1位「意外にできた『働き方改革』~定時に帰る決断」
■政府肝いりの「働き方改革」、首都圏の会社員の約9割が「好意的」
少子高齢化に伴い、労働人口が想定以上に減少している日本。労働力不足を解消し、一億総活躍社会を作るために、国は「働き方改革」の取り組みを進めている。労働力不足を解消する対応策として挙げられているのは、(1)働いていない女性や高齢者の就労を促進する、(2)出生率を上げる、(3)労働生産性を上げる、の3つ。
このうち、既に働いている人の仕事の取り組み方に関わってくるのは(2)(3)であり、出生率を上げる妨げにもなっていると考えられる長時間労働の是正と、主要7カ国で最も低い労働生産性の向上は急務だ。多くの企業が取り組みを始めており、残業時間が厳しく管理され、業務の効率化が求められるようになっている。
オールアバウトが11月上旬、首都圏(1都3県)に住む20代から50代までの会社員男女を対象に行ったインターネットリサーチ(有効回答445名)によると、「働き方改革」という言葉の認知度は8割強に及び、うち約9割が「働き方改革」という言葉を好意的に捉えていることがわかった。
既に働き方を見直した人は、「働き方改革」という言葉を知っている人のうち約2割だが、検討していると答えた人も約3割おり、併せて約5割の人に自身の働き方を見直す意向があることがわかった。
一方、自身の働き方の見直しについて「特に考えていない」と答えた人は、その理由として、「何を見直すかがわからない」や「仕事が終わらない」を挙げる人が多く、「働き方改革」の実現には、制度や風土の改革など、企業側がさらに努力をする必要がありそうだ。
ガイドの解説コメント
「マネジメント」ガイド 大塚 万紀子
今年は、育児や介護などのライフイベントと共に、「働き方改革」を自分事として捉える人が増加し、自発的な「働き方改革」を行った人が多かったのではないでしょうか。企業が勝つための戦略は40年前と比較し180度変わっています。働き手が多く人件費が安く抑えられていた昔、企業は長く働く事で利益をあげるというやり方で勝ってきました。
しかし、労働人口が減少する今後、労働力の確保、効率性・独自性の向上がビジネスで勝つ上で重要となります。男女ともに働くことができる環境、短時間で効率よく成果をあげるシステム、多様性のある人材やアイディアで勝負できるかどうかが企業に求められます。
また個人も、寿命100年時代を迎えようとするこれからの時代、どのように働き、生きるのかを考えていく必要があるでしょう。長時間労働をやめたい人、より自由度の高い働き方を目指す人など希望する働き方も多様化してきている一方、調査結果にあるように、これまでの働き方を変えたくない、変えたいがどうしたらよいかわからない、という人も多いのが現状です。
どのような働き方を目指すかは人それぞれですが、共通して取り組んでもらいたいのは、本来自分がやりたいこと・やるべきことはなにかを整理し、今の仕事でそれらができているか、時間を使えているか、を振り返ることです。一人ひとりに与えられた時間という資源は24時間。「働き方改革」という言葉を通じて、この資源をいかに有効活用するか――私たちは今問われています。
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