2017年の浴衣のキーワードは、「白・大柄」

モデル着用:萩の柄undefined反物価格3万2400円(税込)、帯2万7000円(税込)

モデル着用:萩の柄 反物価格3万2400円(税込)、帯2万7000円(税込) /すべて竺仙


2016年の「ユナイテッドアローズの新作紹介」や「伊勢形紙の浴衣が1万円台! イオンのゆかた2016」でとりあげたように、ここ何年かは「古典」が人気となっていました。今年2017年は、その流れを汲みながら、特に「大柄」の人気が顕著です。今回は、その理由や魅力を紐解いてみることにします。


大柄人気の理由

本物を知る大人の女性こそ1枚は持っていたい大柄の浴衣。どんなところに魅力があるのでしょうか。

理由1:古典回帰

ひと昔前の浴衣ブームの頃には現代的な柄を現代的な色で染めたものが多かったのですが、その波も引きここ3~4年ほどは、雪花絞りに代表される有松絞りがCMに起用されたり、また、2016年の「イオンのゆかた」では伊勢型紙とのコラボがあったりと、伝統的な技術が見直されてきています。大柄と言うのは、どちらかといえば古典的普遍的な柄。そんな古典回帰の流れが強くなってきたが故の今、改めての人気なのではないかと思います。

流行とはいえ古典的なものは、今年だけしか着られないということもなく、長く愛せる普遍的な魅力がポイント。本物を知る大人の女性こそ1枚は持っていたい一枚であることに間違いはありません。


理由2:浴衣らしさを求める気持ち
ぼたんの柄undefined反物価格3万2400円(税込)、帯3万240円(税込)

ぼたんの柄 反物価格3万2400円(税込)、帯3万240円(税込)  /すべて竺仙


一般的に浴衣を着る理由として、「浴衣を着ると言う非日常を味わう楽しみ」があります。そう考えた時に、やはり洋服では絶対に選ばない柄を選ぶ人も多く、大柄の浴衣はそういった意味で「非日常」を味わえるアイテムとして選ばれる機会が多いものと思われます。

着物の場合には、いわゆる洋服感覚で色や柄を選ぶという方も多いのですが、浴衣の場合には、どちらかと言えばより浴衣らしさを楽しむという意味で、古典柄が好まれる傾向があります。「より浴衣らしい浴衣」を求める気持ちが、大柄人気を後押ししているのではないでしょうか。


理由3:大きな柄と暑さとの潔さのバランス

暑い時には何事も大胆な気持ちになりやすいもの。大柄の浴衣は、見た目にも着姿が涼しく、すがすがしく見えるので特に猛暑の夏にはちょうどいいのではないかと思います。浴衣に限らず和装の場合は、全身に柄や色が配置されるため大きな柄も表現しやすい構造になっています。とくに、白地に大きな柄のものは、スッキリと透明感があり顔も明るく見え、辺りが暗い花火の場面でも目立つこと間違いなしです。


大柄に使われる代表的な伝統技法 とは


■注染

あじさいの柄undefined反物価格3万7800円(税込)、帯4万1040円(税込)

ファンには「白地に紺」のイメージがある竺仙ですが、今年はカラフルな染めも人気とのこと。注染らしい、味わいのある色ムラはほかにひとつとないものに。あじさいの柄 反物価格3万7800円(税込)、帯4万1040円(税込)  /すべて竺仙


竺仙の浴衣に代表される技法です。
注染の技術とやり方undefined竺仙ホームページより

注染の技術とやり方 竺仙ホームページより


防染糊を置いた生地の上から染料を注ぎ込んで、模様部分を染め上げる型染めの一種。手ぬぐいや浴衣にも多く使われる技法です。裏表が無く染め上がるのが特徴で、独特の風合いや立体感があります。

明治時代に入るまでは、職人が一つ一つ手作業で染め上げる本藍(ほんあい)という技法が中心でした。そこに、当時では画期的な技法として大量生産が可能なこの注染という技法が発明され、浴衣が夏の普段着として定着しました。

最近では、レーザープリントで仕上げるものも増えてきて、逆に注染は手作業で染め上げる独特な風合いが楽しめる伝統的技法となりました。
一般的に、注染は大きい柄のほうがきれいに染まると言われており、浴衣に大柄が多いのは、これが理由であると考えられます。



■雪花絞り

色も柄も美しい、雪花絞りの反物/藤井絞

色も柄も美しい、雪花絞りの反物/藤井絞

有松鳴海絞りの技術「板締め絞り」のひとつです。生地を縦に畳み、三角形の形を作りながら頂点を合わせて折っていき、両端を板で締め動かないようにして固定。それを乾いたまま染料に浸すと、生地が染料を吸って、毛細管現象のように浸透していき花が咲くようなボカシ染めになります。

有松鳴海絞りの中では比較的簡素な技法で、昔はおしめの柄によく使われていた技法というのもおもしろいですよね。

参考:
雪花絞りとは。CMで人気だけど昔はおしめの柄だった



白地の大柄浴衣の選び方、帯の合わせ方


さて、大柄浴衣の魅力についてお伝えしてきました。ここで気になるのはこの大柄浴衣を着こなすためには、どのようにしたら良いのかということ。

なぜなら、大柄の浴衣は見た目にインパクトがあるからです。特に白地のものは、柄が浮き出て見えるし、もしかしたら華奢な体型の方や年齢を重ねた方にとっては、少し敬遠したくなる柄かもしれません。

そんな方に、大柄をより素敵に着こなすワンポイントを。まず、帯の選び方。大柄に華やかな柄のものを合わせるのも個性的で素敵ではありますが、全体の色のインパクトに自分が負けてしまっては寂しいですよね。なので、色はなるべく浴衣の色の中に入っている一色を選ぶか、同系統の色を選んでみましょう。


大柄浴衣のコーディネート実例

ではここで実際に、創業天保13年から続く、浴衣・江戸小紋・風呂敷・手拭(手ぬぐい)を作り続ける「竺仙」の2017年の新作でコーディネート例を見て見ましょう。
つわぶきの柄undefined反物価格3万7800円(税込)、紺の帯3万4560円(税込)

つわぶきの柄 反物価格3万7800円(税込)、紺の帯3万4560円(税込) /すべて竺仙

白地にシンプルな藍の大柄に、兵児帯を合わせています。浴衣の藍に兵児帯の藍をリンクさせて、帯留めと三分紐でポイントを作った大人なコーディネート。兵児帯は子供や男性向けだと思われがちですが、2017年は大人の女性のコーディネートとして人気が再燃しています。中でも花結びするのがトレンドになっています。


朝顔の柄undefined反物価格3万2400円(税込)、帯2万7040円(税込)

朝顔の柄 反物価格3万2400円(税込)、帯2万7040円(税込) /すべて竺仙


こちらは、なんとも良いローズ色の朝顔が白地に映える浴衣に、あえてオフホワイトの半幅を合わせたコーディネート。三分紐と帯留めで浴衣の色をリンクさせることによって、ポイントを作り、華やかさを演出しています。帯の色で浴衣が断絶されないので、華奢な方や背の低めの方に特にオススメなコーディネート。


以上、大柄浴衣の魅力と着こなしのコツについてお伝えしました。夏は大胆な冒険も楽しみの一つ。派手な柄はちょっと苦手……と、二の足を踏んでいる方こそ、思い切って着てみてくださいね。

【取材協力】
竺仙
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