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日本が誇るマテハン世界最大手企業「ダイフク」とは

日本には世界に誇る企業がたくさんあります!今回はその中の1つモノを動かす技術「マテリアルハンドリング」世界最大級の企業、ダイフクのご紹介です!

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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ダイフク<6383>日本が誇るマテハン世界最大手企業

日本には世界に誇る企業がたくさんあります!今回はその中の1つマテハン世界最大級の企業、ダイフクのご紹介です!

日本には世界に誇る企業がたくさんあります!今回はその中の1つマテハン世界最大級の企業、ダイフク<6383>のご紹介です!

マテハンとは「マテリアルハンドリング」の略称で、モノを動かす技術を指します。もう少し具体的には、「工場・倉庫・店舗など拠点内での原材料や仕掛品、完成品の移動、保管をするハードとソフトのすべて」を意味します。例えば、自動車生産ラインのコンベヤ、半導体・液晶生産におけるクリーン搬送システム、流通における物流総合システムなど、工場や倉庫でモノや情報を効率的に機能させるために欠かせない存在です。ダイフク<6383>はこのマテハンの国内最大手。世界的にもトップシェア製品を持っており、50の国・地域に納入実績を持つグローバル企業です。

創業は1937年で、マテハンの専業メーカーとして様々な業種業界において物流合理化の実績を重ねてきました。創立80周年を迎えた現在では、世界23の国・地域に展開する生産・販売拠点を介して、自動倉庫などの保管システムや仕分け・ピッキングシステム、搬送システムなど“最先端の”物流ソリューションを提供しています。

同社が手掛けるマテハンは「保管・搬送・仕分け」と、物流システムを構成する3つの要素全てです。それも開発から製造まで自社で対応していることから、幅広い業種のニーズに対応したマテハンを開発することが可能な体制が構築されています。需要元には1、エレクトロニクス(液晶・半導体)業界、2、流通・一般製造業、3、自動車・自動車部品業界、4、空港等(売上比率が高い業種順)、幅広い分野の効率向上に貢献しています。

また、1975年に台湾の鉄鋼メーカーにコンベヤシステムを納入して以来、海外展開を進め、現在では売上の約7割を海外で稼いでいます(17/3期65.5%)。特にアジアでの受注・売上が多く、受注の4割は中国をはじめとするアジアによるものとなります。台湾をはじめ、アジアは半導体や液晶製造の最大エリアですから、自然とそうなるのでしょう。また流通小売りでは米国が中心となっているようです。

計画から設計・開発、施工、アフターサービスまで一貫提供~様々な業種のニーズを形にできる体制を強みに成長~

同社の創業は1937年。今から80年も前に遡ります。出発は製鉄用の鍛圧機械からでしたが、翌年日本通運からクレーンを受注。これを機に、荷役運搬機械の製造を開始しました。1950年代には日本発のバルクベアとして東京瓦斯や味の素、三菱倉庫などに納入するなど、戦後復興期の日本産業界の追い風を受け好調な足取りで基盤を固めていきました。

そして1956年、トヨタからウェブコンペヤシステムを受注したことが同社がマテハン専業メーカーとしての道を歩むキッカケに。このエンジンテスト用コンベヤは、それまで人力でやっていたエンジンテストの流れを自動化できるという非常に画期的・革新的なもので、自動車の生産ラインのあり方を変えるものとなりました。日本の製造業を支える企業として存在感を高めていったのです。

こうして自動車の生産ラインから参入した同社は、その後自動車コンベアで培ったノウハウを応用する形で多産業に展開していきます。1966年には日本初の自動倉庫を松下電器に納入し、1969年には日本初のコンピューターオンライン制御による自動倉庫を、旭化成工業に納入と、こうしてみると日本を代表する大企業に納入実績を古くから持っていることが分かります。自動倉庫でシェアを取り、さらに1976年になると、自動化を実現する自動仕分け機を開発。流通業での存在を一層高めていきました。

同社が様々な業種で必要とされる物流システムを提供できてきたのは、すべて内製できる体制を構築しているからです。

同社は、導入の計画から設計、開発、納入、アフターサービスまで一貫提供しています。このアフターサービスまでをカバーている点がミソで、現場で発生した問題や要望を開発にフィードバックし、様々な業種に対して便利な製品を開発、提供することができていると言えます。例えばレナウンに納入したハンガーレールシステムは、以後アパレル物流システムのデファクトスタンダードとなっています。ちなみに最近出た自動納骨堂も同社のシステムが使われています。

自動車生産ラインで培ったノウハウを活かし、すでに1982年には、工場自動化で最先端を走るファナックに無人搬送車や自動倉庫などをコンピューター連動させたFAシステムを納入しています。

半導体・液晶などのエレクトロニクス業界に対しても納入実績を多く持ちます。半導体業界からの受注売り上げは全体の4割を占めるまでになっており、非常に成長が見込まれる分野であることから、業績のさらなる拡大が期待できます。

マテハンは工場の自動化によって効率性向上に貢献することで製造業を支えてきました。特に近年は人手不足の深刻化を背景に、人手を補う役割や低コスト化を実現する中心的な存在とされ、物流現場の自動化や機械化ニーズが急角度で高まっています。

米調査会社によると、マテリアルハンドリング機器の世界市場規模は2015年段階で260億ドルと推計されています。今後2022年まで年平均7.9%の成長が見込まれ、2022年には2015年の1.8倍となる446億ドルに達すると予測されています。

また国内ロジクティクスシステム協会によると、2016年度の物流システム機器の総売上金額は前年比9.8%増の4626億円となり、過去最高を記録しています(1985年の調査開始から)受注金額についても、4482億円と前年度比9.5%の増加となり、増加傾向にあることから2017年度の売上額も増えると予測できます。

18年3期上半期業績:受注、売上、利益揃って過去最高に!~増収効果とコスト改善、生産効率向上で利益率向上~

アジア・北米の半導体・液晶パネル工場向け輸出案件の大幅増加、国内流通業向けシステムの大型化需要、また自動車生産ライン向けシステムの堅調な推移も手伝って、業績は絶好調です。

また同社では継続的にコストダウンに取り組んでおり、販売管理費の低減を実現しています。売上高は前年を大きく上回ったにも関わらず、販売管理費は1.3%の減少。これは高水準の受注に対して生産量を増やしているため、工場稼働率が高まっているためと考えられます。この点、製造業にとって理想的な状態と言えます。

売上高販売管理費率は前年同期の13.9%から11.0%に大きく低下しており、営業利益率を改善しています。

主力のダイフクでは受注高が前年同期比53.7%増の1189億円、売上高が22.5%増の824億円、セグメント利益は前年の2.2倍となる91億円を達成しており、全体業績を押し上げました。

半導体・液晶パネル業界、EC関連業界における旺盛な設備投資を背景に、受注高は前年同期比の1.85倍となる2667億円を記録しました。

業種別の受注、売上動向を見ると、ダントツで伸びているのが半導体などエレクトロニクス分野です。受注高は前年同期の2.3倍、売上高は1.5倍に大きく伸び、受注高の40.36%、売上高の35.7%を構成しています。

またエレクトロニクスに次いで伸びが大きかったのが商業・小売業で、これはEC需要の拡大に対応する動きが表れていることは明らか。自動車と自動車部品も、好景気や電気自動車へのシフトなどを背景に新たな設備需要が発生している分野です。俯瞰するとマーケットが大きく成長している分野の成長が反映されていることが分かります。

2018年3月期通期業績予想上方修正、増配へ:7期連続増収増益を達成する見込み

想定を超えるほどの受注を受け、通期業績予想を上方修正しました。売上高を3.8%、営業利益を23.3%、経常利益を22.6%、純利益23.8%、従来の計画値からそれぞれ引き上げました。配当金も、中間・期末それぞれ5円ずつ引き上げ、中間配当25円、期末配当37円とし、年間配当金は過去最高の62円とする方針です。

また、2018/3期における受注予想についても、2017/9月発表の4400億円から11.4%上回る4900億円に上方修正されており、引き続き高水準の受注・販売が続く見通しとなっています。

受注残高は18/3期第二四半期末で3140億円となり、前年同四半期末の1923億円から1.6倍に、また前期末の2,314億円の1.4倍規模に増えています。積み上がりの勢いを見る限り、受注、売上、利益とも達成の可能性が高まっていると思われます。

安定収入基盤となっている、保守・メンテナンスを営むサービス売上高は、全体売上の25%。設備受注高の好調な伸びを見ると、その後のサービス売上の堅調な伸びが期待できますし、設備の老朽化、入れ替え需要拡大期には売上構成比が拡大しそうです。

業績は絶好調で見通し明るく、収益性の改善続く。積極投資も評価

業績は絶好調。想定越えの受注を踏み台にした売上の増加が見込まれます。コスト改善策も継続的に行っていることも大きなポジティブ要素です。生産量増加による工場稼働率アップによる原価改善も加わり、収益性は改善基調を強めています。また2019年3月期には今期に積み上げた受注増が本格寄与してくることになりますので、見通しも明るいです。

想定越えの受注に対応するための投資も行っています。直近では2017年12月に公募増資等で約220億円を調達。システム開発拠点の新設や滋賀工場更新、また好調な米国工場拡張等に充当するとのことです。収益拡大のための投資にも積極的であり、見通しの明るさを高く評価したいと思います。

17年9月末時点の財務内容は良好です。自己資本比率が45.9%、有利子負債が398億4000万円。619億8100万円の現金等を考慮すると実質無借金経営です。流動比率は1.87倍、固定比率でも0.56倍と長短ともに支払い能力は十分です。なお、営業キャッシュフローが前年同期比30%減となっていますがこれは、想定以上の受注を背景とした売上債権の増加(約156億円)を主な要因としていますので心配ありません。

あと同社は2017年10月に、格付け情報センターによる発行体格付が「A-」から「A」に格上げされました。10年ぶりの格上げです。継続してコストダウン施策を講じてきた同社にとってはその努力による財務基盤強化が認められたというわけです。JPXインデックス400にも継続選定されており、収益性が向上していることが評価されていることが分かります。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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