3代目の新型BMW X3が日本登場
2017年10月19日、3代目となる新型BMW X3が発表され、同日から受注を開始し、12月から順次納車が開始される。納車に先立ち、新型BMW X3のステアリングを握る機会があったのでご報告したい。
BMW X3は、プレミアムミドルクラスのSUVに分類され、ライバルは2016年に発売された人気のメルセデス・ベンツGLCをはじめ、新型にスイッチしたばかりのアウディQ5、ボルボXC60のほか、少し大きくなるがレンジローバー・ヴェラールも新規モデルとして2017年夏に登場したばかり。
新型BMWの試乗車は、ガソリンエンジン搭載モデル(2018年2月から納車予定)よりも先に上陸した2.0Lディーゼルエンジン搭載車の「BMW X3 xDrive 20d M Sport」だ。
ディーゼルエンジンから納車開始
190ps/400rpm、400Nm/1750-2500rpmという2.0Lディーゼルターボエンジンと8ATの組み合わせは、期待を裏切らないトルクフルな走りが魅力。試乗車は、1860kgという重量だが、その大きさと重さをほとんど感じさせない力強い発進性、スムーズな変速フィールがまず最初に抱かせる美点だ。
高速域の伸び、パンチ力は上り坂でも不満なく、今回は試す機会はなかったが、高速道路での巡航も難なくこなしてくれそう。「こなす」どころか、最も得意とするのが高速道路を使ったロングドライブかもしれない。
フットワークは予想よりも軽快ではあるものの、同条件で弟分のX1と乗り比べると、さすがにひと回り大きなSUVであることを意識させられる。X1がヒラリヒラリと舞うようにコーナーをクリアするのに対して、重厚感も伴いながら安定感を保ってコーナーを駆け抜けていく。
また、日本仕様は全車ランフラットタイヤを装着するが、乗り心地はかなり硬め。分厚いブーツを履いたような足の動きで、路面が荒れているとボディが揺すぶられるような動きに見舞われる。
乗り心地に関しては、比較的ソフトなボルボXC60はもちろん、こちらも硬めのアウディQ5/SQ5という新型SUVと比べても少しハード目という印象だ。
上質かつ広いキャビン、ラゲッジが魅力
気になる居住性、積載性に関しては、期待以上。後席は足元スペース、頭上空間ともに十分に広く、身長180cmの人が前後席に座っても後席の膝前には十分な空間が残されるはず。さらに、フロアも高すぎず、とくにフロントドアが大きく開閉するため、SUVで気になる乗り降りもほとんど気にならないだろう。
荷室はフラットで奥行きも十分に確保されていて、先述したようにフロアが高すぎないから荷物の出し入れも楽だ。ランフラットタイヤを採用するため、床下のラゲッジアンダーボックスも工具や洗車用品などが積載できるスペースが確保されている。
乗り心地が少しハードではあるものの、トルクフルな走りを実現するパワートレーンのアップデートや居住性、積載性のさらなる進化など、SUVに求められるスポーツ性能、ユーティリティ性が確保されているBMW X3。ダイナミックな外観も美点のひとつで、ヒットSUVになる素質の高さを感じさせた。