名古屋の観光・旅行

名古屋の人気急上昇エリア!円頓寺商店街ぶらり散策

円頓寺(えんどうじ)商店街は、名古屋駅と名古屋城を結ぶルート上にあるアーケード街。昭和の香りが漂うレトロなムードがありつつ、魅惑的な新鋭店も急増中。ランチ利用から居酒屋まで、グルメも充実しています。「七夕まつり」のような伝統ある祭りから最新のイベントまで大盛況と、新旧の魅力いっぱいの名古屋の注目スポットをぶらり散策!

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

名古屋最古の商店街は新旧の魅力いっぱい

円頓寺(えんどうじ)商店街は、名古屋駅と名古屋城を結ぶルート上にある商店街。名古屋駅に近い方から「西円頓寺商店街」「円頓寺本町商店街」「円頓寺商店街」と3つのエリアが連なっています。明治中期、市内で最も早く商店街が形成されたと伝えられます。

円頓寺

名古屋駅と名古屋城を結ぶルート上にある円頓寺商店街


この歴史ある商店街が、近年にわかに注目を集める人気スポットになっています。昔ながらの商店に混じって、飲食店を中心に新しいお店が続々とオープン。ゲストハウスの誕生で外国人の宿泊客も増え、芝居小屋の登場でエンタメ要素も加わりました。さらにイベントもひんぱんに開催され、通りがびっしり人で埋めつくされるお祭りも! そんな、今何かと“熱い”円頓寺商店街の魅力、楽しみ方をご紹介します。
円頓寺

円頓寺巡りに先駆けてゲットしておきたいのが地元発のフリーマガジン『ポゥ』。マップが詳細で心強いガイドになる。商店街各所や名古屋駅の観光案内所で無料配布されている



五条橋、四間道、屋根神様……。江戸情緒を感じる歴史散策

まず歴史散策としての円頓寺の楽しみ方を紹介していきましょう。

名古屋城側から商店街に入る場合、入口に当たるのが東端の堀川に架かる五条橋です。もともとは慶長年間、家康が尾張の拠点を清州から名古屋の地へ移したのが始まりで、欄干の擬宝珠(ぎぼし)は慶長7年当時のものを復刻。オリジナルは名古屋城内に展示されています。

円頓寺

いったんアーケード街から外れて古民家や土蔵が並ぶ四間道へ


いったん商店街には入らずに南へ下ります。堀川に沿って通るのが美濃路、もう一本西側に並行して通るのが四間道(しけみち)です。1700年の元禄大火の後、延焼を防ぐために道幅を四間(=約7m)に広げたことからこれが地域の呼び名になりました。

この周辺は江戸情緒を感じられる格子が端正な町屋や、白壁の土蔵が数多く残ります。また迷路のように小路が入り組み、さらにはところどころに尾張地方特有の屋根神様が見られる歴史散策エリアです。ここ数年、町屋を活かした隠れ家的バーなども増えていて、宝探し感覚で探索を楽しめます。

商店街に戻ったら、金刀比羅神社をお参りし、なごや弁おみくじで今日の運勢を占います。筆者は「大吉」!しかも「行く先どえりゃあええがね」とのことなので、ぶらり散策には絶好の運勢です。
円頓寺

上段右が五条橋の擬宝珠、上段左が屋根神様、下段は金刀比羅神社


他にも四間道では木々が生い茂り秋は紅葉もきれいな浅間(せんげん)神社、細い路地の奥にひっそりとある子守り地蔵、商店街にはこの地域のルーツとも言うべき圓頓寺(お寺の読み方は「えんどんじ」)、縁結びのご利益があるといわれる多賀宮があるので、それぞれお参りして回りましょう。

円頓寺

おみやげには円頓寺オリジナルグッズを。てぬぐい864円、ポストカード200円、エコバッグ(近日発売)など。「月のののうさ」(はきものの野田仙」内)「飯田洋服店」で買える



ランチ、おやつ、飲みどころとグルメスポットも充実

グルメスポットは目白押し。味噌煮込みうどんやきしめんなどメニュー豊富な昔ながらの下町の麺類食堂「みよし」、東海地方の4店舗にのみ伝わる不思議洋食・ミヤビヤを食べられる「勝利亭」、飾らないイタリアンの人気店で鉄板スパゲティも人気の「Arancha(アランチャ)」、ふわふわアツアツのタマゴサンドが名物の「喫茶、食堂、民宿。西アサヒ」などなど。
円頓寺

「みよし」の味噌煮込みうどんはつゆがすっきりしてビギナーでも食べやすい。ハヤシライスとシチューの中間のような「勝利亭」のミヤビヤ。「Arancha」の鉄板スパゲティは、味噌カツやエビフライなどトッピングを“全乗っけ”してシェアすると盛り上がる。名古屋名物のひとつとも言える「西アサヒ」の絶品タマゴサンド


小腹がすいた時のおやつも豊富です。地元の人も揚げたての時間に合わせてやって来る「丸小」(まるこ)のコロッケ、円頓寺界隈発祥の駄菓子屋系名古屋めし、「富久屋」(ふくや)のたません、「甘太郎」のこれまたこの地域ならではの名古屋流お好み焼きなど。あれこれと買い食いしながら商店街をぶらぶらするのも楽しいもの。ゆったりひと休みしながら、という場合は、小倉トースト発祥店の系譜を引き継ぐ「喫茶まつば」で一服するのもいいでしょう。
円頓寺

アツアツほくほくの「丸小」のコロッケ1個90円。えびせんべいで目玉焼きをはさみソース、マヨネーズをぬる「富久屋」のたません。「甘太郎」のお好み焼きは1個ずつ銀紙にくるんであり1個110円のリーズナブルさも人気の理由。「まつば」は昭和8年創業の名古屋屈指の老舗喫茶。アントーストはメニューには載っていないが注文すれば作ってくれる


夜のグルメスポットもまた魅惑的。五条橋のたもとの渋~い居酒屋「どて焼 五條」、アーケード街の開放的な雰囲気と合わせて過ごせる「スペイン食堂 BAR DUFI」(バルドゥフィ)」、下町らしい和気あいあいとしたムードの中選りすぐりの銘酒をリーズナブルに味わえる立ち飲み「立呑み お酒の神様」、そして極めつきは渋すぎる横丁・円頓寺銀座の中の老舗ロックバー「テラゾ」。他にもアーケードから少し外れた小路に古民家を改装した新しい飲み屋が続々オープンしているので、探検気分でハシゴ酒する楽しみもあります。
円頓寺

こってり味噌味のどてがうまい「どて焼 五條」、ワインやタパスがリーズナブルな「BAR DUFI」、全国の銘酒を楽しめる「立呑み お酒の神様」、円頓寺銀座のシンボル的ロックバー「テラゾ」


ナゴヤカブキやイベント、ゲストハウスで円頓寺に浸る

円頓寺の新しい名物として今注目なのが2016年春にオープンした「カブキカフェ ナゴヤ座」です。名古屋山三郎(なごやさんざぶろう)一座の常設芝居小屋で、毎週金土日に“ナゴヤカブキ”公演が開催されるのです。

客席は畳の上に座布団が並べてあり、飲食もできる気軽な雰囲気。定員40席でステージが非常に近いので一体感を感じられます。源義経と武蔵坊弁慶の物語をアレンジした3つの演目を日替わりで披露し、アクションあり笑いあり飛び交うおひねりありのステージをくり広げます。歌舞伎というと敷居の高いイメージがありますが、ナゴヤカブキは小さな子供や外国人にも分かりやすいエンターテイメントです。

円頓寺

「ナゴヤ座」は大人3500円(1ドリンク付)で小学生以下は1000円引き。金土日の各昼夜2回公演


イベントも頻繁に開催されています。毎月恒例の企画では「ごえん市」(第1日曜・10時~15時/手作りエリア、掘り出しものエリア、うまいもんエリアなどがあり、フリーマーケットやライブも)、「円頓寺・四間道界隈着物日和」(第1土・日/着物の人は協賛店で各種サービスあり)、「ホーダ・ヂ・ショーロ」(第1日曜昼~、第3日曜夕方~/ブラジルのルーツミュージックの演奏会。会場は商店街の飲食店など)があります。

円頓寺

「円頓寺 七夕まつり」はアーケードの天井からぶら下がる地元の人手づくりのはりこも楽しい


夏には昭和30年から続く「円頓寺 七夕まつり」(2017年は7月26~30日)が、秋には2013年から始まり早くも名物イベントとなっている「円頓寺 秋のパリ祭」(2017年は11月11・12日)が開催され、大いににぎわいます。これらのイベントに合わせて訪れるのもいいでしょう。

円頓寺

アーケード街全体がトリコロールに染まる「円頓寺 秋のパリ祭」


円頓寺をもっとじっくり・のんびり・たっぷり楽しみたい。そう思った人は商店街で泊まってしまう、という手もあります。先にもタマゴサンドを紹介した「喫茶、食堂、民宿。西アサヒ」は昭和7年開業の老舗喫茶店をリノベーションしたゲストハウス。かつて社員寮だった2階が宿泊スペースになっているのです。畳の部屋の床の間には甲冑も飾られ、外国人ならずともテンションが上がります。1階は喫茶店、食堂として宿泊客以外でも利用可能。ここを拠点とした名古屋観光のツアープランもあるので、円頓寺だけでなく、名古屋観光の拠点としても活用できます。

円頓寺

「喫茶、食堂、民宿。西アサヒ」は昭和ひとケタ創業の老舗喫茶を再生し2015年春にオープン。2階のゲストハウスは1泊3240円~


名古屋駅の高層ビル群を望める場所にありながら、下町情緒が残り、なおかつ新たな活気も感じることができる円頓寺商店街。都市の発展の中に昔ながらの日本らしさが息づく名古屋を象徴するエリアとも言えます。1日、2日と歩き、過ごし、名古屋という街の居心地の良さを体感してみて下さい。

円頓寺商店街振興組合(フェイスブックページ)

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