東京都議会議員選挙とは?
東京都議会議員選挙、いわゆる都議選とは、地方公共団体である東京都の議決機関、東京都議会を構成する東京都議会議員を選ぶための選挙です。
全国各地には地方公共団体という組織があり、その組織の議員を選び出す選挙が、議員の任期に合わせて4年周期で行われています。都議選はその東京都版というわけです。
ただ、都議選は地方自治体の議会選挙といっても、日本全国で最も多くの有権者を抱える東京における大型選挙。その選挙結果は、直近の政治情勢を反映するものとして日本全国から注目されています。そのため、各政党とも国政選挙並みに力を入れているのです。
ところで、東京都議会を理解する前に、「”地方公共団体”とは何か」をきちんと説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。中学公民で勉強した地方公共団体についての復習を交えながら、東京都議会への理解を深めていきましょう。
地方公共団体の仕組み
地方公共団体には、地方公共団体としての意思を決める議会(議決機関)と、議会の決定に基づいて事業を執行する団体の長(執行機関)があります。東京都の場合、議決機関が「都議会」で、議会決定を執行する団体の長が「都知事」です。都議会の構成員である都議会議員、そして、執行機関の長である都知事はそれぞれ別に、都民による直接選挙によって選ばれます。都議選と都知事選は混同しがちですが、それぞれ別の選挙なのです。
ちなみに、実態はともかく、都議会と都知事はそれぞれ独立の機関であると同時に、対等な立場だということになっています。互いに緊張関係を保ちながら、政策や予算をチェックし合い、より良い地方自治をめざすのが、本来の都議会と都知事のあるべき姿です。
都議会の議席数
さて、地方公共団体である地方議会には、地域の規模に合わせた議員がいます。東京都の議員定数は127なので、議員になれるのは127人となっています。東京都以外の議員は数人から数十人なので、都議会議員は人数が多い印象を受けるかもしれませんね。でも、東京都民は1360万人以上いるので、議員一人あたりの担当する都民は100名以上。そう考えると、都議会議員数は特別多くないという見方もできます。
都議会の議席は、東京都を42にエリア分けし、それぞれのエリアごとに定数(議席)があります。最大のエリアは大田区と世田谷区で、8議席ありますが、千代田区のように1議席しかないエリアもあり、各エリアの議席数はまちまちです。
2017年都議選の結果
2017年都議選は、公明党や推薦候補などを合わせた知事の小池百合子知事の支持勢力で過半数を大幅に上回る79議席を獲得。都民ファーストの会は現在の6議席から55議席を獲得して、第一党となりました。投票結果開票の翌日、小池知事は「(議会が首長をチェックする)二元代表制への懸念を想定し、知事に専念する」と述べ、都民ファーストの会代表を辞任しました。野田数(かずさ)幹事長を代表に再任させることを明らかにしています。自民党は現在の57議席から23議席へと大幅に減らし、過去最低の1965年と2009年の38議席を大きく下回る歴史的大敗となりました。
安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園の獣医学部新設問題と下村博文幹事長代行のパーティ券代200万円の受け取り、いわゆる「共謀罪」の採決強行、豊田真由子衆議院議員の秘書への暴力行為などで高まる安倍政権の批判が、2017年都議選結果の背景といえます。
ところで、これまでの都議選では、その結果が直後の国政選挙に連動してきました。たとえば、2009年の都議選では自民党は過去最低に並ぶ38議席と大敗し、当時の民主党が54議席で第一党となり、直後の衆議院議員選挙で政権が交代しました。1993年の都議選では巨額の脱税事件や党分裂ショックによって自民党は42議席から2議席増にとどまる一方、日本新党は2議席から20議席へと大幅に議席数を増やし、その後の衆議院議員選挙でも日本新党は35議席を獲得して、非自民連立政権が誕生しています。
現在の衆議院議員の任期は2018年12月まで。それまでに衆議院議員選挙が行われます。自民党の選挙苦戦が見通されています。