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「逃げ婚」……逃げるための結婚で後悔する女性たち

現状から逃げるための結婚「逃げ婚」で後悔している女性たちは少なくない。彼女たちは結婚後、何があって後悔しているのか。渦中にいると、自分が「逃げ婚」をしようとしているのかどうか判断できないこともあるといいます。周りの意見も素直に聞いてみましょう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「逃げ婚」とは?何かから逃げたくてする結婚

「逃げ婚」逃げるための結婚で後悔する女性 

仕事や家庭の事情などから逃げたくて結婚したいと考える人も。

結婚する動機は人それぞれで、その理由に上下はない。生活を安定させたくて結婚する人もいるだろうし、家族を作りたいから結婚する人もいるだろう。

ただ、「逃げ婚」で後悔している女性たちは少なからずいる。なぜ彼女たちは結婚という道を選び、その後、何があって後悔しているのか。

<目次>

「逃げ婚」の理由1.過干渉の母親から逃げたかった

結婚すればすべてうまくいくとは限らない?

結婚すればすべてうまくいくとは限らない?


「母親の過干渉に耐えかねて、早く結婚して家を出たくてたまらなかった」

そう言うのは、マキコさん(35歳)だ。ふたり姉妹の長女である彼女は、母から夫である父への不満や愚痴を聞かされて育ち、いつか両親を離婚させて母と一緒に住まなくてはいけないと思いながら育った。

「だけど中学生にもなればわかるんですよ、母の短所が。疑り深くて人を支配したがる性格で、あれじゃ父だってイヤになるはず。でも父は私たちにはとても優しかったし、よく話も聞いてくれました」

彼女が大学生のとき、その父が急死した。親戚などに借金してどうにか大学を卒業して就職したが、母は彼女を自分の夫でもあるかのように支配するようになった。

「社会人の娘に向かって、今日は何時に帰ってくるの、会社で何があったのとうるさい。妹は高校を出るとさっさと家を出ていきました。私は結婚しない限り、家を出られない。それが脅迫観念になっていって」

25歳のとき、会社の先輩と恋愛、母親の反対を押し切って結婚した。彼女は会社を辞め、社宅で彼とふたり暮らしとなった。

「最初はうれしかった。ようやく母親から逃れられたから。社宅が実家から遠かったので、母もさすがに訪ねては来なかったし。ただ、結婚を急ぎすぎたんでしょうね。つきあって1ヶ月くらいで結婚しちゃったから、相手のことをよくわかってなかった」

だんだんと夫婦仲がうまくいかなくなり、1年で離婚。

「仕事を辞めたのがいけなかった、自分で生活していけないんですよ。しかたなく実家に逆戻りして、母との軋轢はさらに深まっていきました」

アルバイトを始めたが、自活はできない。そんなとき行きつけのバーで知り合った同い年の男性と急接近、彼の部屋に転がり込んだ。

「すぐに妊娠して再婚しました。彼はサラリーマンですが、本当はまだ結婚するつもりなんてなかったみたい。出産したときも病院に来たのは翌々日でしたからね。腹が立ったけど、実家に戻るよりはマシだと思って7年がたちました」

その間、彼女は子育てしながら必死で勉強し、ある資格をとって現在は仕事を始めている。仕事が軌道に乗ったら離婚を視野に入れようと思っているそうだ。

「逃げ婚すると、のちのち自分の人生を修正していくのが大変だと感じています」

 

「逃げ婚」の理由2.仕事から逃げたかった

ブラック企業から逃げたはずが、彼の借金のために風俗で……。

ブラック企業から逃げたはずが、彼の借金のために風俗で……。


「結婚したらなにもかも変わる、人生バラ色になる。そう思ってしまったのが間違いだったんですよね」

そう話すのは、エミさん(32歳)だ。大学を卒業して就職した会社は、ブラック企業に近かった。半年間で休日が2日だったこともある。

「中小企業だからサービス残業なんて当然という雰囲気でした。給料が高ければまだ我慢できるけど、安かったしね。時間がないから学生時代からつきあっていた彼にも逃げられました。5年がんばったけどもう限界。そう思っていたとき、友だちの飲み会で知り合った人がいて」

何年も恋から遠ざかっていたから、恋愛のカンが鈍っていたと彼女は言う。彼の調子のいい言葉にのせられて、すぐに結婚を決めた。これで仕事を辞められる、仕事さえ辞めれば幸せになれる。そう信じ込んだ。

周りからは「あの男はやめたほうがいい」と言われたが、当時は「思考能力をなくしていた」のだという。

「結婚してしばらくは幸せでした。彼は優しいし、周りが言うほど悪いヤツじゃない。だけど半年ほどで彼に500万円の借金が発覚。私に支払う責任はないんだけど、このままだと会社をクビになると泣いて謝る彼を放っておけなくて……。私が風俗で働くことにしました。がんばって働いて早く返そうと思って」

いきなり風俗で働いてしまうところがすごいのだが、もうどうにもならなくなっていた彼も彼女の決意に涙を流して感謝したという。彼女は必死で働き、返済用にと彼に月30~40万円を渡した。

だが半年ほどたったころ、そのお金を彼が遊びに使っていたことがわかる。

「私がどれだけつらい思いをして稼いだと思ってるの、とキレました。彼はまた号泣。だけどもう信じられなかった。そのまま家を飛び出して離婚です」

仕事から逃げたいがために結婚したものの、さらにつらい状況に追い込まれてしまったエミさん。しばらく風俗で働いてお金を貯め、今は前職でつながりがあった人の助言もあって、無事に「普通の」仕事を得た。

 

何かから逃げるために結婚しても解決するとは限らない

他にも、「恋愛を繰り返すのに疲れて」結婚したものの、結婚後に本当に好きな人に出会って苦しんだ女性。「とにかく環境を変えたくて」結婚したが、相手と家族観が合わず離婚した女性……などなど「逃げ婚」で後悔している女性の声を多く聞いた。

マキコさんもエミさんも、口を揃えて言う。

「何かから逃げるために結婚しても、人生が安定するとは限らない。むしろ自分で自分の人生を安定させてから結婚したほうがいいと思います」

渦中にいると、自分が「逃げ婚」をしようとしているのかどうか判断できないこともあるという。周りの人の意見を素直に聞くことも重要だとふたりは言った。

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