畳座り床座りで起こる腰痛・脚のつらい症状
床座りはリラックスできて身体には負担が少ない? 実は楽な姿勢でも、腰痛や脚の不調などを招くことがあります
- 床に座ると膝や足がつらい
- ずっと正座しているのはつらく、下肢の座り姿勢が定まらない
- 床座りの後は太ももやふくらはぎがだるくなる
- 腰が痛くなる(腰が重だるく感じる)
- 脚の位置をずらし楽だと思っていても、徐々に背中が張ったように感じていき不快
カジュアルな場面であれば、正座をしたり胡坐をかいたりと楽な姿勢に変えられるかもしれませんが、改まった場ではそうもいかず、さらに緊張感も加わると身体はあちこちがこわばり不調が出やすくなるものです。
畳座りや床座りはよい姿勢を保ちにくい?
畳や床へ直接座る際、人それぞれ座りやすい姿勢があると思います。正座に慣れている人、胡坐が楽だという人、横座りをしながらテーブルに肘をつけば大丈夫、という人。しかし、楽に感じる姿勢が身体にとって必ずしも良いとも言えません。身体への負担が少ない「重心線」を保った姿勢が保てずにずれてしまうと、そのしわ寄せが来てしまいます。途中で脚を崩したくなったり、姿勢を変えたくなったり、トイレに立とうとすると節々が硬くなったように感じ、思わずイタタと声が出てしまったり……。こういったことも、畳や床への座り姿勢が身体に負担をかけているサインです。
座り姿勢が多いときの不調軽減ストレッチ
おすすめなのは、畳や床に座った状態でできるストレッチです。座り姿勢による足腰の不調を招かないためにも、座り疲れをひどくしないためにも、筋肉に適度に刺激を入れていくことが大切だからです。自宅では行いやすいと思いますが、かしこまった席では座り姿勢を少し変えて、一か所のみに負担が集中しないようにすることが精一杯かもしれません。その場合は帰宅後でも構いません。お風呂上りにゆっくりと筋肉を伸ばしてみましょう。
畳座り・床座りによる不調を軽減する4つのストレッチ
それでは畳や床に座った状態で簡単にできるストレッチをご紹介しましょう。背中の疲れや下肢のだるさを和らげる上でも役立ちます。4つ全てを行うのが難しい場合は、気になる部位のみのストレッチだけを行ってもかまいません。■「背中伸ばし」で背骨を支える筋肉の緊張をほぐす
座り姿勢で疲労しがちな背骨を起こし支える筋肉をじんわりと伸ばしていきます。思ったよりも背中の緊張が強いということも考えられますので、痛めないためにも勢いをつけないようにご注意ください。
体のあちらこちらの筋肉に過度な緊張があると、上半身を倒しづらいかもしれませんが、少しずつ続けてみましょう
- 両下肢を伸ばして座ります(左右の脚を開いても良いです)。
- 頭を前方へ倒していきます。背骨が頭の重みで伸ばされるようイメージしてみましょう。つらいと感じなければ20秒間ほどキープします。首・肩のコリが強い人は、最初はつらいかもしれませんので、様子を見ながら行い、無理をしないようにしましょう。
■「太もも裏側伸ばし」で緊張しやすい部位の張り・硬さを軽減
日頃の不良姿勢や動作においても過度に緊張しやすい太ももの裏側の筋肉。すでに疲労している場合は、座り姿勢の保持もつらくなりがちです。しっかり伸ばしておきましょう。
筋肉の張り・硬さを実感しやすいストレッチのひとつです。ゆっくり行いましょう!
- ストレッチしたい側の膝を伸ばし、その太ももに他方の脚がクロスするように乗せます。
- 上半身を前方へゆっくりと倒していきましょう。深呼吸を繰り返しながら20秒間を目安にします。反対側も行います。
■「脚クロス前屈」で、股関節周りの筋肉を伸ばす
腰や股関節の不調にもつながりやすく、日常動作でのしわ寄せを受けやすい部位です。ゆっくり丁寧に伸ばしていきましょう。
股関節周りの筋緊張が強いと開き具合に左右差がみられることがあります
- 左右の脚をクロスさせ座ります。
- 上半身を前方へゆっくりと倒していきますが、背中を丸めるというよりも、脚の付け根から上半身を倒すイメージで行いましょう。
■「お尻の筋肉伸ばし」で骨盤の安定性を改善
お尻にある複数の筋肉は、骨盤の安定性に関わるため、腰痛や下肢の症状の発症に関係することがあります。不調を招かないうにリラックスさせましょう。
上半身を捻じる際に膝外側を押さえた側の肩甲骨付近も伸びます
- 両下肢を伸ばして座り、伸ばした左下肢の膝を越えるように、右下肢をクロスさせます。
- 左腕で右膝を押さえ上半身を捻じり、20秒間を目安にお尻を伸ばしていきましょう。反対側も行います。
以上、今回は畳や床に座りながらできるストレッチ法をご紹介しました。いずれにしても、同じ姿勢で座り続けていると、身体の同じ部位に負担がかかりやすくなるもの。適度に姿勢を変えてみたり、お手洗いへ立ち上がるなどして、負担を軽減させることも大切です。我慢しすぎて腰痛を始めとする不調を悪化させてしまうことがないよう、自分の身体にとって最適な対処法を見つけてみましょう。