アドバイス1:「お金」のことは考えなくていい
家計面でのご相談ですが、ご本人も言われているとおり「資格取得の勉強が最優先」ですから、少なくとも資格取得を目指している間は、貯蓄等については考えなくてもいいと思います。幸い収入もあり、ご実家も近い。生活には困るといったことはないはずです。試験に合格することだけを考え、そのために必要なことをだけをすればいいと思います。ただし、そういった「打ち込める」状況もずっと続くわけではありません。先に行くほど、経済的にきびしくなってきます。酷な言い方になりますが、退路は断つべきでしょう。親御さんとは「食事や入浴の世話になるのは2019年まで」と約束されているとのこと。それに合わせるかどうかは別としても、受験はリミットを決めて、それでも合格しなければ第二の人生を歩まないと、マネープランにおいて、いろいろな面で資金不足となる可能性が高いからです。
アドバイス2:自ら退路を断つことも必要
仮に、資格取得をあきらめたとします。そこで、まずすべきは転職です。ご実家の世話にならないとなれば、たとえ一人暮しでも、現在の収入では厳しいでしょう。必要な生活費を割り出していかなくてはなりません。家賃や食費、水道光熱費にどどの程度必要なのか。生活費とは別に貯蓄をする余裕も必要です。だとすれば手取りでどのくらいの収入が必要かが見えてきます。また、転職する際は、出来れば正社員を目指してほしいと思います。安定した収入はもちろんですが、厚生年金加入が大きなメリット。国民年金の老齢年金に上乗せした形となり、老後において、金額的に大きなプラスです。現在勤務されている事務所はアルバイトでも加入できるとのことですが、収入面を考慮すればやはり正社員となります。
アドバイス3:保険と貯蓄は切り離そう
家計管理はよくやっていると思います。これだけ貯蓄を増やしたのも立派です。現状で気になる点をあえて言えば、養老保険は不要だったのでは。貯蓄がわりに加入されたと思いますが、予定利率が底に近く、保険商品ですから、その分コストも発生しています。保険に貯蓄性は求めず、貯蓄は貯蓄商品でキッチリ貯めるという考えた方を基本にしてください。なかなか貯められないという人には、保険で貯めるという方法は確かに有効(おろしにくい、解約が面倒など)ですが、相談者の場合、その点は心配ないかと思います。したがって、「金銭面で工夫」ということで言えば、養老保険を払済保険にし、浮いた保険料を貯蓄に回すのもひとつの方法です。
あと、資格取得をあきらめたとき、心配なのは精神的な部分です。長年勉強されて、急に目標を失うのは辛いもの。それでも切り替えるしかありません。慌てず、時間をかけて取り組んでください。そして何より、今は合格に向けて頑張ってください。
相談者「ウオッチャー」さんから寄せられた感想
この度はお忙しい中、私の相談に回答していただきましてありがとうございます。先生がご指摘された通り、今はお金のことよりも試験合格を最優先すべきことだと改めて感じました。勉強に臨む覚悟が足りていないとご教示していただきました。先生の回答を意識しながら、勉強と仕事に励んでいきたいと思います。ただ、この士業の世界で生き抜いていこうと思っていますので、第二の人生を歩むことは考えておりません。その分、先生が仰る通りに早期に合格することが何よりも大事だと思います。この度は誠にありがとうございました。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
取材・文/清水京武
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