イギリスのトイレ事情
土地勘のない場所で、まず困るのがトイレ。旅行者でも気軽に使えるトイレはあるの?有料なの?ウォシュレットは?などなど、いざという時のために知っておくと安心ですね。旅行前に知っておきたい予備知識をまとめました。気軽に使える場所や公衆トイレのあれこれ、携帯しておくと便利なアイテムのほか、便利な「イギリストイレマップ」やアプリもご紹介!紙は流しても大丈夫!都市部では日本とほぼ同じ
ロンドンなどの都市部では、事情は日本とほぼ同じと言って良いでしょう。基本的にどのトイレもトイレットペーパーは個室内に備え付けられていて、水に流すこともできます。ただし、ウォシュレット付きのものは一部の高級ホテルや日本食レストランなど、ごくごく限られた場所にしかありません。外出先ではデパートやホテルのロビーなど、快適に使えるところがたくさんあるので、困ることはありません。レストランやカフェ、パブなどの飲食店やショップなどは原則として顧客以外のトイレ利用はできませんが、一部店舗では快く使わせてくれるところも。
また、美術館や博物館も穴場です。ロンドンには入館料無料のところが多く、また入館有料の場合でも、レセプションエリアのトイレは無料で利用できる場合があります。例えば、トラファルガー広場近辺ではナショナル・ポートレイト・ギャラリー。エントランスでは手荷物チェックがありますが、入館料は無料。利用しやすいトイレは地下にあります。地下には広いクロークルーム(手荷物預かり・コインロッカー)やカフェもあり、ちょっとした休憩にも利用価値大。お隣のナショナル・ギャラリーに比べて、こちらは比較的空いているのでおすすめです。
駅のトイレについて
主要地下鉄駅や鉄道ターミナル駅には、必ずトイレがあります。利用料は駅によってまちまちですが、有料の場合の利用料は20~50ペンス。入り口のゲートにあるコイン投入口に指定の額を入れると、バーが回って入れる仕組みです。これまで主要駅では有料トイレがほとんどでしたが、チャリング・クロス駅やヴィクトリア駅などが近年無料化されました。2016年末まで有料だったヴィクトリア駅のものは、駅のトイレとしては比較的コンディションも良く、広く明るいので使い勝手は良さそうです。
公衆トイレいろいろ
では次に、いわゆる「公衆トイレ」についてのお話を。地方自治体が管理しているもので、パブリック・トイレット(Public Toilet)またはパブリック・コンヴィニエンス(Public Convenience)と呼ばれます。地域によって形態は様々ですが、ロンドンでは大きく分けると地下タイプ、全自動タイプ、男性専用タイプの三種類があります。歴史を感じる?地下タイプ
地下タイプの登場は19世紀ヴィクトリア時代。設備はもちろん近代化されていますが、地上部分の柵だけは当時のまま残っていたり、数は少ないながら、美しいタイルの内装を残すものもあるそうです。このタイプは有料なのがほとんどで、利用料は20~50ペンス。なおロンドン中心地の外国人が多い場所では、ユーロコインが使える場合もあります。場所や時間帯によっては治安が良くない場合もあるので、人通りの少ない場所や夜間の利用は避けたほうが安全です。
個室丸ごと洗浄、全自動タイプ「オートルー」
2000年あたりから設置され始めたのが、通称オートルー(autoloo)と呼ばれる全自動タイプ。歩道に設置されている一人用の個室トイレで、利用料は20~50ペンス。毎回使用されるたびに個室が丸ごと自動洗浄されます。24時間いつでも利用できて便利ですが、一回の利用時間が20分以内に制限されているので要注意。20分たつと自動的にドアが開く仕組みになっています。夜間限定、男性専用タイプ
こちらは、酔って公道で用を足してしまう人が増える夜間のトイレ問題対策。常設で24時間利用可能なものもありますが、利用時間は夜間限定となっているものが多いようです。夜になるとトラックで運ばれてくるものや、日中は地中に隠されていて夜間のみ地上に出てくるタイプなど、様々です。ほとんどが屋外ですが、最低限のプライバシーは守られ、通行人にも不快感は与えないデザイン。利用料は無料です。用意しておくと便利なもの
まずは有料トイレ用の小銭。おつりの出ないものがほとんどなので、10、20、50ペンス硬貨を何枚か持っておくと良いでしょう。有料無料にかかわらず、基本的にトイレットペーパーは個室内に備え付けのものがありますが、クリーニングや備品メンテナンスのレベルは様々です。レストランやカフェ、デパートなどでも、まれに残念なコンディションのトイレに当たってしまうことも。そこで念のため常備しておきたいのが、ポケットティッシュや携帯用トイレットペーパー。また、紙の便座カバーが備え付けられているところも少ないので、除菌グッズも持っておくと安心です。
なお、日本では当たり前のウォシュレットはイギリスではほとんど普及していません。ロンドンでは一部の高級ホテルや日本食レストラン以外では見かけることはほとんどありません。どうしても必要な場合は、日本から携帯用のウォシュレットを持参したほうがよいでしょう。
トイレの探し方
観光客の多いエリアでは要所要所に周辺地図の書かれた案内板が立っており、ここの中に公衆トイレの位置情報も表示されています。ロンドン中心部のものであれば、徒歩15分圏内と5分圏内の二種類の地図があり、トイレまでの所要時間の目安がわかるようになっています。これは便利!イギリストイレマップ
最後に、困った時に近くのトイレがすぐ見つかる、トイレのデータベースをご紹介します。トイレの位置だけでなく、利用時間や利用料の有無などもわかるスグレモノ。掲載されているのは自治体管理の公衆トイレや地下鉄や鉄道駅構内のトイレの他、店の顧客以外にもトイレ利用を許可している店舗など。ただし、こちらは一部の携帯端末では正しく表示されないことがあるようです。
スマホ、タブレット用アプリ。上記のトイレマップほどの詳細情報はありませんが、GPSで自分の現在位置から最寄りのトイレまでの道順や所要時間がわかるようになっています。あらかじめスマホにインストールしておくと、いざという時の助けになるかもしれません。