ムダな支出を減らしたい!家計を見直すときの注意点
――家計を引き締めるときには、どこから手をつけるのが効果的でしょうか?(第3回『お金が貯められない人に「日記」がオススメな理由』から続きます)八ツ井慶子さん やみくもに全体を引き締めようとするよりも、気になる費目、自分がつい使いすぎている費目の3つくらいに注目して、その原因に向き合う方が効果的でしょう。教育費も同様。膨らみ過ぎているなら聖域化せずに見直しましょう。習い事などにしても、子どもの意志に関係なく、親の一方的な思いでやらせて、それが家計を圧迫しているならやはり見直しを検討した方がいいです。
“こうあるべき”“世間はどうか”という固定概念をいったん外し、「本当にこのお金の使い方で自分自身がハッピーになれるのか」を振り返ってみてください。意識が変われば行動も変わります。満足感のあるお金の使い方ができれば、無駄遣いもなくなり、必要なものに正しくお金を使えるようになりますよ。
――自分にとって「幸せなお金の使い方」が分からないという場合は、どうすれば?
八ツ井さん 自分自身の心、素直な感情に目を向けてみることだと思います。自分がどんなときに幸せだと感じるか。「なりたい自分」をイメージしてみる。そこに、自分にとって幸せなお金の使い方のヒントがあると思います。要は、「自分を知ること」ですよね。
――先の見えない不安定な時代。老後に向けて身に着けておくべき「マネー力」を教えてください。
八ツ井さん お金の「使い方」につきるといっていいくらいだと思います 。お金の使い方次第で人生が変わります。今は、銀行の利息もほとんどつかないですから、支出が総体的に重くなっています。だからこそ、支出管理の力が家計を左右する重要な時代です。やみくもに投資に走る前に、まずは支出をきちんと管理して家計のお金の流れを整え、貯まる体質にする。これが基本です。
お金に対して不安を抱きやすい人は、いくら貯金を持っていても不安なのではないでしょうか。足りないことばかりを数えてしまう「心の癖」が原因。
不安を抱えやすい人にぜひおすすめしたいのが、「いいこと日記」。 悪いことは脳にすりこまれやすく、良いことは忘れがちです。ですから、あえて“いいこと”だけを書く。どんな小さなことで構わないと思います。
自分がニコっとできる瞬間。小さな幸せを見過ごさずにとどめる習慣を持つことで、幸せを感じやすい人になれると思います。そうすると、支出に対する満足感も高まるし、必要のない支出の見極めもできてくるでしょう。
教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
取材・文/西尾英子