身内の死など、大切な人の死に直面した子供のケアは……
大切な人の死をどう乗り越えていくのか?
<目次>
お別れの辛さの表現は子どもによって違います
何もなかったかのように振る舞う子、明るく振る舞う子、泣き崩れる子、怒りから攻撃的になる子、表現はそれぞれ違います。何もなかったかのように振る舞うからと言って悲しくないわけではありません。明るいからと言って大丈夫なわけでもありません。攻撃的になったからと言って、乱暴な子になってしまったということではないのです。悲しさの表現は泣くことと決めつけないことが大切。お子さんそれぞれの色々な表現方法があることを、知っておきましょう。亡くなること、死への恐怖
大切な人が亡くなると、子どもは恐怖感に包まれます。他の大切な人を失うことに不安を感じることも少なくありません。残された大人がそばにいること、安心して良いことを繰り返し伝えてあげましょう。まずは漠然とした死への不安を取り除き、安心させてあげることが大切です。
自分のせいで亡くなったと思っている子供もいます
「あの時ひどいことを言ってしまったから」「自分が悪い子だから」と大切な人の死を自分のせいだと思うことがあります。亡くなったことと、お子さんの行いには関係がないことを、きちんと説明してあげましょう。誰かに怒りをぶつけることもあります
悲しみの表現は一人一人違います。間違えた表現は一つもありません。
死別の悲しみは、日常生活の中で癒される
大切な人が亡くなると、喪失感から無気力になります。何もしたくない、興味がわかない状態です。無気力さから朝も起きず、外出も全くしないと生活のリズムが崩れ回復が遅れます。朝は起きて夜は寝る。ご飯は3食食べる。できる範囲で構いませんので、なるべく今までと同じリズムで過ごすようにしましょう。
登園や登校についてはお子さんのコンディションを見て。不安定な様子が見られる場合には、先生と相談をして少しずつ元の生活に戻れるように調整をするのも良いかもしれません。この状態が長く継続する時には、専門家への相談も視野に入れましょう。
死について無理に聞き出さない。子供が語る時は、受け止める
人には悲しみを癒やす力が備わっています。お子さんが死について語った時は、ただ黙って話を聞いてあげるようにしましょう。語る事によって、癒やされていきます。しかし、あえて話を聞き出すのは避けてあげるのがベスト。お子さんの準備ができた時に、お子さんのペースで語るのを待ってあげると良いでしょう。大人の方で死について語るのをタブーにしてしまうと、回復が遅れるので注意が必要です。
例えば、「お医者さんがママを殺した!」と事実と違うことを言って大泣きしたとしましょう。お子さんにお医者さんが一生懸命治療してくださったことを説明することは大切です。しかし、説明をした上でも言い続けるとしたら、それはお子さんがママの死を受け入れられていない表現の一つになります。
この場合は、「お医者さんは悪くない」と伝え続けるのは意味がありません。「あなたはそう感じたんだね。それくらい辛いんだね。」と気持ちを受け止めてあげる方が良いでしょう。
寄り添う人にも心のケアが必要です
死別を体験したお子さんに寄り添うのは、言葉でいうほど簡単なものではありません。辛い想いをしているお子さんを見て、大人が二次的に傷つくこともあります。寄り添う人にも心のケアが必要だということを心に止めましょう。専門家に相談し、サポートしてもらうのも一つの方法です。【関連記事】