子どもなのに肩こり、首の痛みが発生するのはなぜ?
肩こり、首の痛み、猫背……こんな悩みを抱える子どもは実は少なくありません
子どもの不調として実際に聞くことが多いのが「肩こり」。そして「首が痛む」「学校で座っていると背中が痛い」「ランドセルが重くて歩くのがつらい」といった悩みもあります。
正しい姿勢キープには筋力が不可欠! 筋力不足の猫背姿勢
これらの訴えがあるお子さんに椅子に座ってもらうと、背スジを伸ばしてシャキッと座れないケースが多く見られます。普段から背を丸めた「猫背姿勢」で過ごしていることが見て取れる状態です。猫背姿勢では首の筋肉にも過度な緊張が見られることがあります。猫背姿勢は、肩こりや背中のつらさの慢性化の原因にもなりうるのです。日常的な姿勢を自力でキープすることは、大人だけでなく、子供にももちろん大切なことです。子どもは成長の途中ではありますが、姿勢をキープできる体づくりを意識した生活は、体をスムーズに動かすことができる能力や、疲れにくい体づくりにも繋がります。
猫背姿勢はバランスをとる機能を低下させる!?
すでに猫背姿勢が慢性化している場合、体の軸がブレてしまうことで、身体機能にも影響が出ていることがあります。考えられる影響の一つに、日常動作や体育の授業などスポーツで体を動かす際、変化する姿勢を安定させバランスをとり各筋肉を協調して使うという働きが低下する可能性があります。そのため、肩こりや猫背姿勢改善のケアをするとともに、体の軸を安定させバランスをとる機能を取り戻すエクササイズも併せるとより理想的なコンディションへ近付くと思います。体づくりとして無理にトレーニングをするのではなく、親子でのコミュニケーションを楽しむ時間として取り組まれてみてはどうでしょうか?
子の体力・運動能力は向上傾向? 対策すべきは運動不足の子
また、お子さんが体を動かすことが大切である理由として、文部科学省の外局であるスポーツ庁が出している「体力・運動能力調査(平成27年度)」の結果があります。それによると、子供の体力・運動能力は昭和60年頃と比べると依然低い水準であるそうですが、ほとんどの年代で穏やかな向上傾向を示しているとのこと。よく運動をしている子供よりも、あまり運動していない子供がより低下しているため、運動不足の子供達への対策が重要であると述べられています。
運動が不足しがちな子供については、最初はご家庭でのフォローが必要になるかもしれません。「体を動かすことが楽しい」「面倒なことではない」と思えるきっかけができると良いかもしれませんね。
運動を通して日常生活で必要な身のこなしも軽くなっていきます。転ぶ際に手が前に出ず、顔を打ってしまったり、手首を捻ったり……という話も多いので、楽しく体を動かして、自然と体力・筋力アップと怪我の予防につながれば、言うことはありません。
肩こり・猫背解消! 親子で姿勢・バランス強化エクササイズ
ここでは、親子でできる体操をご紹介します。座り姿勢による背中の疲労回復・猫背になりにくい体づくり・首や肩周りの負担を減らし血流の滞りを予防して肩こり解消を目指します。小さいお子さんや動きに慣れていないお子さんは、エクササイズ中にバランスを崩して倒れないよう、すぐに支えることができる場所でサポートしましょう。■エクササイズ前の準備運動
1. 大きく腕を振りながら、その場で足踏み(10回×3)
2. 立ち姿勢のまま、両手・両足をぶらぶら振る(約10秒間)
1. 猫背予防の親子ストレッチで肩こり解消!
親子で身長差に合わせて、お子さんの手の位置をずらし無理の無いよう調整してください
2. 猫背予防に片足を立ちでバランスキープ力を強化
慣れないうちは、バランスを崩して転倒しないように親がサポートします
10秒間キープしたら、脚を替えて同様に、交互に3セット行います。一人でもバランスを保つことができるようになったら、親子並んで挑戦してみてましょう。
3. 肩こり改善! カエルジャンプで腕力・脚力・バランス感覚を強化
両手を床につき、足で床を蹴って、膝は軽く曲げたままで下半身を持ち上げます。逆立ちをする途中の段階をイメージしてください。床に手をつき、下半身が持ち上がる際に、腕・体幹の筋肉・脚の筋肉を使いながらバランス感覚を養います。これを5回繰り返します。最初は親が子供の体を支え、動きに慣れるように促します
思いきり床を蹴ってみましょう。慣れるとバランスが取れるようになります
4. 背中の疲労解消! バランスボールでピョンピョン体幹強化
バランスボールは使いこなせるまでに時間を要する場合がありますので、焦らず取り組んでください
両足の裏が床につくサイズのバランスボールを用意します。背スジを伸ばし顔を正面に向け、バランスボールへ座ります。そして、足裏は床につけたまま、バランスボールの上でお尻をピョンピョン弾ませます。5回×3セット行いましょう。
バランスボールから落ちないよう、親がすぐに支えられるように準備しておきましょう。背骨を支える筋肉の強化と背中の疲労緩和から肩こり予防に繋がりますが、弾むことが難しければ、バランスボールに座ったまま、前後左右に骨盤を揺らすように動かしてもOKです。10秒間×3セット繰り返します。
どのエクササイズも最初は、上手に動きを連動させることができないかもしれませんが、少しずつ繰り返していくことが大切です。できるようになるまで、1度に何度も繰り返すというよりも、日々の積み重ねで、筋力が発揮できバランスも取れるようになることを目標に、楽しく取り組むことが第一。無理せず、楽しみながら筋力、バランス力をアップさせ、肩こり、首の痛み、猫背などの改善を目指しましょう。