前場と後場の時間差を活用した先物主導の乱高下
2017年9月から堅調に上昇してきた日経平均ですが、11月9日(木)の上下に長い髭足(出来高も最高潮)が現れ、一つの区切りとなった様子です。この日の日経平均は、一時25年ぶりに前日比2.0%高の2万3382円15銭をつけたかと思いきや、後場から急反落。
一時前日比1.7%安の2万2522円83銭まで急落。その後はかなり戻し、結局、前日比0.2%安の2万2868円71銭で引けています。一日の高安値幅は859円とトランプ氏が勝利した米大統領選直後の昨年11月9日(1315円)以来の大きさを記録しました。
その後の日経平均は、基本的には上げの期間も下げの期間も、米国と歩調を合わせているものの、日本市場の日中の動きは、まるで魔物が暗躍するかの如く、投機的でボラティリティーの高いものでした。それは先物主導の急落です。
11月9日(木)も後場のスタートから急激に下がり、11月17日(金)も午前11時頃まで400円ほども上げていたものの、前引け時には50円高程度に上げ幅を縮め、後場には一時マイナスに転落し、高値から438円安となりました。
僅か30分ほどの間に何があったのかと調べても、材料は見当たらず、ただ単に前引けという時間的なプレッシャーを利用し、先物で仕掛け売りが炸裂したとしか考えられないような動きです。
もし、市場に寄付きや引けという空白がなく24時間取引が可能であれば、短時間にマネーを集中させて値を動かすことなどできないと思いますが、今の日本市場はかなり投機的な動きをみせております。
ファンダメンタルズを無視した価格形成は不可能
ただ、いかに市場に魔物が潜んでいようと、長期的にファンダメンタルズを無視した価格形成は不可能であり、下値の目途はPER14.4倍となる22,000円、もしくは深押しで、PER14.0倍の21,500円までが限界でしょう。9月初めに大相場が開始された時のPERが14倍であり、そこから大幅に企業利益が上方修正され、現在の14倍は約21,500円です。またここまで下がれば、50日線が下から追突して来る頃合いでもあるでしょう。
過去2年間においても、その時々の日経平均ESP水準に基づいて(ブレグジットや大統領選などの瞬間安を除き)PER14~16倍の間で推移してきました。現在EPSは先週よりさらに上がって1534円になっています。15倍の中間ゾーンとして23,000円が妥当であり、オーバーシュートなら16倍の24,500円もありえる状況です。
もし、14倍の21,500円に戻るような事があれば、9月初めの大チャンス時が再来したと考えて、仕込みや買い増しの好機会と考えます。なお、期末時点では1600円のEPSが確実と思いますので、控え目に15倍としても、2万4千円以上が妥当と見ています。そのような状況で2万1500円が来たら、一足早い魔物からのクリスマスプレゼントと思います。
参考:日本株通信
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