お金の使い方を見直すために必要なのものは家計簿?

――お金の使い方を見直すためには、どんな方法が有効なのでしょうか? やはり、家計簿が王道ですか?(第2回『貯蓄ゼロが全世帯で3割!老後のお金の準備方法は?』から続きます)

貯め上手になるために必要なこと

貯め上手になるために必要なこと


八ツ井慶子さん “何にいくら使ったか”を知るために家計簿は有効ですが、それだけでは、貯め上手にはなれません。以前、「お金の使い方」には、自分のこだわりや価値観が強く影響しているという話をしましたね。けれども、家計簿上の数字だけでは、自分の「心」が見えてこない。そもそも多くの人が、家計簿をつけ続けられないのが実状でしょう。そこで、私がオススメしたいのは「日記」なんです。日記は、最も自分を客観的に見れるツール。使い方を変えるには、家計簿よりも日記の方がはるかに役に立つと私は思っています。今現在、家計簿を付けている人は、日々の日記を加えるといいですね。

――具体的には、どんなことを書けば、自分の“心のクセ”や“消費の傾向”が分かるのでしょうか。

八ツ井さん 「いつ」「どんな状況」で「なぜ」それを買ったか。なかでも、一番キモになるのは「なぜ」買ったのかです。できれば、前後の行動も分かると、自分がどういう時に浪費をしてしまうのか、共通するパターンが見えてくる場合が多いんですね。

「いつ」「どんな状況」で「なぜ」それを買ったか

「いつ」「どんな状況」で「なぜ」それを買ったか



例えば、“思わず浪費をしてしまう”という人によく見られるのが“ストレス買い”。仕事が忙しい、人間関係や家族関係、子供の教育など、いろんな悩みがあって、そのはけ口としてお金を使うケースがみられます。使い方が何に現れるかは人それぞれ。男性なら飲み会や嗜好品だったり、女性は被服費、美容に消費が向かったり。あるいは、仕事が忙しくなると、ついコンビニで買い物をすることが増えて、それが地味に家計を圧迫しているというケースもあるようです。

ですが、コンサルティングでもこうした指摘をすると、「でも、このお金は削れないんです…」とおっしゃる方もいます。でもそれは、「削れない」のではなく「削りたくない」「やめたくない」という心のあらわれだと思うんです。「削れない」と決めつけてそこを聖域化してしまうと、家計を正す選択肢を縮めてしまいます。ですから、もう一度振り返って考えてみる。「このお金の使い方は、本当に自分自身をハッピーにするだろうか」と。

その上で、「自分にとってこれは幸せな使い方」と思うのなら、他を引き締めるなり、収入を増やすための努力をする。「このお金はハッピーな使い方じゃない」と判断するなら、減らすことを意識する、値段を下げても満足感が維持できるようなものを探してみるなど、工夫することです。自分自身で気付き、決めることで、前向きな行動に繋げていってほしいです。

★次回は、「心の癖」と向き合うための具体的なアクションを紹介します

教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん

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埼玉県出身。法政大学経済学部経済学科卒業。2001年4月より「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。


取材・文/西尾英子


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