独身の20代女性と年上既婚男性の不倫は増えているのか?
20代後半、結婚適齢期と言われる年代の独身女性たちが不倫をする胸のうちとは。
ところがバブル崩壊、リーマンショックなどで経済が悪化し、男性が若い女性に奢ったりプレゼントしたりできなくなった。同時に男性たちがリストラや会社合併などで追いつめられ、さらにサービス残業で身も心も疲弊する時代となった。もはや若い女性とつきあっている場合ではなくなったのだ。
とはいえ、20代独身女性からみると40代男性も恋愛対象となるというアンケート結果などもあった。独身女性は、同世代の草食系男子に飽き飽きしている背景もあり、コミュニケーションが密な年上男性に惹かれる側面もあるようだ。
「割りに合わない」と思いながらも既婚男性に惹かれてしまった独身女性たちの声を聞いてみた。
20代女性の不倫:27歳女性の場合、「仕事では色気を出さない」
会社に一歩入ったら「鉄面皮になる」と決めているという27歳の女性。
「不倫している友だちをさんざん非難していたくらいですから。今でも自分のしていることが信じられないくらいです」
2年ほど前、キョウコさんの部署にやってきたのが今の上司。仕事を通じて彼の人間性に惹かれていったという。
「前の上司はけっこう短気だったんです。自分が言ったことをすぐ忘れたりもするし。でも今回の上司はとにかく穏やか。『あなたならできると思う』と仕事を任せてくれる。相談しながら自分のやりたいことを形にしていく仕事の楽しさを学びました」
キョウコさんたち若い女性社員が任された仕事があり、紆余曲折はあったが、そのイベントが無事に終了。打ち上げの席で、上司から「よくやった。でもあなたならもっとできるよ」と言われた。
「仕事やる気になりますよね。その上司が来てからの1年で、私は仕事のおもしろさがやっとわかった気がします。一方で、学生時代からつきあっていた彼とはすれ違いが続いて、とうとう別れてしまったんです」
その裏には、上司への密かな思慕があったかもしれないと彼女は言う。
「上司と部下といえども男女ですから、きっかけさえあれば関係ができてしまう。ほんと、そう思います。私は上司と食事に行って、うっかりつまずいて足首を痛めた。タクシーで送ってもらったものの、ひとりで歩けないので部屋まで来てもらい……。氷で足を冷やしてくれたんですよね。そのときはキス止まりだったけど、時間の問題だと思いました。自分が上司を好きになっていることを認めざるを得なかった。それまで自分の気持ちを見て見ぬふりしていたんだと思います」
職場、しかも直属の上司と関係をもつのはかなりリスキーだ。だがキョウコさんは、会社に一歩入ったら「鉄仮面になる」と決めている。
「精神的に強くなりました。仕事では何があっても色気を出さない。ひとりの女ではなく、企業人だと思っています」
彼女の仕事は、今や会社でも認められているそうだ。
「彼といつか別れることは想定済みです。私だって結婚したいし子どもも欲しい。ただ、今いちばん好きなのは上司である彼。自分の気持ちにウソはつきたくない」
彼女のメンタルの強さが、この不倫を支えているのかもしれない。
20代女性の不倫:26歳女性「私にとっては不倫がちょうどいい」
身内のような親近感を抱き、彼の父性に惹かれると話す、26歳女性も。
「20歳年上の人と3年つきあっていますが、私は父親を知らずに育ったので、彼の父親的なところが好きなんです。嫉妬したり結婚したいと思ったりしないから、私にとっては申し訳ないけど不倫の恋がちょうどいいんですよね」
ナホコさん(26歳)はそう話す。仕事関係で知り合った彼とは、ほどよい距離感がありながら身内のような親近感もある「不思議な関係」だそうで、一緒にいると落ち着くのだという。確かに結婚したくない女性にとって、不倫と呼ばれる恋が「ベスト」な場合もあるかもしれない。
「好きになった人がたまたま結婚しただけ、とは思わない。結婚生活で培った彼の魅力もある。そこを好きになったのだから、奪いたいとは思ったこともありません。子どものことなどを相談してくれる彼が好きなんです」
不倫をする20代女性たちは、経済的にも精神的にも依存しない?
既婚男性が独身女性を連れ歩いて自慢したがったバブル時代の「不倫」とは違い、今のその組み合わせは、独身女性のほうが地に足がついているように見える。経済的にも精神的にも相手に依存しない女性が増えたからこそ成り立っている恋愛なのかもしれない。もちろん、スマホなどツールの進化もあいまって、不倫が「耐える恋愛」ではなくなっているせいもあるだろう。独身女性と既婚男性の不倫は、今も一定数あるのだと思う。あまり表立って話を聞かなくなったのは、女性たちが自立しているため、その組み合わせでの揉めごとが減っているからとも考えられる。
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