海外不動産取引は自己責任のもとで

日本人の土地神話はいつの時代も変わりがありませんが、「土地を買えば、かならず将来、値上がりする」という誤った考えは捨て去ることです。自己使用目的での健全な投資はさておき、どのような取引であっても「(1)リスクを承知のうえで行う(2)自己責任のもと行う」という心構えで臨むようにしましょう。とくに未着工の新築物件には注意が必要です。将来の買い取りや運用による利回り保証をしていても、開発業者や流通業者が倒産をしてしまえば、その限りではありません。支払いは済んでいても、ついぞ物件は完成せず入居するに至らないケースも、アジア諸国を中心に散見します。弁護士料のほうが高くついてしまい、結果として泣き寝入りとならざるを得ないこともあります。

新築のタイムシェアを購入する

近年、「タイムシェア」という言葉をよく耳にするようになりました。半世紀近く前、合理性を尊ぶ欧州人により編み出されたシステムで、ひとつの物件を複数人で持ち合う「共有持ち分権システム」のことをさします。そのシステムが海を渡り、米国で育まれて以降、世界に名だたる大手のリゾート開発業者、ホテルチェーンなどが、このタイムシェア市場に参入をしたことで、広く知られるところとなりました。

タイムシェア
家具や調度品が揃うタイムシェアはホテルのスイートルーム以上にラグジュアリー感漂う
一般にタイムシェアは、コンドミニアム様式やコテージ様式が多く、キッチンが付いた長期滞在施設のつくりになっています。調理器具や電化製品、家具一式が揃っており、週に一、二度、リネンの交換サービスなどを受けることができます。レセプション(フロント)がありホテルと似たつくりでセキュリティが万全なうえ、宿泊者向けのプールやフィットネスセンター、館内ショップやレストラン、駐車場など付帯設備も充実しているのが通例です。またチェックイン・アウトの時間が定められており、オーナーであっても宿泊税等のタックス、及び電話代などを別途精算するしくみです。

 

7泊が基本・リゾート交換ができる米国タイムシェア

米国タイムシェアは、州法の定めにより扱い方も若干異なりますが、基本的には、ひとつの物件を52人で所有する「共有持ち分権システム」を採用しています。なぜ52人かというと、一年間が52週あるからで、7泊を一単位として利用できる権利を小口販売しており、「バケーション・オーナーシップ」とも呼ばれています。物件によっては、7泊を3泊と4泊の2回にわけて利用できる制度や、2ベッドルーム以上の部屋を施錠により分割して、それぞれを7泊ずつ利用できる制度を導入しているところもあり、使い方にも多様性が増しています。

州政府に不動産登記がなされるため、売買や賃貸、相続が可能です。永久所有権(フィーシンプル)と定期借地権(リースホールド)に大別されますが、前者の場合は固定資産税を、後者の場合は地代を、年間の管理維持費と一緒に管理組合などに毎年支払うしくみになっています。

購入したタイムシェアを「ホームリゾート」と呼び、「リゾート交換会社」を通じて世界各地にある等価の加盟リゾートと交換利用が可能です。リゾート交換会社の大手で知られているのは、アールシーアイ(RCI)とインターバル・インターナショナル(I・I)の二社。タイムシェアのオーナーは年会費と利用手数料等を支払うことで、リゾート交換のサービスを受けることができます。

また近年では、リゾート地を中心に大手ホテルチェーンがタイムシェア事業に乗り出しており、独自のポイント制を導入しています。同系列でチェーン展開するさまざまなランクのホテルを、貯めたポイントに応じて交換利用できるとあって、人気も高まっています。