エアコン・冷房が肩こり悪化の原因に
エアコンによる冷えで肩こりが悪化するケースは少なくありません
エアコンが欠かせない夏。エアコンによる冷えが原因で肩こり悪化に悩む相談が多く寄せられます。皆さんも以下のような経験はありませんか?
- 職場でエアコンを使うようになってから、肩こりがひどく肩が痛む
- エアコンの風が当たると、背中に板が張り付いているような感覚になってつらい
- エアコンを使い始めてから肩周りがガチガチに硬くなった気がする
- 体が冷えてくると、首の痛みや頭痛が起こる
- 首元が冷え、腕が重だるく感じる
冷えによる肩こり悪化は筋肉の緊張と血流低下が原因
こうした筋肉のコリに関連した症状は、エアコンによる冷えで筋肉の緊張が起こり、血流低下のきっかけができてしまうためだと考えられます。暑い季節にエアコンの効いた部屋は、本来であれば快適空間であるはず。不快なコリを作り出してしまう原因は、大きく2つ考えられます。1. 部屋の冷やし過ぎ
まず考えられるのが、部屋の冷やし過ぎ、冷風が直接体に当たって冷えすぎてしまうケース。体が冷えると必要以上に熱を奪われないよう、身体は血管を収縮させ、保温しようと働きます。体にとって適温以下の環境で過ごし続けることで、血流が低下し、筋肉も凝り固まる傾向になるのです。
特に職場など、自分以外の人がいる場所では、自分自身の適温に室温を保つことが難しいこともあるでしょう。冷えに耐えながら仕事をしているうちに、体が縮まるように力が入り、肩こりが悪化してしまうことは少なくありません。
2.屋外と室内の温度差
体の負担を考えると、室内温度と外気温の差は5度にとどめることが望ましいです。しかし快適な室温として推奨されている少し高めの「28度」にセットした場合でも、昼間の外気温が34度だった場合、温度差は5度以上になってしまいます。
5度以上の温度差の環境を行き来していると、体温調整をしている自律神経の働きは狂ってしまいます。毎日、エアコンの効いた部屋で長時間過ごして体が冷えてしまうと、外出時に温度変化に体がついていかず、結果的に血流の滞りが慢性化しやすくなる可能性があるのです。
悪循環を防ぐためには筋肉を動かすことが効果的
このようにして、自律神経の働きが乱れたままになると、気温の変化により自然と血流が調整されることが難しくなります。そしてまた、冷房によって体が冷やされると、さらに筋肉のコリが解消されづらくなるという悪循環に陥ります。すぐにでもコリを緩和させたい時は、直接、筋肉を動かすことで、血行促進を図るのがよいでしょう。ホットパックなど温熱アイテムで温めてからのエクササイズでも良いです。
肩こりを和らげるエクササイズのポイントは、肩甲骨を動かす意識を持ちながら、腕を付け根から動かすことです。冷えとコリが強いうちは、スムーズに動かせず硬い感じがするかもしれませんが、続けているうちに楽に動かせるようになります。特にコリが酷い人は、冷房のきいた部屋で過ごしている間、1時間毎に動かしてみましょう。もし、汗をかいてしまったら、すぐに汗を拭いて体を冷やさないようにご注意ください。
冷え肩こり対策に! 肘で8の字ぐるぐる体操
椅子に座っても行えるので、デスクワークの手を休めた時にでもコリを和らげることができます。ポイントは天井から見た時に、肘で8の字を描くようにゆっくりと大きく動かしていくことです。
動かしやすければ、両手を組んでもかまいません
1. 体の前で軽く片方の手首を掴み、両肘を張った姿勢からスタートします。
勢いはつけずにゆっくりと動かしていきましょう
2. 斜め上後方へ肘を動かします。腕の付け根が気持ちよく伸びるようにします。
筋肉への刺激を感じながら大きく肘を動かします
3. 肘で描く軌道が、なるべく体より遠くなるよう保ちながら、肘を斜め下後方へ動かします。
動かしているうちに体が傾いていかないように気をつけましょう
4. 8の字を意識しながら、反対側の斜め上後方へ肘を動かします
上から見た時にキレイな8の字を描くようイメージしながら動かします
背スジを伸ばして肩甲骨を寄せる体操
こちらも椅子に座ったまま行うことができます。顔と体を正面に向けて、なるべく背スジを伸ばすよう意識をして行います。
スタートの姿勢は背か丸まらないように気をつけましょう
1. 両手を合わせたまま、天井方向へ手を挙げ肘を伸ばしていきます。挙げられる範囲で止め、深呼吸を3回します
左右の肩甲骨を寄せるよう両肘を近づけます
2. 背中の後ろで両肘を合せるイメージで動かし、胸を張り5秒間キープします。「1」「2」を3~5回繰り返しましょう。
体操を続けていくと、筋肉のコリが緩和され、首・肩周りや背中が楽になっていきます。それは、エアコンによる冷えで乱れた自律神経のバランスを取り戻すことにも役立ちます。エアコンを使用する間は、コツコツと体操を続けられることをオススメします。