300万円以下で買える最新ミニバンを紹介
年度末になる3月は、販売会社の決算でもあり、冬のボーナス効果もあって1年を通して最もクルマが売れる月になっている。春からの新生活に向けて、新車の購入や買い替えなどの検討を始めた方も多いだろう。今回は、「車両本体300万円以下で買えるミニバン(2017-18年編)」というテーマを掲げてお届けしたい。
年末年始は、帰省や旅行などでロングドライブに出かける機会が増える人も多いはずで、こうした長めの休みで高速道路やサービスエリアでよく見かけるのは、多人数乗車が可能なミニバンだ。
ミニバンは、SUVに押されているという見方や統計もあるようだが、先述したようにとくにファミリー層にとっては6~8人の多人数が可能で、良好な乗降性、高い積載性などは魅力に映るはず。とくに乗り降りのしやすさや、車内の圧倒的な開放感などはSUVにはない美点といえる。
トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、2.0Lガソリン車なら300万円程度に納まる
さて、2017年のミニバンはフルモデルチェンジや新規モデルの登場はなかったものの、トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ・ステップワゴンといった人気モデルがマイナーチェンジを受けている。
予算300万円(車両本体のみ)で買えるミニバンとなると、こうした5ナンバーサイズを基本としたBOX(箱型)ミニバンが中心になる。
トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイアは、1.8L+モーターのハイブリッド車だと300万円を超えてしまうものの、2.0Lガソリン車なら十分に手に入る。3台ともにトヨタらしく、そつなく仕上げられた内・外装、ハンドリングや直進安定性などの走りの面でもよくできている。
2017年のマイナーチェンジでは、センターコンソールボックスや助手席シートバックテーブル、充電用USB端子などを用意することで、使い勝手を高めるとともに、乗り心地の改善なども図られている。安全面では「トヨタ セーフティ センスC」が設定されている。
ホンダ・ステップワゴン、1.5L直噴ターボモデルでも満足感の高い走り
同じく2017年にマイナーチェンジを受けたホンダ・ステップワゴン。エアロ仕様の「スパーダ」のフロントマスクに手を入れることで、外観の迫力は格段に増している。
さらに「スパーダ」には、2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド)i-MMD」を搭載した仕様が新たに設定された。ほかにも、先進の安全運転支援システムである「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全車に標準装備されたのも朗報だ。
ただし、ステップワゴンもハイブリッド仕様は330万円クラスからという価格設定なので、300万円以下となると1.5L直噴ターボモデルになる。
同エンジンは、街中などの普段使いであれば、省燃費運転モードの「ECON」スイッチを押したままでもとくに不足はなく、高速道路や山道などでは「ECON」モードをオフにすれば元気に走ってくれるので高い満足感が得られるはずだ。
ほかにも、ステップワゴンの特徴である横開きゲートも備えた「わくわくゲート」と呼ばれるバックドアなど、独自性のある使い勝手を用意している。試乗時などにはこうした使い勝手の面も念入りに確認したい。
日産・セレナ、マイルドハイブリッドなら300万円以下で複数グレードが選択肢に
人気モデルの日産セレナは、2017年秋の東京モーターショーで「e-POWER」が披露された(2018年春発売予定)。しかし、2017年12月中旬時点で購入できるのは、ガソリン車かハイブリッド車になる。メインとなるのは、「S-HYBRID」と呼ばれる簡易式のハイブリッド(マイルドハイブリッド)で、300万円以下で複数のグレードが用意されている。安全面では、高速道路単一車線下の部分自動運転技術である「プロパイロット」が設定されている。高速道路をよく使うのならぜひ選択したいところ。
ホンダ・ジェイドやトヨタ・プリウスαなどのワゴン派生型も予算内
ほかにも、ステーションワゴン派生型の3列シートミニバンとして、ホンダ・ジェイドもある。SUBARUエクシーガ・クロスオーバー7もあったが、2017年12月18日注文分をもって生産中止となった。また、3列シート仕様のプリウスαもグレードによっては予算内に収まる。こうしたワゴン派生型の3列シートミニバンは、ボディの構造上、3列目の乗降面が不利であり、しかも居住性も非常用の域を出ない。また、両側スライドドアではなく、ヒンジ式ドアを採用するため、小さな子どもがいる場合には、要注意ポイントだ(急にドアを開けてしまう)。
こうしたモデルは、ステーションワゴンのような使い勝手がまず欲しく、さらに「3列目もあればイザという時に便利そう」というニーズは満たしてくれるだろう。
そのほか、ワゴン系よりは背が高いマツダ・プレマシー(OEM版の日産ラフェスタ・ハイウェイスターを含む)もある。マツダがミニバン生産から撤退するため、次期モデルはないだろうが、取り回ししやすいサイズでありながら、両側スライドドアを実現するなど美点は多い。
コンパクトミニバンの美点と欠点
ほかにも、ホンダ・フリード、トヨタ・シエンタという300万円以下で買えるコンパクトミニバンも見逃せない。3列目の居住性は、ひと回り大きなヴォクシー系やステップワゴン、セレナなどには及ばないものの、コンパクトで取り回しがしやすく、自宅周辺の道路環境や駐車場事情によっては、ピッタリ当てはまる方も多いだろう。ただし、全長の短さなどから、先述したように3列目の広さや、3列目でフル乗車した際の荷室容量はかなり限られてしまう。
300万円以下のミニバンというと、トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナの3モデルがずっと中心となっている。販売面でやや苦戦していた感のあるステップワゴンもマイナーチェンジをすることで巻き返しは必至。ミニバン市場がシュリンクしていると指摘する向きもあるが、冒頭でも紹介したように、とくにファミリー層にはメリットが数多くあるのだ。
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