慌ててチェックアウトすると、つい忘れ物をしてしまう……
ホテルの客室で忘れ物をしたという話はよく聞きます。慣れない旅先、しかも一定時間身を置く寛ぎの空間で、携行物を取り出し使用するシーンも多いゆえ、ホテルの客室は忘れ物をしやすい環境ともいえるでしょう。筆者もホテル評論家という仕事柄、ホテルを利用する機会が多く、日頃から気をつけてはいるのですが忘れ物をした経験が何度かあります。振り返ってみると共通しているのは、指さし確認も怠るような、時間に追われ慌ててチェックアウトしたような時です。
スマートフォンや財布、車のキーなど、いつも身の回りにあるのが当たり前の物や恒常的な必需品は、仮に置き忘れてもすぐに気づくでしょうから、日頃持ち慣れない物や、旅先ならではの携行物が忘れ物として多いでしょう。
まずはホテルに電話確認! ホテル側からの連絡は基本的にはない
さて、ホテルの客室に忘れ物をした時の対処法ですが、気付いたら直ちに電話確認することが重要です。メールでも良いですが、確認は早いほどベターなので電話が吉と言えます。ホテルからの一方的な連絡は、場合によってはトラブルの元になることも想定されるため、忘れ物の連絡が来ることは、基本的には無いと考えましょう。スムーズに確認してもらうためにも、事前に宿泊日と客室番号を把握しておくことも肝要です。そのためにも領収証は保存しておくのは大切。ホテルステイの様子を記念に撮影するケースもあるでしょうが、客室番号も撮っておくといざという時に役立つかも。
忘れ物の有無を確認するため電話を折り返してくれるケースが多いですが、もし無事に確認できたら、見つかった高揚感でそのまま切ってしまわず、引き取り方法についても正確な確認を。
忘れ物を郵送してもらうときの注意点
送付依頼する場合は、宿泊カードの住所宛か他所宛か、受け取り日時などの再確認も肝要です。宅配便、郵便など送付手段は、基本的にホテル側のセレクトになりますが、希望があれば伝えてみましょう。送料は当然利用する手段により異なりますが、基本的に着払いとなります。ホテルに迷惑を掛けているという意識の下、送付方法についてもホテル側の過大な負担になるようなリクエストは控えましょう。
保管期間はホテルによりケースバイケースですが、高級ホテルほど長期、ビジネスホテルなどは短期という傾向があります。遺失物法(平成19年12月10日施行)で定められている3ヶ月を保管期間のガイドラインとするホテルもあります。一方、伝統あるホテルで何十年も前の忘れ物が保管されていたという感動的なエピソードもあります。
近々現地へ再訪予定があれば直接引き取るのもアリですが、何ヶ月も先になるとホテルへ負担をかけることになるので常識的な配慮が必要です。また、冷蔵庫の生鮮品など消費期限のあるものは、廃棄処分してもらうことが必要なケースもあります。