好きになった人が既婚者だったら……

「好きだったのに……」突然、既婚者だと知らされたら。女性の心理や行動はどうなるのでしょうか。

「好きだったのに……」突然、既婚者だと知らされたら。女性の心理や行動はどうなるのでしょうか。


既婚者だと知らずに好きになってしまうケースをときどき聞く。自分が相手を独身だと思い込んでいる場合もあるし、相手が「独身だ」と偽っている場合もある。既婚者だとわかってすぐに気持ちが冷めればいいが、そうはいかないこともあるだろう。そんなとき、女性たちはどうやって諦めていくのだろうか。


既婚と知らずに燃え上がって

彼が既婚だとまったく知らないまま、好きになってしまったのはユリエさん(30歳)だ。

「会社帰りに友だちと待ち合わせていたバーに行ったんですが、急に彼女が来られなくなったと連絡があって。しかたない、1杯飲んで帰ろうと思ったらカウンターで隣にいた男性が声をかけてきたんです。あちらも友だちにキャンセルされたというので、なんとなく話をしていたら、けっこう気が合う。軽く食事でもと近くのレストランでまた話が弾んで。連絡先を交換してその日は別れました」

彼からはその日のうちに連絡があった。また会ってくれますか、と。ひとつ年下だと聞いていたので、独身だと思い込んでいた彼女は、すぐに「いつでも」と返した。

「翌日、またデートしたんです。彼が昼休みに『どうしても今日も会いたい』と言ってきて。私もそう思っていました。完全に恋に落ちてしまったんです」

燃え上がった気持ちのまま会ったふたりは、当然のようにホテルへ行った。

「気持ちも体も相性がいいねと彼が言って。幸せな気持ちでした。そのあと、気怠い体を引きずって食事して……。彼が『燃え上がったあとのユリちゃんがとてもきれい』って。それからは彼一筋でした」

3日と開けずに会っていたが、彼女は友人にもこの恋のことを言わなかった。秘密にしておきたいわけではなく、他人に漏らすのがもったいないような恋だったのだ。


デートをドタキャン、連絡もとれず

あんなに愛し合っていたのに突然のドタキャンに音信不通。

あんなに愛し合っていたのに突然のドタキャンに音信不通。


恋は順調だった。なかなか冷めなかった。しかし、2ヶ月ほどたったころ、彼が約束をドタキャンした。

「急な仕事が入った、ということだったのですが、LINEの文面がなんとなくおかしい。仕事が遅くなっても少しでも会いたいと言うのは彼のほうだったのに、ドタキャンのあげく、いつなら会えるという代替案も書いてない。そのとき、なぜかイヤな予感がしました」」

そこから彼の連絡が数日途絶えた。毎日何度か連絡があったのに。

「3日ほど連絡がなくて、メッセージを送っても返事もなくて。妙な胸騒ぎがして、とうとう電話をしたんですが出ない。5日目だったかな、私が会社を出ると彼がぽつんと立っていたんです。話がある、と。そこで初めて彼が既婚者で、子どもが生まれたばかりだと知りました。私に会っていたのは、臨月の奥さんが実家に戻っていた時期だったんです。そして生まれた子が低体重で集中治療室に入っていたから連絡することができなかったそうです」

彼は話していた喫茶店の椅子から滑るように床に落ち、土下座した。顔を上げると、彼の目から涙がこぼれ落ちていた。

「私のことが好きすぎて本当のことが言えなかった、と。お願いだから見捨てないでほしい、と泣くんです」

もちろん、ユリエさんも彼のことが大好きだった。だが、こうして裏切られた以上、この関係を続けてはいけないとすぐに決断した。


罵倒して別れたものの、葛藤の日々

「思わず大声を出してしまいました。『ふざけるな!』って。私の愛情と情熱を返してほしかった。でも彼にじっと見つめられると気持ちが弱る。だから思い切って彼の頬を平手で殴って立ち去りました。悲しすぎて涙も出なかった」

帰ってから、彼の連絡先を削除しようとしたがどうしてもできない。そこで初めて涙が出た。一晩でティッシュを3箱も使うほど泣き続けた。翌日は目が腫れてコンタクトレンズを入れられず、眼鏡で出社したという。

「そこから彼を諦めるのは本当に大変でした。うっかりすると連絡しそうになる。彼が既婚でもいいじゃないかと悪魔のささやきが心の中に渦巻いているんです。最初から知っていたならそれでもいいけど、彼は既婚であることを私にずっと隠していた。言うチャンスはいくらでもあったはずなのに。騙すつもりはなかったかもしれませんが、言わないのはやはり卑怯ですよね」

毎日が葛藤の連続だった。そこで初めて、仲のいい友だちに打ち明けた。友人たちが集まってくれてカラオケで朝まで歌った。少しすっきりしたが気持ちは晴れない。

「酒浸りになった日もあります。それでもがんばって仕事だけは休まなかった。1ヶ月たったとき、よく乗り切ったなと我ながら思ったんです。そうしたら急に怒りがわいてきた。そこで彼に『とにかくあなたは卑怯だった。あなたに出会ったことを呪うけど、私はあなたより幸せになる』とメッセージを送って、連絡先をすべて削除しました」

ようやく立ち直れた瞬間だったという。

ショックから立ち直り、怒りを放出し、新たな場所に立つことができたのだ。「諦める」というより、自力で彼を「振り捨てた」のだと前向きに考えていると彼女は力強く言った。
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