国土交通省は、おおむね5年ごとに全国のマンション管理組合とその居住者を対象にした「マンション総合調査」を実施しています。

2013年度の調査結果をみると、今のマンションに「永住するつもり」と回答した人が52.4%にのぼり、1980年度調査の21.7%からだいぶ様変わりしています。それとは逆に「いずれは住み替えるつもり」が57.0%(1980年度)から17.6%(2013年度)へ大きくダウンしました。

以前であれば「とりあえずはマンションに住んで、最後は一戸建て住宅」というのが一般的なパターンとされていましたが、買換えをしてステップアップすることが難しい現代では、住宅購入者の意識も大きく変わってきているのでしょう。

近年では、リタイアした高齢者が郊外の一戸建て住宅から駅近のマンションへ住み替えるケースも目立つようです。昔に比べて永住に耐え得るようなマンションが増えてきたことも、ひとつの大きな要因として考えられそうです。

その一方で、何らかのトラブルを抱えたマンションは65.6%(2013年度)にのぼっています。2004年度調査における約93%と比べればかなり改善されてきたようですが、依然として高い割合だといえるでしょう。

トラブルの種別は「居住者間のマナーをめぐるもの」が最も多く、その内訳として「違法駐車」「生活音」「ペット飼育」「共用部分への私物放置」などが上位に挙がっています。

さまざまな家族構成、年齢層、ライフスタイルの人たちが集まり、ひとつの建物の中に住むわけですから、お互いに良好な関係を維持していくことに難しい面も多いようです。

郊外で同じような間取りばかりのマンションでは、共通点の多い家族が集まりやすい傾向にある一方で、都心部のとくに利便性を重視したマンションでは、居住者の内容が千差万別ということもあります。

居住者間のトラブルや行き違いを調整するために管理組合が果たす役割は大きいのですが、トラブルが発生しやすい環境のマンションほど、管理組合が十分に機能しなくなる要因が多いことも考えられるでしょう。

また、地域環境という側面で考えれば、マンションは「一戸建て分譲に適した優れた住環境ではないエリア」に建てられる傾向も強く、さまざまな問題が起こりやすいのはマンションがもつ宿命なのかもしれません。

もちろん、住環境にも優れたマンションはいくつも存在していますが……。

そのような中で、少しでも住みやすい環境をつくっていくのは、やはり住民全員が参加する活発な管理組合の活動でしょう。

マンションを購入するのであれば、「管理は管理会社に任せておけばよい」などと考えず、自らも積極的に組合活動へ参加するようにしていただきたいものです。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2006年9月公開の「不動産百考 vol.3」をもとに再構成したものです)


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