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連日の不倫報道をどう見る?不倫女性たちの本音

芸能人の不倫バッシング報道が流れるなか、実際に不倫の恋をしている独身アラフォー女性たちはどう感じているのだろう。彼女たちの本音を聞いてみた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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自分がいけないことをしているとわかってはいるけど……

不倫の当事者女性たちは、不倫バッシングをどう見ているのか。

不倫の当事者女性たちは、不倫バッシングをどう見ているのか。

毎日のように報道されている芸能人の不倫。いささか食傷気味ではあるが、やはり他人のスキャンダルは耳目を引くものなのかもしれない。
だが、そんな報道を複雑な思いで見ている女性たちがいる。そう、現在進行形で、既婚男性とつきあっている独身女性たちだ。実際どう感じているのだろうか。


せめて「好きだった」と言われたいが、複雑な想いも……

「ああいう報道を見ると身が細る思いです」

タエコさん(38歳)は力ない声でそう言った。5歳年上の職場の上司とつきあって5年になる。彼とつきあうことで仕事への意欲も増したし、なにより「愛し愛される喜びを知った」という。

「不倫のニュースで取り上げられるのは、不倫がバレて、男性が妻とどういうやりとりをしたか、ということばかり。相手の女性の気持ちを慮る内容はまったくない。もちろん、自分の立場で考えれば、既婚者だと知っていてつきあっているのはいけないことだとわかっているけど、恋愛はやはり双方の意志がなければ続かないでしょ。男が家庭に戻りました、妻が許してくれました、というニュースを聞くと、相手の女性はいつもまるで“人格ももたない幽霊”のように扱われるんだな、と落ち込むんです」

不適切な関係をもっているのは自分。ただ、自分にも人格があり双方が恋愛をしていたのに、一方的に悪者扱いされたり、完全に無視されたりするのは正直、腑に落ちないところがある、と彼女は言う。とは言え、相手女性が一般人なのにどこの誰と報道されたり、プライベートを追及されたりすれば、それはそれで報道のありようが問われる。

「いや、私が言いたいのは、男性が会見などをするときのことです。落語家さんの不倫報道のときは、”自分は彼女のことが好きだった”と言っていましたよね。多くの男性は、妻のことはしゃべるけど、相手の女性については触れない。別れたとしても少しでも好意を抱いていたなら、彼女への思いを口にしてもいいのに、と思ってしまうんです……」

不倫のニュースに過敏になっているというタエコさん、つきあっている彼にも聞いてみたことがあるという。

「もし奥さんにバレたら、『あんな女とは遊びだったよ』って言うんでしょ?と聞いたら、『オレは言わない。どう思っていたのか聞かれたら、大事に思っていた、好きだったって言うよ』と。それはそれで複雑ですけどね。ひとつは『好きだった』って、バレた時点で私とのことが過去形になっていること。もうひとつは、やっぱり妻の立場になれば、夫にそんなこと言われたらショックだろうなって考えてしまって……」

どういう言い訳をしても、妻も彼女も苦しむことになる。タエコさん自身もそれをわかっているから苦しいのだろう。


家庭が”うまく”いっている彼と、20年の不倫を続けて……

家庭に生きる彼を20年見つめる女性もいる

家庭に生きる彼を20年見つめる女性もいる

ただ、世間の受け止め方は案外、いいかげんなものだと思うこともある。たとえば、不倫を50年貫き通し、配偶者が亡くなり、最後の最後に一緒になったとしたら、世間はおそらく「愛を貫き通した」と言うだろうから。

「私もそうなれたらいいなあと、心の片隅で思っています」

ミキさん(41歳)は、2歳年上の学生時代の先輩とつきあって20年になる。彼は地方の名家の出で、親が決めた許嫁がいた。

「今どきそんなことあるのと思ったんですが、いろいろ事情があって許嫁と結婚するしかなかったんです。つきあい始めたときは、結婚式の日取りが決まっている状態でした。でも彼はどうしても別れたくないと泣いたんです。私もそれにほだされて……。今、彼は奥さんや子どもたちと都内で暮らしていますが、いつかは家を継ぐために地元に帰るはず。それほど遠くない時期に」

ミキさんも東京に住んでいるので、彼が地元に帰ってしまったら離れ離れになる。それをきっかけに別れるのかと思ったが、彼の仕事は東京出張も多いので、遠距離になっても関係を続けていこうとすでに約束しているのだそうだ。

「私はもう結婚も出産もあきらめました、でも後悔はしていません。彼のことが好きだから。いつか、本当にいつか、もし彼がひとりになったら、結婚はしなくていいので、せめて近くに住んで夫婦のまねごとくらいしてみたいなと思っています」

彼女は終始にこやかにそう話した。寂しさも孤独感も、すべて飲み込んでこの人は生きてきたのだろうと思われる深い笑顔だった。

「彼は家庭のことを何でも話してくれます。家族にバレないよう細心の注意を払ってねと頼んでいます。家族を傷つけたくないし、バレて別れるのはつらすぎる。ただ、ときどき思うんですよね。もしかしたら彼の奥さんも気づいているのではないか、と。彼は『彼女はオレのことを好きではないんだよ。ただ、お互いに子どもを育てていく責任は痛感してる。そういう意味で家庭はうまくいっていると思う』と言うんです。本当、夫婦って何なんでしょうね?」

恋愛感情がないままに家庭をもち、セックスして子どもをもうけ、「うまく」いっている家庭。そして彼は、家庭の外で恋愛感情をもてるミキさんに出会い、愛情を注いでいる。そして、そんな彼を愛し続けるミキさん。


報道についてそれぞれが考えをもつのは自由だが、「そんな男はクズだ、本当の愛情じゃないから別れろ」「本当に好きなら、早く離婚してやり直せばいい」と画一的にコメントするのは簡単。そうはできない事情や感情もある。危ういバランスのもとに成り立っている関係も存在するのだ。ミキさんの例を聞くと、「結婚は善で、不倫は悪」と一概に断罪することもできないと考えてしまう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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