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愛犬の散歩……時間や回数・病気をまねかない正しい仕方

愛犬との散歩を楽しめていますか? 愛犬との散歩は、互いの絆を深めるもの。散歩を心から楽しむために、犬種体形ごとの散歩時間と回数、熱中症や胃捻転にならない正しい散歩方法をお伝えします。雨の日はどうする? 子犬はいつから散歩できる? などにもお答えします。

川崎 恵

執筆者:川崎 恵

犬ガイド

<目次>

犬の散歩の時間や目的とは?

愛犬の散歩……時間や回数・病気をまねかない正しい仕方

愛犬との散歩は掛替えのない豊かな時間

犬の散歩とは、単に運動をさせたり、排泄させるだけが目的ではありません。
散歩の目的は大きく分けて以下の3点です。
・気分をリフレッシュさせる。
・社会性を身に付ける。
・飼い主の方と信頼関係を強く結び、絆を深める。

しかし、上記の3点は、犬達だけが得られるものではありません。散歩を通して、私達もリフレッシュし、世界を広げ、そして愛犬との絆を深める。散歩とは最愛の存在と共に過ごす掛替えのない時間です。その時間の豊かさに意識を向けた時、犬達と過ごす幸福感がさらに増すことでしょう。
 

犬の散歩に必要な時間・頻度・回数とは?

犬に必要な運動量は犬種、年齢、体格、体力、気質によって異なるため、たとえ同じ犬種、同じ年齢であっても個体により大きく違います。一概に“小型犬だから○○程度”とは言えません。ただ、目安として以下のように伝えられることが多いようです。

≪超小型犬≫
成犬時の体重が4キログラム以下犬種
カニンヘン・ダックスフンド、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャテリア等
1日2回 1回の散歩時間は10分~20分

≪小型犬≫
成犬時の体重が5~10キログラム以下の犬種
ミニチュア・ダックスフンド、トイプードル、マルチーズ、シーズー等
1日2回 1回の散歩時間が15分~25分

≪中型犬≫
成犬時の体重が10~20キログラム程度
コーギー、ビーグル、フレンチブルドッグ、柴犬等
1日2回 1回の散歩時間が20分~30分程度

≪大型犬≫
成犬時の体重が20~40キログラム程度
ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー、ドーベルマン、秋田犬等
1日2回 1回の散歩時間が30分~60分程度

ただ、上記は目安の時間です。季節によっても散歩時間は変わってくるでしょう。何よりも、その時々で、その子の年齢、体力、体調を考慮し、飼い主の方が適切な運動量を見極めてあげる事が大切です。散歩中の仕草、表情もよく観察してあげて下さい。

私は愛犬の「散歩満足度」を図る基準として、散歩からの帰宅後に見せる表情、態度に注目しています。散歩が足りない時は、有り余る体力のため、部屋を走り回りますし、逆に満足している時は、穏やかな表情で休んでいます。犬達は、言葉を話さない分、表情、仕草で様々な気持ちを教えてくれています。そこを見逃さないことがとても大切だと思っています。
 

犬の散歩に行くタイミングは食前? 食後? どちらがベスト?

犬の散歩のタイミングは、決まった時間を作らない方が良いと言われています。その理由は、犬は習慣化を体得することが得意だからです。散歩の時間を習慣化すると、その時間になると「散歩に行こう!」とソワソワする犬達が多いです。しかし、私達が必ず決まった時間に行けるとは限りません。だからこそ、散歩の時間はランダムに行うのが良いのです。

ただ、「食事の前後どちらが良いか?」と言えば、体のことを考えて食事の前に散歩をすることをお勧めします。逆に食後は避けた方が良いでしょう。理由として、食後に過度な運動を行うことは胃への負担となり、嘔吐や胃捻転や胃拡張を起こす原因になるためです。胃捻転は、症状が進むと短時間で命に係わる重大な事態となります。
病気にさせない為に散歩は食前に!

病気にさせないために散歩は食前に!

私のペットロスカウンセリングでも、元気にご飯を食べ、喜んで散歩をした後に胃捻転を起こし、短時間で亡くなってしまったケースをよく伺います。これらの理由から、散歩の時間はランダムに、しかし、必ず食事の前に行うことをお勧めします。
 

熱中症にさせない夏の散歩!

夏の炎天下、照り付ける太陽でアスファルトの地面は何度まで上昇するかご存知ですか?ある実験では50度、60度まで上がるとの調査結果が出ているそうです。

私達人間は靴を履きますが、犬達は直に肉球で地面を歩きます。また、体高が低い犬達は、地面により近い位置で歩いているため、私達が体感している気温より遥かに高い気温の中を歩くことになるのです。

熱中症とは、昼間だけに起こるものではありません。夕方の散歩であっても、時間帯によっては、まだまだ地面の温度が下がりきっていません。地面からの反射熱の中を歩く犬達にとって、夕方であっても熱中症になる可能性はあるのです。夏の散歩時は、くれぐれも愛犬の変化に注意をしてあげて下さい。
愛犬を熱中症にさせない為に大切なこと

愛犬を熱中症にさせないために大切なこと

≪熱中症の基礎知識≫
犬達にとって、体温調節をするための汗腺は肉球にしかありません。そのため、彼らは舌を出して呼吸を早くすることで唾液を蒸発させ、熱を逃して体温を下げているのです。熱中症とは、高温多湿な環境に体が適応できない(体温調整できない)ことで生じる様々な症状の総称をいいます。

≪熱中症の症状≫
・元気がなく、ぐったりしている
・呼吸が荒い
・大量のヨダレを出している
・脈拍数、心拍数の増加
・眼振(眼球が不規則に動く)
・嘔吐
・下痢、血便
・痙攣

≪熱中症を防ぐためのチェック事項≫
・散歩の時間帯は早朝か日が沈んだ夕方であるか
・地面を手で直接触り、素足で歩ける温度であるか
・散歩コースは風通しが良いか、日陰であるか
・散歩時の愛犬の表情、仕草はどうか
・舌を出し、荒い呼吸になっていないか
・大量のよだれを出していないか
・脈拍や心拍数は高くなっていないか
・こまめに水分を補給させているか
・帰宅後、肉球に炎症が出ていないか

≪熱中症の応急処置≫
・意識がある場合
早急に体を冷やして、水分を補給させることが大切です。
体温が39度になるまで冷水をかけて下さい。氷水は逆効果になる場合があるので注意が必要です。体温が39度まで下がったら、早くに動物病院へ行き、獣医さんの診察を受けて下さい。

・意識がない場合
一刻も早くに動物病院へ連れて行きましょう。ただ、応急処置をせずに病院へ向かうと、その途中で様態が急変することがあります。獣医さんの指示を仰ぎながら、早急に対応しましょう。
 

雨の日の散歩の必要性と散歩後のケア

雨の日の散歩は、犬達ではなく、私達人間の方が少し憂鬱になってしまうものです。しかし、排泄を外でする習慣がある場合は、人間の都合や気分で散歩を止めるわけにはいきません。雨の日は遠出をせず、近場で気持ち良く排泄をすることを目的に散歩に出てあげましょう。

そして、散歩後は、犬達の濡れた体をしっかりと乾かしてあげて下さい。濡れたままにしておくと、体温が低下し、体調を崩したり、皮膚病になる恐れもあります。肉球の間や脚の付け根まで、しっかりとケアしてあげることが大切です。

また、今では雨の日を快適にするための可愛い犬用レインコートやブーツが多く揃っています。カラフルなレインコートで、雨の日をいつもと違う特別な日として楽しむのもひとつですね。

ただ、愛犬も私達も同じように年齢を重ねます。年齢を重ねた時、体力的にも、体調的にも今と同じように散歩をすることは難しくなるでしょう。そのような時に備えて、室内でも排泄が出来るようにトレーニングをしておくことが私は大切だと思っています。
 

子犬はいつから散歩ができる?

子犬の散歩デビューで守らなくてはいけないこと

子犬の散歩デビューで守らなくてはいけないこと

待ちに待った子犬の散歩は、2回目(獣医さんによっては3回目)のワクチン接種を終えた後に行ってください。ただ、ワクチンを終えてすぐに散歩を開始してはいけません。ワクチンで体に抗体を作るため、4,5日間空けて散歩を開始することを忘れないで下さい。
 

老犬の散歩効果

犬達が年齢を重ね、シニアになり、老犬になり、かつてのパワフルさはなくなり、足腰がおぼつかなくなっても散歩は続けてあげて下さい。気分をリフレッシュする時間、大好きな飼い主さんとの時間を優しく紡ぐ散歩として続けてあげて下さい。

ゆっくり歩くも良し、抱っこでも良し、キャリーでも良し、スタイルはその子の体力、体調に応じて選んであげて下さい。

風を感じ、花の香りを感じ、季節の移ろいを感じ、他の犬達の声を聞き、家の中では体感することのない世界をゆっくりと味わう、そんな時間として散歩を楽しませてあげて下さい。そのような時間が愛犬たちにとっても、私達にとっても、至福な時間となるでしょう。
 

白内障の犬に適した散歩時間

犬も人間同様に白内障になります。白内障は、目の中の水晶体が濁ってしまう病気です。水晶体が濁ってしまう原因は様々ですが、紫外線も白内障の原因の一つとされています。そのため、白内障にかかっている犬達は、症状を進行させないために、早朝や夕方など紫外線の弱い時間の散歩がお勧めです。
 

ヒート(生理)中の散歩の必要性

ヒート(生理)は病気ではないため、体調が悪そうでないならば適度な運動も必要です。しかし、ヒート中は免疫力が低下しているため、陰部を地面や土に付けることで感染症を起こす恐れがあるので注意が必要です。また、発情期を迎えている雌犬の匂いは、雄犬を興奮させ、思わぬ喧嘩や交尾が起こる可能性があるので、周囲に対する配慮も必要になります。
ヒート中は周囲へも配慮が大切☆

ヒート中は周囲への配慮も大切☆

私の愛犬は、室内での排泄が出来ていたので、運動は家の中で、散歩は気分転換を目的に抱っこをして行っていました。

ヒート中は普段穏やかな子であっても、不安定な精神状態になることがあります。飼い主の方の優しい心遣いで、穏やかに過ごさせてあげて下さい。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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