽に覗いてみてくださいね。
■石川県歴史博物館
住所:〒920-0963 金沢市出羽町3-1
TEL:076-262-3236
開館時間:9:00~17:00
休館日:年末年始、資料の展示替え及び整理期間
観覧料:300円
石川四高記念文化交流館:時代を経ても色褪せない、趣のある赤煉瓦校舎
明治26年(1893年)から約60年間、旧制第四高等中学校の本館として使用されていた石川四高記念文化交流館。数種類の色の煉瓦を積み上げて建てられた堅牢な煉瓦造り建築は国の重要文化財に指定されています。
内部はノスタルジー溢れる木造になっており、校舎ならではの天井が高く長い廊下を歩いていると、明治時代にタイムスリップした感覚に。今にもマント、制帽、下駄姿の四高生がその辺からひょいと出てきそうです。
四高時代の教室を再現した多目的利用室やクラシカルな椅子やテーブル、蓄音機が置かれた休憩室もあり、レトロ感満載。さらに毎日日没~22時までライトップされ、仄かな灯りに浮かび上がる様は幻想的で美しく、一見の価値ありです。
■石川四高記念文化交流館
住所:〒920-0962 金沢市広坂2-2-5
TEL:076-262-5464
開館時間:9:00~17:00
休館日:12月29日~1月3日(展示資料整理のための臨時休館あり)
観覧料:無料
北國銀行武蔵ヶ辻支店:モダニズム建築の旗手・村野藤吾の希少な初期作品
近江町市場の隣という立地にありながら、地方銀行の支店であるために地元民ですらその価値にほとんど気づいていない北國銀行武蔵ヶ辻支店。実は昭和の建築史の礎を築いた巨匠・村野藤吾の現存する数少ない初期作品の1つです。
正面にある砲弾状の三連アーチが目を引く直方体の鉄筋コンクリート造りの建物はどっしりと重厚感があり、銀行建築に相応しい風格と貫録。アーチ内部の格子状の柵や窓に施された銅製レリーフの装飾も見事です。
一見赤煉瓦と見紛う壁は手焼きのスクラッチタイルで、帝国ホテル旧本館に端を発した鉄筋コンクリート造りにスクラッチタイルという組み合わせは当時大流行したそう。今となっては貴重な昭和モダニズム建築をとくとご覧あれ!
■北國銀行武蔵ヶ辻支店
住所:〒920-0907 金沢市青草町88
TEL:076-262-2161
営業時間:9:00~15:00
定休日:土・日・祝日