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株高だから手を出す素人投資家のための3つの忠告

株価が一気に上昇しました。「実は興味あったので株、やってみようかな」と思う人への忠告として投資のアドバイスを3つしてみたいと思います

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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数十年ぶりの株高に興味がある人は正直やめておいたほうがいい

日本の株価が大きく上昇しています。16連騰、つまり営業日で16日連続で株価が上昇した、というのは歴史的にも初めてのことですし、9月19日の日経平均株価が20000円を超えたところ、10月13日には21000円超え、10月27日には22000円超え(いずれも終値)とハイペースで株価が上がりました。終値では23000円には達しなかったものの、11月9日には23382円までいったわけですからあっという間の上昇でした。この間2カ月もしないうちに株価は15%以上も上昇したことになります。

「100万円くらいいれておけば、1カ月で15万円も儲かったかも」と思って、そろそろ投資をしてみようか、と色気が出ている人もいるでしょう。

しかし、「みんな儲けているのだから私も」というような甘い気持ちで投資に興味が出てきたのであれば、正直止めておいたほうがいいと思います。

実際、23000円を超えてからは大きな下落も起きていて、15日の終値では22028円まで下がりました。急激な上昇は急激な下落を伴うものですが、それが一時的なものかしばらく続くかはまだ分かりません。甘い気持ちで投資に手を出すと、何もせずに儲かるどころか、よく分からないままに10%くらい値下がりしてしまった、ということもあります。

それでもやりたい人への3つの忠告

それでも「投資やりたい!」と思うのなら、それはとてもいいガッツです。そこで、3つの忠告をしてみたいと思います。

1.金額は少なめにやること……初心者は冷静に考えれば投資の経験もなく知識も十分ではないわけですから、成功する可能性より失敗する可能性のほうが高いはずです。しかし、初心者ほどなぜか投資デビューにあたって高額の資金を投入してしまうものです。

なんとなく投資資金といえば100万円くらいを想定する投資初心者が多いのですが、はっきり言って100万円も入れる必要はありません。最初の勝負は10万円くらいで十分ですし、もっと少なくてもいいくらいです。

「10%の値下がり」という結果でも、10万円の投資なら諦めず続けていこうという気になりますが、100万円を投入して数週間もたたずに10万円値下がりすると、おそらく投資意欲は萎えてしまうことになるでしょう。

2.一度は値下がりすることを覚悟すること……金額を抑えることで値下がりがあっても乗り越えられるようにしようと言いましたが、投資においては値下がりへの覚悟が大事です。

誰でも値上がりの期待をします。経済の基本としても中長期的には成長が着たいできるので値上がりの可能性のほうが高いのは事実です。しかし、値上がりの期待だけして値下がりを想定しないのが投資初心者の陥りがちなミスです。

どんな上昇相場でも細かいところでは必ず値下がりがあります。16連騰といっても、日中には値上がりや値下がりがあって、結果としてその日の終値では前日比プラスが続いた、ということです。また通常のマーケットであれば10日あれば全部プラスということはまずありません。値下がりする日が続いたり、値下がりが続く年が続くこともあります。

ちょっと値下がりするたび売って逃げていては、どんな相場でもお金を増やすことはできません。値下がりの覚悟と、値下がりしたときどう対応するのかのスタンスはしっかりもって「買う」を行ってください。

3.一点勝負は絶対にしないこと……3つめの忠告は一点勝負を避ける、ということです。初心者ほど「全額でA社を買い!」のような買い方をするのですが、これは逆で、初心者ほど一点勝負は避けるべきです。個別の株を買う場合であっても一社ではなく二社を買うべきですし、二社を買うなら業種や規模の違う会社を買ってみるべきです。

可能であれば、国内だけではなく海外にも投資の手を広げたいところで、投資信託やETFを活用すれば数千円から数万円程度で「欧米や新興国の株を幅広く買う」とか「株も不動産も債券も国内外に広く買う」というような選択肢を追加することができ、そのほうが大きく負ける可能性を減らせます。

個人が夕刊紙や雑誌の個別銘柄推奨を活用する場合も、一点勝負をして失敗すると身動きができなくなります。とにかく一点勝負はしないことです。

もうひとつの忠告は「投資をやめない」こと

3つのアドバイスをしてみましたが、残念ながら投資初心者ほど守れません。なぜなら初心者ほど大もうけの可能性に目がくらんでいるからです。そして大きく下がる可能性を過小評価しています。

しかし、3つの忠告を守ることができれば、大きく負けて投資から手を引くような失敗を避ける可能性はぐっと高まります。

最後にもうひとつだけ忠告をしておくなら「投資から手を引かずに続けること」という言葉を贈ります。

投資でうまくいかない人の典型的なパターンは損をしたときに投資をやめて二度と手を出さない、ということがあります。むしろ値下がりしたタイミングは投資にチャレンジをするべきですし、含み損を抱えた投資も経済の回復を待てばプラスに戻る可能性があります。

リーマンショックのような急落も3~5年を待つことができれば含み損は解消され、プラスに戻ることができました。

今のようなマーケットも、これから何度か大きく下がるタイミングがあると思います。投資初心者こそ「投資をやめない」ということで、ぜひ長い目でみてプラスのチャンスをつかんで欲しいものです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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