40歳で貯金200万円、毎月の貯金額3万円の人の老後資金

今、全世帯で3割が「貯蓄ゼロ」といわれています。老後の資金まで手が回らないという悲痛な声も。引き続き、FPの八ツ井慶子さんが、家計の見直し方をレクチャーします。(第1回『人気FPが提唱!老後資金は「いくら必要か」ではない』から続きます)

老後のお金、いくら貯められる?

老後のお金、いくら貯められる?


第1回では“リタイアまでにいくら貯められるか”という「MY老後資金」から老後を描くというお話を伺いました。この計算式で考えた場合、例えば「40歳で貯金200万円、毎月の貯金額3万円」の人だと、どれぐらいの「MY老後資金」が貯められるのでしょうか?

八ツ井慶子さん 「年間貯蓄額」×「リタイアまでの年数」+「退職金(目安)」+「現在の貯蓄―リタイアまでにかかる大きな支出」がMY老後資金になります。この方の場合、年間の貯金額が36万円、60歳まで働くと仮定するとリタイアまでの年数が20年。退職金を500万円と仮定、今ある貯蓄が200万円ですから、合計すると60歳までに1420万円貯められることになりますね。60歳から年金が出るまでの65歳の間はできるだけ働いて、自分たちの生活費分だけ稼ぐ。貯められなくても貯蓄を減らさなければ、さらに、働く年数を伸ばすことで、MY老後資金の1420万はもう少し先まで取っておくことができます。

――老後資金に手を付ける期間をなるべく先延ばしにすることが大事ですね。

八ツ井さん もちろんそうです。長く働くということは、資産形成できると同時に、老後の期間を短くする役割がありますからね。そのためには、健康で働き続けられる体づくりを意識して過ごすことも大切。仮に90歳まで生きるとして、リタイアを70歳まで延ばせば、老後は20年間。1420万円のMY老後資金だと、ひと月約6万円を取り崩す計算です。そのお金と年金で、残りの老後をどう過ごすかをイメージしてみる。工夫次第だと思いますが、もう少し余裕が欲しいと思うなら、今から貯金額を少しずつ増やすことを考えればいいですよね。

――全世帯で3割の人は「貯蓄ゼロ」というデータも。お金がなかなか貯められない人が、老後に向けて家計を見直すにはどうすればいいでしょうか?

八ツ井さん 統計でみると50代でも、貯蓄ゼロは3割います。ご相談者のなかにも1000万円以上の年収がありながら、「貯められない」と悩む人も意外といるんです。

これまでたくさんの家計を見てきて感じるのが、お金が貯まらない人には共通する4つの特徴です。<1>収入・支出・貯蓄の3つの額を把握していない<2>何にお金を使っているのか、よくわかっていない<3>言葉遣いに「否定形」が多い<4>財布が汚い。 

要は、自分の家計と向き合えていない、お金を大切にしていないんですね。言葉遣いに否定形が多い人は、柔軟性が乏しく、自分の世界にそぐわないことをシャットアウトしてしまうため、状況を改善しづらい傾向があると思います。

では、どうすれば貯まるのか。まず、自分のお金の「使い方」を見直すことです。正しく上手にお金を使えれば、ストレスなくお金が貯まるようになります。ただし、お金の使い方には、自分の価値観が強く反映されています。つい使いすぎて貯まらない人は、使い方に「心の癖」が潜んでいる。それに向き合い、考え方を少し変えていくことで、お金の使い方も変わり、ストレスも減っていく。心と家計を健全にする“良い循環”が生まれます。


★次回は、お金が貯まらない「心のクセ」と向き合うための具体的なアクションを紹介します

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教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん

埼玉県出身。法政大学経済学部経済学科卒業。2001年4月より「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。


取材・文/西尾英子

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