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離婚したくないが、夫と不倫相手を許せない

生活を考えると離婚したくないが、夫と不倫相手を許せない。三者で会って女性を罵倒したものの、それでも気が晴れない。妻の苦しい気持ちを聞いてみた。そういうとき、妻たちはどうやって「復讐」するのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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生活のために離婚したくない。再構築しなければ……

生活のために離婚したくないが

不倫され、離婚したいけれど生活を考えるとできないという妻は……

夫の浮気が発覚、夫は謝罪してやり直すことになったものの、どうしても相手の女性が許せない、もちろん夫のことも許せない。そういうとき、妻たちはどうやって「復讐」するのだろうか。
 

離婚したくないから夫を責められない

離婚覚悟なら、いくらでも夫本人を責めることはできる。だが、離婚したくない、今はできないという状況だと、妻たちはどうしても相手の女性に目が向いてしまう。

「夫を責めて家の中が険悪になるのは避けたい。夫を社会的につぶしたら家庭も壊れてしまう。子どもたちのためにそれはできません」

レイコさん(46歳)は悲痛な表情でそう話す。2歳年上の夫と結婚して18年、不倫がわかったのは半年前だ。元部下で既婚の女性と3年にわたって不倫を続けていたという。

「まったく気づかなかったんです。夫とは長年セックスレスでした。私はそんなものかと思っていたけど、夫は外で恋をしていたんですね」

悔しかった、ひたすら悔しかった、夫を取られるなんてとレイコさんは言った。本妻のプライドなのだろうか。

不倫がわかったのは、夫のバッグを見てしまったから。バッグが少し開いており、そこから使ったハンカチが覗いていたので、新しいハンカチと替えたときだった。長方形の箱と、それに添えた封筒が見えた。箱は高級アクセサリーのもの。思わず封筒を開けた。

「つきあって3年目の記念日だったようです。『この3年、本当にありがとう。僕ががんばれるのは〇〇のおかげ』なんて彼女の名前を呼び捨てにしてありました。誕生日ではなく、つきあった記念日というのがムカついて……。私なんか誕生日でさえ何もしてもらったことがありませんから。結婚記念日だって忘れているような人なのに」

そのままバッグを閉めた。封筒は開封されたままだ。夫はおそらく妻が見たと気づいただろう。だが、夫は帰宅しても何も言わない。1週間ほどたって、しびれを切らせたのはレイコさんのほうだった。

「いったい、あれは何なの、と問い詰めると夫は『ごめん』と。もう謝ろうと最初から決めていた感じでした。謝れば私がおとなしくなるだろうと高をくくっている。そんな対応でした」
 

我慢できずに三者面談

妻の怒りは、浮気相手の女性のほうへ向く

妻の怒りは、浮気相手の女性のほうへ向く

もう別れたと夫は言った。だがレイコさんは信じられない。

「いますぐここで彼女に電話をかけて、と言いました。土曜日の午後だったように記憶しています。夫が渋々電話をかけ、『もう会えない』と告げて。夫と彼女の間で何か段取りができていたのかもしれません。私が電話を代わると『申し訳ありませんでした』とか細い声が聞こえました」

だがレイコさんは、それだけではどうしても腹の虫がおさまらなかった。

「今から彼女の家に一緒に行ってちょうだい、と夫に言うと、目を丸くしていました。『あっちだって家庭があって』と。そんなこと言うならあちらのだんなさんにバラすわよ、と脅して、夫の車で彼女の家の近くへ。夫の携帯は私が持っていたので、夫は彼女に連絡することはできなかったと思います。夫に彼女を呼び出してもらい、彼女の自宅近くの喫茶店で待ちました」

そこへ入ってきた彼女。30代半ばのきれいな女性だった。前に座らせて、どういうつもりだったのか問いただした。

「彼女の家の近くですから、ひょっとしたら知り合いもいたかもしれませんね。だからなるべく大きな声で責め立てました。夫がときどき『もうちょっと小さな声で』と言いましたが、『近所に知られたら困るの? そりゃ困るわよねー。奥さんが不倫なんかしてちゃ』とことさら大声で言いました。周りの人たちの耳がダンボになっているのがよくわかった」

激した女は止まらなくなってしまう。レイコさんもそうだった。

「もう会いませんから、と頭を下げている彼女に向かって、『ねえ、うちの夫の性処理につきあってくれたんでしょう。あなたって公衆便所なの?』とまで言ってしまいました。彼女は泣き出し、夫は『ごめん』と頭を下げる。周りから見たら修羅場だったでしょうね。私は夫を促して、私たちのコーヒー代だけテーブルに置き、そのまま店を出ました。店を出てから、水の一杯もひっかけてやればよかったと思ったけど」

妻の怒り恐るべしである。同じ女性でありながら、いや、同じ女性だからこそ、とんでもない侮辱の言葉を投げつけてしまうのだ。そしてこういうとき、夫は無力だ。携帯をとりあげられ、妻が見張っていたら彼女の心を慰めることもできない。
 

それでもモヤモヤは晴れない

そこまでやって夫には「二度と浮気しません」と一筆書かせたものの、レイコさんは今もモヤモヤが晴れないと言う。

「この半年間、夫とは最低限の会話しかしていません。たまに夫が馴れ馴れしく話しかけてくると、『どういうつもりなの』とにらんでしまう。夫は『そうやってオレをずっと許さないつもりか、どうすればいいんだ』と言うんですが、とにかく夫が私の知っている夫ではなく、3年も私を騙すような人だったのが悔しいんです」

この先も、レイコさんは過去を持ちだして夫を責め続けるのだろうか。もちろん、不倫した夫が悪いのは確かだ。だがどうやって贖罪すればいいのか夫もわからない。レイコさんの気がすむような方法を話し合うことはできないのだろうか。

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