在宅介護・在宅医療でも必要な褥瘡・床ずれケア

在宅介護

在宅介護・在宅医療において「床ずれ」予防は大切。知っておくべき褥瘡予防と対策法とは?

在宅介護・在宅医療においてもしばしば発生する「床ずれ・褥瘡」。治療がうまく行かず悪化してしまうと、命に関わることもある疾患です。

命に関わる理由として、褥瘡が発生した原因には複雑な要因がからむ場合があること、褥瘡の原因が治りにくいことなどが考えられます。一度褥瘡ができてしまった場合でも、適切な医療介入、訪問看護の介入、介護サービスの提供、訪問薬剤師の指導などのさまざまなサービスの提供を受けることで、自宅で治癒される方も増えています。また入院が必要なケースでも、十分な医療が行われても褥瘡の完治には時間がかかるため、途中から在宅治療に切り替える場合もあります。往診を行う医療施設では褥瘡には慣れている施設が増えています。

床ずれの好発部位・症例画像

褥瘡の悪化を防ぐには、早期発見が大切です。好発部位を中心に全身を観察するようにし、発赤がある場合はしっかりチェックしましょう。指で3秒間押しても発赤が消えない場合、「d1」の浅い褥瘡の可能性が高いです。毎日観察を続けるとともに、医療機関の受診、在宅診療をお勧めします。

寝たきりの方でよくみられる発生部位を、以下の図で示します。
背中

あおむけに寝たきりの方は背中の骨が接触する部位に褥瘡が発生します。


この中でも仙骨部、踵部は発生頻度が高いので注意が必要です。

■仙骨部分にできた浅い褥瘡の症例画像
発赤

仙骨部(殿部の中央)の皮膚に発赤を認めます。



■仙骨部分にできた深い褥瘡の症例画像
深い褥瘡

深い褥瘡は長い入院加療が必要です。



褥瘡の治療法……入院治療か在宅治療か

深い褥瘡はもちろん浅い褥瘡の場合でも、褥瘡処置や体位の変換(体の向きを定期的に変えること)ができない場合、入院が必要です。

以下では、在宅で褥瘡治療を行う場合に必要な環境整備や、アイテム、薬などについて解説します。

在宅での褥瘡治療・対策法

在宅での褥瘡治療にはいくつかの環境整備が必要です。

■エアーマット

エアーマット

      褥瘡の治療、予防にはエアーマットが不可欠です。

高額な医療機器ですが、条件を満たせばレンタルで利用することが可能です。

■褥瘡処置に必要な備品
在宅での褥瘡処置は、訪問診療の医師、看護師が行いますが、必要に応じて家族が行うこともあります。詳しくは「床ずれの薬・褥瘡の薬・軟膏」をご覧ください。液体石けん、水を入れる容器、オムツなどが必要となりますが、これらは日常で使用しているもので大丈夫です。

■体位変換に必要な枕
除圧といって、褥瘡が発生する部位に圧がかかることを予防することも必要です。
枕

   枕はなるべく大きな物を使用して下さい。

こちらもそれほど高額でないので、褥瘡治療にあたる場合は購入されるのがよいでしょう。

褥瘡治療・対策に必要な栄養管理

通常の食事が摂取できればそれが一番です。しかし食べられる食事が不十分な場合、一部補助食品などを併用しながらいろいろな栄養成分を補うようにする必要があります。充分なカロリーを摂取することが褥瘡治癒の一番の解決策です。

食欲不振、嚥下障害、咀嚼障害などを合併している方は、液体の食品を在宅で使用することが可能です。

■エンシュア・リキッド
エンシュアリキッド

完全栄養食品の薬剤としてエンシュアリキッドという製品があります。


味がバニラ味、ストロベリー味、コーヒー味、黒糖味があります。甘いものが好きな方には適した食品で、医師の処方が可能です。

■ラコールNF
似たような製品としてラコールという薬剤があります。

ラコール

   ラコールではコーン味の製品があります。



甘い物が好きでない方にラコールがお勧めです。

上記2つの栄養食品は薬ですの、医師の処方により健康保険を使用して、服薬が可能です。

■ペムノン

褥瘡を治すための成分として、タンパク質が重要です。関連の深いアミノ酸としてアルギニン、グルタミンが重要視されています。

ペムノン

ペムノンはアルギニン、グルタミンを含みます。



■Sunkistポチプラス

鉄、亜鉛などの微量金属の成分も褥瘡治癒に欠かせません。
亜鉛、鉄

亜鉛、鉄を含んだ補助栄養食品もあります。



以上のように、在宅での褥瘡治療はやや特殊な治療になります。褥瘡に慣れた往診医師、看護師のサポートが必要です。専門性にこだわらず、経験豊富なスタッフの医療サービスを受けるようにしましょう。
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