(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ
全国ツアー作品では、名作が再演されました。
新撰組と沖田総司の儚い人生を描いた日本物の代表作、『星影の人』。沖田総司と、芸妓・玉勇の短く儚い恋を、しっとりと美しく描きました。
また『哀しみのコルドバ』では、互いに相手がいながらも愛し合ってしまったエリオとエバの、胸が締め付けられるような切なさを、情熱的に演じました。
そして、『ルパン三世』以上に漫画・アニメファンを驚かせたのが、和月伸宏氏原作『るろうに剣心』。早霧さんは緋村剣心そのもの! 少年のようなあどけなさを持ち、普段は人懐っこく明るい剣心ですが、逆刃刀を手にした立ち回りは気迫に満ち、豹のようにしなやか。躍動的で爽やかで、最高に素敵な剣心でした。咲妃さんは気風のいい剣術小町、神谷薫。男役が多い作品の中、薫が登場するだけでふぁ~っと華やかになり、可憐さと明るさが輝きました。
映画のミュージカル化で話題となった『ローマの休日』。早霧さんは、包容力のある紳士的でダンディーな新聞記者ジョーを、咲妃さんは、素直な可愛さと気品を兼ね備えるアン王女を好演。二人の自然なやりとりが、何気ない自然な佇まいが、虚構の空間を温かく優しいものにしました。
原作物や再演物が多い中、この二人のためにあて書きされたのが、ハードボイルド『私立探偵ケイレブ・ハント』。台本には書かれていない間や表情から作るナチュラルな空間で、このコンビの演技力の高さや相性の良さがより輝きました。スタイリッシュでカッコいい男、ケイレブと、可愛いい大人の女、イヴォンヌ。ファンも喜ぶ、胸がキュンとする世界でした。
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ショー作品での、雪組カラ―の「愛の賛歌」、水色の「Over the Rainbow」、純白の「別れの曲」……。ため息が出るほど美しいデュエットダンスをはじめ、次々と誕生した心に刻まれる名場面も忘れられませんね。