13年ぶりに新型ハイラックスが日本に登場
「日本ではピックアップトラックなど売れないだろう」と思われていたため、13年間もカタログから消えていたハイラックスをリバイバルさせたら、デビュー直後に2000台を超える受注があり、納期は来年の夏くらいという売れ行きらしい。改めてハイラックスについて紹介してみたいと思う。乗用車クオリティの内装。外装デザインも考えられている
まず「ピックアップトラック」から説明しよう。このタイプのクルマ、日本では働くクルマとして考えられているため、質実剛健な装備と、コスト重視のインテリア、そして酷い乗り心地の3点セットになっていた。一方、海外では人と荷物の両方を運べるモビリティということで進化していく。結果、乗用車と全く変わらないクオリティの装備やインテリアの質感持つようになった。ドアを開けて室内に入ると、トラックというイメージなど皆無。内装材もキチンとしており、シートは柔らかい。ハイラックスのリアシートなど、4ドアセダンと全く同じ。もちろん安全装備だってすべて付く。
荷台は一昔前のピックアップトラックだと荷掛ロープ用フックが外側に付くなど、デザインなんか無視。けれどハイラックスを見たら、荷台の内側にフック付けている。ボディ側面の形状が滑らかだし、写真のような大型のボックスを荷台に載せたときのマッチングだって良い。
ちなみに荷台はそのままの状態でも良いが、それだと荷物を濡らしてしまう。大型のボックスを付けるか、荷台カバーかという選択。海外ではファミリカーとして使う人だと大型ボックス、セカンドカーユースなら荷台カバーというのが一般的だ。ちなみに荷台にキャンピングシェルを乗せる人も。
パワーのあるエンジンを搭載するが、気になる乗り心地は?
搭載されるエンジンは2400ccのクリーンディーゼルで、150馬力/400Nmと必要にして十分なパワーを持つ。最大トルクは4000cc級のガソリンエンジン並。乗用車の如く滑らかに変速する6速ATが組み合わされており、丁寧に走れば燃費も10km/Lを楽に超える。唯一の「厳しい!」だったのが乗り心地。海外で販売されているハイラックスは乗用車として使われるため、乗り心地を重視。柔らかいサスペンションと組み合わされている。けれど日本仕様を作るにあたり500kgの荷物を積めるようにした。日本の場合、500kgを保証すればその倍くらいで耐久試験を行う。
当然ながら必要以上に頑丈な足回りとしなければならない。結果、空荷だと道路のデコボコを探す機械のような乗り心地になってしまった。ハイラックスを買って乗り心地がガマン出来なければ、即座に交換することをすすめておく。『TRD』のようにディーラーで交換出来る足回りもある。
最近のクルマにはないカッコ良さ
逆に乗り心地さえ何とかなれば、最近のクルマが持っていないカッコ良さを堪能出来る。全長5335mm×全幅1885mmという大柄なボディも、ハンドル握ってみたら何とかなる感じ。考えてみたらベンツSクラスと同等。車庫のスペースさえ確保出来たなら、むしろ押し出しが効いて存在感が大きい。また、商用車ながら上級グレードの『Z』を選ぶと自動ブレーキも付く。加えて商用車登録のため、車検は1年毎になったものの自動車税は年額1万6000円。自動車重量税も年額1万2300円と安い。ランニングコストで考えたら高くないと思う。何より遊びの相棒として使うなら最高だ。