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ESTA(エスタ)とは?申請方法、料金、注意点など

アメリカにビザ免除で入国しようとする場合に必要となるESTAの申請。かなりその存在も浸透してきた感はありますが、初めての人もまだまだ少なくありません。ESTAとは?から申請方法、申請にかかる料金や、有効期限、その確認方法など基本や注意点を解説します。

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

アメリカ入国に必要なESTAとは?

 
これが【公式】エスタの申請トップページ。日本語版も用意されている

これが【公式】エスタの申請トップページ。日本語版も用意されている


ESTA(エスタ)とはElectronic System for Travel Authorization、日本語で「電子渡航認証システム」の略で、一定の条件でアメリカに入国する渡航者に2009年から義務付けられているインターネット上での手続きです(ビザとは違います)。

ESTAの公式日本語ホームページはこちら

簡単に言うと、以前はアメリカ行きの飛行機の中で渡された緑色の入国カード(I-94といいます。記憶にある人も多いはずです)に記入していた情報を、事前にインターネット上で入力し、承認を受けるシステムです。

インターネット環境さえあればESTAの申請は難しいものではありません(が、適確に行ってください)。ESTAの日本語ホームページから必要事項を入力していくと、問題がなければほぼその場でESTAの「承認」が得られます。

<目次>
料金、有効期限など
申請には一定の条件があります
グアム、サイパンはESTA不要!
ESTA申請に必要な情報一覧
ESTA申請を忘れると?!
もし保留や不承認だった場合
単なる乗継ぎでもESTA申請が必要です
代理申請も可能です
悪意ある代理申請サイトに注意!
ESTAの有効期限をチェックするには
 

料金、有効期限など

支払いはクレジットカードで

支払いはクレジットカードで

ESTAの申請には処理費用として4ドル、認証費用として10ドル、合計14ドルかかります。クレジットカードもしくはペイパルでの支払いが必要になります。

有効期間は2年間です。2年間の間であれば何度でも渡航でき、渡航の度にESTAを申請する必要はありません。ただし、一回の入国で滞在できる期間は90日までです。また有効期間中にパスポートが変わった場合は再申請が必要です。

ESTAの申請は出発の72時間前までに行うことが求められています。ESTAの回答期限は72時間以内となっており、後述しますがすぐに承認が下りず、「保留」や「不承認」の結果が出ることもありますので、渡航が決まったら早めの申請をおすすめします。万一不承認になった場合、処理費用4ドルのみかかり、認証費用10ドルは請求されません。
 

申請には一定の条件があります

先述の通りESTAによる入国は一定の条件でアメリカに渡航する人が対象となります。主なところで言うとその条件とは、
  • 世界約40ヵ国ほどに認められているVWP(Visa Waiver Program、ビザ免除プログラム)の対象国民であること。もちろん日本人もこの中に含まれています。
  • 90日以内の観光(知人訪問等も含む)もしくは商用(会議等も含む)であること
  • IC式パスポートを所有していること
  • 2011年3月1日以降にイラク、イラン、スーダン、シリア、リビア、ソマリア、イエメンに渡航または滞在したことがないこと。またイラン、イラク、スーダン、シリアとの二重国籍でないこと。
などが挙げられます。また、航空機もしくは船舶による入国が対象となっており、カナダやメキシコから陸路で入国する場合は逆にESTAは不要です。その場合は従来通りの緑のI-94に同様の情報を記入して、入国審査を受けてください。

ESTA申請について詳しくはこちら(アメリカ大使館のHP)

ESTAについてよくある質問はこちら(アメリカ大使館のHP)
 

グアム・サイパンはESTA不要!

日本人の場合、グアム・サイパンへの入国は、Guam-CNMI Visa Waiver Program(グアム-北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム、以下GCVWPと略します)という別のプログラムによる入国が可能で、ESTAの申請は必要ありません。ただし、この場合はESTAと異なり最大で45日までの滞在となります。

GCVWPについて詳しくはこちら(アメリカ大使館のHP)

ESTAを所有している人がグアムやサイパンに行く場合も多々あります。この場合は、GCVWPではなく、ESTAで入国してください(入国審査の時に並ぶ列が違います)。ESTAの方が入国審査の行列も少ないですし、手続きも簡便です。滞在可能日数も長いですので、GCVWPで入国するメリットはまずありません。
 

ESTA申請に必要な情報一覧!

画面上で入力が必要な情報を以下にリストアップしました。入力しながらその都度調べているとタイムアップになってやり直しになってしまうので、あらかじめ以下の情報を手元に用意しておきましょう。サイトは日本語版でも、入力は全てローマ字で行ってください。
 
  • 姓・名
  • 性別
  • 別名の有無、あればその姓名
  • 生年月日
  • 出生地(市町村単位まで)
  • 国籍
  • パスポート情報(番号、発行日、有効期限、発行国)
  • 他国から身分証の発給を受けたことがあるか、ある場合はその詳細(国、種類、番号、有効期限)
  • 現在または過去の他の国籍の有無、ある場合はその国籍と経緯
  • グローバルエントリープログラム(優先入国審査が受けられる制度)のメンバーの場合はその番号
  • 両親の姓名
  • 住所、電話番号、メールアドレス
  • 利用しているソーシャルメディア(任意)
  • 勤務経験の有無と現在の勤務先情報(住所、電話番号、名称)
  • 乗継なのか滞在なのか
  • 滞在中の連絡先、住所(通常はホテルですが、知人等の場合はその情報)
  • 緊急連絡先(姓名、電話、メールアドレス)
これらの情報の入力後、適確性についての質問が8項目あります。疾患や薬物使用の有無、犯罪歴、不法就労の有無、入国否認やオーバーステイの有無などです。「いいえ」に該当する場合が多いと思いますが、正確に答えましょう。その次に権利の放棄や申請内容が正しい旨のチェックボックスがあり、入力情報の確認、クレジットカード番号の入力、支払いを経て、通常はすぐに承認画面が現れます。
最後はちょっとドキドキしますが、無事申請が通ると表示される、これがESTA承認の画面。印刷ボタンを押して、プリントアウトして旅行に持っていきましょう。

最後はちょっとドキドキするものの、無事申請が通ると表示される、これがESTA承認の画面。印刷ボタンを押して、プリントアウトして旅行に持っていこう。


この承認画面と承認番号は控えた上で印刷して、渡航に携帯しましょう。必要になるケースは通常ありませんが、万一に備えて持っておくと安心です。
 

ESTA申請を忘れると?!

ESTAの申請をせずに当日空港に現れる人は一定数いるようです。この場合、残念(当然)ながら搭乗は拒否されます。旅行や出張が中止にならないよう、忘れないうちに早めの申請をおすすめします。
 

もし保留や不承認だった場合

もし保留という結果の場合、72時間以内に回答が出ることになっていますので、最大3日間待つしかありません。それでも残念ながら、様々な理由により不承認になることもあります。その場合はアメリカ大使館でビザを取得することになります。
入力はミスのないように注意して!

入力はミスのないように注意して!

心当たりのある人を除き、ESTA不承認の主な原因の一つは恐らく入力ミス(特に適確性についての質問)ではないでしょうか。ビザ取得にはかなりの時間と費用がかかりますので、細心の注意を払って入力してください。スマホでの入力は間違えやすいのでおすすめしません! 


 

単なる乗継ぎでもESTA申請が必要です

アメリカは乗継だけでも入国審査(つまりESTA)が必要なので注意!

アメリカの空港は乗継だけでも入国審査(つまりESTA)が必要なので注意!

通常、国際線から国際線に乗り継ぐだけであれば、空港のトランジットエリアから出ない限りその国の入国審査は行われませんが、アメリカは特種な体制を敷いていて、端的に言うとアメリカに到着した国際線航空便に乗っている人は全て入国審査を受けなくてはいけません。

従って、例えばロサンゼルス経由でカナダや南米に行く場合などであっても、ESTAの申請が必要になります。

またカナダにもeTAと呼ばれるESTAと同様の電子渡航認証プログラムがありますので留意してください。
 

代理申請も可能です

ESTAは代理人による申請も可能ですし、旅行代理店による代理申請も一般的に行われています。自社ツアーの申込者ならESTA代理申請料を割り引きしてくれる旅行会社が多いと思いますので該当する方は問い合わせてみてください。
 

悪意ある代理申請サイトに注意!

また、ESTAの代理申請サイトも少なからずありますが、サイトのデザインをいかにも公式っぽく見せて、自分で申請しようとしている人を誘い込んで高い代理申請料を頂戴しようという悪意が透けて見えるサイトもあります。このようなサイトは、代理申請料を目立つところに表記していません。自身で申請を考えている人は、くれぐれもこのようなサイトに引っかからないでくださいね。
 

ESTAの有効期限をチェックするには

以前に申請したESTAの有効期限を確認する場合は、公式サイトのほぼ一番下に「申請の状況確認」というボタンがありますので、そこから確認することができます。個人の場合は、個人の方を押してください。

そちらの入力欄に、パスポート番号、生年月日、申請番号(分からない場合は名前と国籍でもOK)を入力して検索すると、上記のESTA承認画面が再度表示されますので、有効期限を確認することができます。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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