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犬にりんごは与えていい?健康に期待できる点と注意点

【獣医師監修】りんごは犬が食べていい食材のひとつです。皮ごと食べさせても大丈夫ですが、種や茎には毒性があるので取り除くようにしましょう。その他、りんごと犬の病気や薬との相性はある?アレルギーになりやすいの?1日に食べていい量はどれぐらい? など、愛犬の健康について勉強してみましょう!

いちかわ あやこ

執筆者:いちかわ あやこ

犬ガイド

りんごは犬に食べさせていい?

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りんごは犬に食べさせていい果物です


りんごは犬に与えることができる食材のひとつです。りんごに含まれる栄養素やその働き、犬の病気や薬、アレルギーとの関係を具体的にお伝えします。

<INDEX>
  1. りんごは犬に与えて大丈夫! 種は必ず取り除いて
  2. りんごの成分はダイエットや抗アレルギーなどが期待できる
  3. りんごとクエン酸の食べ合わせもおすすめ。食べさせ方とアレルギーに注意!
  4. 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
  5. りんごの加工品を犬に与える時は原材料に注意


りんごは犬に与えて大丈夫! 種は必ず取り除いて

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りんごの種や茎には有毒成分があるので取り除いて


りんごは犬に与えることができる果物です。皮ごと生で食べさせることができますが、種や茎、葉にはシアン化物という有毒な成分が含まれているので、必ず取り除いてください。

りんごには、抗酸化作用などが期待できるポリフェノールが含まれています。
600wの電子レンジで沸騰させてから1分間の加熱、沸騰したお湯に入れて2分間の加熱では、ポリフェノールの量はあまり減らないことも報告されています。硬いものを噛むことが苦手な犬に与える時は、加熱して柔らかくしてから食べさせることもおすすめです。

りんごの栽培に使った農薬は皮や果肉にも多少含まれています。2~3分水道水で洗い続けることで一部の農薬は軽減したという実験結果や、皮をむくことでも農薬を軽減できるという情報があります。また、皮の表面の少しベタベタした成分は、ワックスではなくりんごから染み出した不飽和脂肪酸の一種であるという話もあります。

皮ありと皮なし、どちらがいいとは一概には言い切れませんが、皮にも栄養素が含まれているので、安心して皮ごと食べさせたい場合は低農薬や無農薬のりんごを選ぶといいでしょう。

りんごは断面が空気に触れると酸化して茶色くなってくるので、犬に与える直前に切るようにしましょう。


りんごの成分はダイエットや抗アレルギーなどが期待できる

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りんごに含まれる栄養素とその働きは?


りんごに含まれる栄養素とその働きで、特徴的なことを4つご紹介します。

1:ダイエットのサポートに
りんごに含まれるポリフェノールの一種、プロシアニジン類が内臓に蓄積された脂肪を減少させたり、脂質の吸収を抑えたという実験データがあります。アップルペクチンという食物繊維には血糖値上昇を抑えることも期待できます。糖質も含まれているので、ダイエットが目的の場合は与えすぎないように注意しましょう。


2:抗炎症、抗酸化が期待できる
実験上のデータではありますが、りんごに含まれるプロシアニジン類は他にも、アレルギー反応の抑制や抗酸化作用があることがわかっています。品種によって差があるようですが、りんごの皮は果肉の1.2~3.3倍の抗酸化物質が含まれており、色が濃いほど栄養価が高いという報告があります。

そのほか、りんごの皮の色によって含まれている抗酸化物質が異なります。
赤色の皮には目の疲れを和らげることが期待できるアントシアニン、緑色の皮には血液の流れを助けるクロロフィル、黄色の皮には皮膚や粘膜の健康維持に作用するカロテンが含まれているとされています。

緑色と黄色の皮は、赤色の皮よりもやや硬い場合が多いので、消化が心配な場合は無理に与えずに取り除くようにしましょう。


3:がん細胞を抑える作用
りんごに含まれるアップルペクチンという食物繊維には、他のペクチンよりもがん細胞を抑える作用が強いというラットへの研究結果があります。アップルペクチンから抽出されたオリゴ糖にも、他のオリゴ糖よりも活性酸素(※)を抑える作用が強いということもわかっています。

※活性酸素:本来は体に必要なものですが、増えすぎは老化を促進する原因になることもある物質。激しい運動、ストレス、食生活の乱れなどで増加すると言われています。


4:おなかの調子を整える
りんごに含まれるアップルペクチンは他にも、排便の回数を増加させたという報告もあります。アップルペクチンに含まれるオリゴ糖が腸の善玉菌を増やすことに有効とも言われているので、おなかの調子を整えたい時にもおすすめです。


りんごとクエン酸の食べ合わせもおすすめ。食べさせ方とアレルギーに注意!

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りんごと犬の病気、薬との相性は?


どのような食材でも、良い面と良くない面を持ち合わせています。りんごを避けた方がいい犬はいるのか、りんごと相性の悪い薬はあるのか、飼い主としては気になるところ。犬の食生活・健康管理の講座も開催している獣医師の丸田香緒里先生(Animal Life Partner代表)にお伺いしました。

「りんごは健康維持に期待できる成分が多数含まれていますが、果物の中でも硬く、のどや食道に詰まらせてしまうことがあります。詰まらせ方によっては窒息してしまう可能性もあるので、細かく刻むか、飼い主さんが一部を手で持って食べさせるようにしてください。

もし大きい状態でりんごを飲み込んでしまい、犬の様子がおかしければ速やかに動物病院に連絡をしましょう。窒息の可能性がある場合は、対処方法を教えてもらえるかもしれません。

誤ってりんごの種や芯を飲み込んでしまった場合も、自己判断をしないで動物病院に連絡をしてください。対応が早ければ、吐かせることもできます。

りんごに含まれるリンゴ酸は、クエン酸と一緒に摂取することでクエン酸リンゴ酸カルシウムというものを形成します。この成分はカルシウムの吸収を良くするといわれており、特定保健用食品にも指定されています。

手作りごはんを食べることが多い犬はカルシウムが不足しがちなので、クエン酸を含む食材でもある穀物酢(アルコール、調味料不使用のもの)少量とりんごを合わせて、手作りごはんのトッピングやおやつに取り入れてみることもおすすめです。

ヨモギ、ハシバミ、ハンノキ、ニンジンに対してアレルギーを持っている犬は交差反応(※)が出ることもあるようです。食べさせる時は少量ずつ与え、様子を見るようにしましょう。」

※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと。


犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安

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上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。



りんごの加工品を犬に与える時は原材料に注意

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人間用に加工されたものは、原材料をよく確認して判断しましょう


りんごを使った加工品やスイーツがたくさん販売されています。正しく選べば犬に与えても大丈夫なもの、犬には避けておいた方がいいものがあります。

・りんごジュース

果汁100%で、砂糖などが使われていないりんごジュースは犬に与えても大丈夫です。加工方法によっては、含まれる栄養素は生のりんごとは異なる場合もあります。犬は甘味を好むので、飲み過ぎにならないように注意が必要。少し舐めさせる程度にとどめたり、水で薄めるなどして調整してください。


・りんご酢
りんごだけで作られたりんご酢であれば、犬に与えても大丈夫です。りんご酢に含まれるリンゴ酸やクエン酸は、疲労回復に期待できなかったという実験の報告がありますが、リンゴ酸そのものは体内のエネルギー生産の回路に重要な成分です。

原液は刺激が強いので、犬用の手作りおやつに少量混ぜたり、水で薄めるなどして与えるようにしてください。酸味を好まない犬もいるので、嫌がる場合は無理に与えないようにしましょう。


・りんごチップス
原材料がりんごだけのものであれば、犬に与えても大丈夫です。半生タイプのドライフルーツのりんごは、砂糖や香料が使用されている製品がほとんどなので、犬の健康を考えるとおすすめできません。


・アップルパイ
人間用に作られたアップルパイは砂糖や油脂が多く含まれています。アップルパイの中には、洋酒、チョコレート、レーズンなど犬の健康に悪影響な食材が含まれることもあるので、犬の食べ物としてはおすすめできません。


犬にりんごを食べさせても大丈夫? まとめ

  • 犬にりんごを与えても大丈夫!
  • 種や茎には毒性があるので取り除く
  • ダイエットや抗アレルギーに期待できる
  • 大きいりんごを丸飲みしないよう気をつける
  • ヨモギ、ハシバミ、ハンノキ、ニンジンに対してアレルギーを持っている犬は注意

【執筆協力】
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丸田香緒里 獣医師

丸田香緒里 獣医師(Animal Life Partner 代表)
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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