北海道・フルーツパークにき　家族で遊び、味わえる！

フルーツ王国に果物テーマの公園が！

積丹（しゃこたん）半島の付け根に位置する仁木町は北海道有数のフルーツ王国。町に点在する果樹園では初夏にはイチゴやサクランボ、また秋にはリンゴやブドウ、プルーンなど季節の果物がたわわに実り、その色彩豊かな風景と芳しい香りが果物狩りに訪れる観光客たちを魅了してくれます。そして、ここにはフルーツ王国を象徴する果物テーマの公園も。
そこは「農村公園　フルーツパークにき」。町郊外の丘陵に作られた7.7ヘクタールの広大な敷地にはレストランやカフェ、地域産品の売店、広大な温室のある建物に加え、裏山には果樹園や宿泊ができるおしゃれなコテージ、そしてローラー式の滑り台も設置されており、家族で楽しむことができます。

北海道に初夏の兆しが見えだした7月の初旬。町の果樹園にもようやくサクランボの実がなり始めたとの情報をいただき、旬の味を求めてこの農村公園に向かいました。

展望台から日本海の絶景を望む

「ちょうどいい時期にいらっしゃいましたね。今日は天気も上々。まずは裏の展望台からパーク全体と町の風景をご覧ください」

フルーツパークの副所長、金井さんの案内で展望台に向かいました。
バラのアーケードをくぐり抜け、横目でウッディーな宿泊コテージを見ながら小高い丘の上にある展望台を目指して坂道を登ります。丘の斜面に植樹されたサクランボの木々には、赤い実もちらほら。
展望台に続く坂を登っていくと、道路脇にはジェットコースターのような黄色いレールが目にはいってきます。これがフルーツパーク名物・道内屈指の規模を誇る超ロング滑り台で、その距離はなんと全長153メートル！ 小さな子供たちが「きゃー！」と大きな歓声を上げてお父さんと一緒に滑っている光景も見受けられました。

ジャンボ滑り台で童心に返る

坂道に息を切らせながら丘の上の展望台に到着。上から町を眺め下ろせば……

眼下には淡いエメラルドの斜面とそこに這う「龍」のような滑り台のイエロー。その向こうはディープグリーンの果樹園と点在するハウスの白、そして遥か彼方は「積丹ブルー」と呼ばれる紺碧の海。様々な色彩が混じるカラフルな田園風景の正面には、隣町余市町のシンボルともいえるシリパ岬がその個性的な姿で存在をアピールしています。
「ここから見る風景も絶景ですが、滑り台からの景色もひと味違いますよ。大人の方でも大丈夫なので、ちょっと滑ってみませんか？」

金井さんが手渡してくれたのが、滑り台を滑るときお尻の下に敷くウレタンシート。大人でも大丈夫というその言葉に勇気づけられて、いい年をしたオヤジが一人、嬉し恥ずかしワクワク気分で滑り台に座り、両手で勢いをつけて、ゴー！
スル・スル・スル、シュー。

ローラーが小気味よく回転して、滑り台は重い体を下へと運んでくれます。スピードが落ちだしたら、手すりを漕いでもう一度加速。カーブでは体を少しインに傾け、幼い頃培った「コーナリングテクニック」も駆使。体験取材と称しながらも、童心に返り、すっかりこのスーパーロング滑り台に夢中になってしまった次第です。

え、それで肝心の景色の方はどうだったって？もちろんこちらも「スーパー」がつくぐらいダイナミックな絶景でしたよ。

これがフルーツ王国・旬の味覚！

滑り台で一汗かいた後は、建物内のパーラー「アイキン カフェ」へ。仁木町名産の新鮮なフルーツで水分とエネルギーを補給しましょう。
カットフルーツやフレッシュジュース、イチゴクレープなど地元の果物を使ったメニューがずらりと並んでいますが、その中でもスムージーとパフェが人気とのこと。

パフェは今が旬のサクランボ（期間限定）、そしてスムージーはイチゴやオレンジをミックスした「ルビー」をいただくことにしました。

新鮮な果物と冷えたソフトクリームをミキサーしたとろとろスムージーを太いストローで吸い上げると、口の中からひんやりした甘みが体全体に行き渡り、滑り台でかいた汗がみるみる引いていきました。

お次はパフェ。
ブルーベリーソースのかかったクリームをスプーンで一口、それからおもむろにサクランボの実をコリコリ。ほんのり甘酸っぱい果実と濃厚なクリームが混然一体となって溶け合い、口中で絶妙なハーモニーを奏でてくれます。

これだけでもお腹は充分満たされますが、せっかくだから地元のスイーツをもう一品という方には、手作りのアップルパイがおすすめ。
サクサクした焼きたてパイ生地に包まれたリンゴの上品な甘みは、まさに「後を引く」味。スイーツ系があまり得意でない筆者でも一口、もう一口とついつい手が出てしまい、イッキに食べてしまいました。

フルーツやスイーツはカフェの喫茶コーナーでいただきましたが、天気が良い日なら屋外に設置されたテラスで絶景を眺めながら食べた方がきっとその味もひとしお。四季折々に変化する仁木の田園風景を目で味わい、四季折々のフルーツを舌で味わう……こんな贅沢ができるのも、ここ「フルーツパークにき」ならではと言えるでしょう。

「農村公園　フルーツパークにき」のDATA

営業期間：4月下旬～10月　
営業時間：9時～18時
入場料：　無料
滑り台：　無料。マット（ウレタンシート）貸出は一枚100円
宿泊コテージ：
営業期間　5月～10月末
宿泊費
平日　1泊　10800円（税込）
休日、7～8月　15420円(税込)
炊飯器、ガスコンロ、バーベキュー焼き台セットなどの有料レンタルあり。
場所：　 北海道余市郡仁木町東町16丁目121
電話：　 0135-32-3500
オフィシャルサイト：　http://www.fruitpark-niki.com/index.html