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2017年夏のボーナス・上場企業平均は72万8662円

会社員にとって楽しみなボーナスの時期が近づいてきました。3月決算の上場企業全体では最高益というニュースがあるなか、個々の業種では円高の影響を受けたところもあります。夏のボーナスの使い道をあれこれと考えていると思いますが、全体、業種別の状況を確認しおきましょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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平均で72万8662円。対前年でほぼ横ばい

2017年夏のボーナスの見込み額について、さまざまなデータが発表されています。シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングの見通しでは、平均36万8272円(対前年比プラス0.9%)で2年連続の増加。みずほ総合研究所の予測では、平均36万9098円(対前年比プラス1.1%)でやはり2年連続増加との見方を示しています。この2つの調査は、いずれも従業員規模5人以上の民間企業を対象にしたもの。

一方、日本経済新聞がまとめた調査によると、全産業平均で83万9560円(対前年比マイナス2.75%)。これだけ開きがあると、夏のボーナスの平均額はいったいいくらなんだ?となりますが、調査対象が異なるため、時系列でデータがとれるもので、全体の傾向をみていくことにします。

下のグラフは、一般財団法人 労務行政研究所が行った調査データで、毎年4月時点のデータを集計し5月に発表されています(2017年は5月8日発表)。調査対象は東証1部上場企業127社。

東証第1部上場企業の賞与・一時金水準の推移

東証第1部上場企業の賞与・一時金水準の推移



2017年夏のボーナスの妥結額は、全産業平均では72万8682円で対前年同期比は横ばい。リーマンショック後の2009年夏のボーナスが急減し、その後、徐々に増加し、2014年には対前年で5.7%の高い伸び率になりました。その後は、3.0%、1.7%と伸び率が縮小傾向になったものの、リーマンショック前の水準に迫るまでになりました。今回、全体としては、前年から横ばいという結果ですが、業種によって、大きく伸ばした業種もあります。

グラフにはありませんが、支給月数については、平均で2.39カ月。対前年では、これもほぼ横ばいとなりました(2016年夏季平均は2.40カ月)。

造船、自動車が大幅に減少、鉄鋼、建設、情報・通信が健闘

業種別に見ていきましょう。

製造業では平均75万5014円。対前年同期比で0.3%の減少
非製造業では平均65万431円。対前年同期比で1.2%の増加
業種別・平均額

業種別・平均額


個別の業種でみると、輸送機器のうち自動車が103万超と突出しているのは例年どおりですが、対前年では4.4%の減少となり、同じ輸送機器の造船に次いでの減少幅となりました。一方、鉄鋼が7.2%増の高い伸び率となっています。3月決算に向けて、急激に円高が進んだ影響とみられますが、製造業では昨年より減少した業種が多くなる結果となっています。

非製造業は、全体としては製造業と比較すると10万円以上の開きがありますが、建設、情報・通信がそれぞれ3.4%、3.5%と高い伸び率を示し、非製造業全体の平均値を引き上げる結果になりました。

変動するボーナスを過信しない家計管理の徹底を

政府による働き方改革に伴い、正社員化や非正雇用者へのボーナス支給などを検討する企業も増加しています。これまでボーナスは関係ない、と思っていた雇用者も支給対象となる可能性があります。しかし、ベースアップやボーナスが、順調に右肩上がりとならない状況では、ボーナスを過信するのはキケンです。

記事ではボーナスの平均額を紹介しましたが、実際は「それで自分はいくらなのか」がすべてであり、人と比較しても仕方がないことです。ボーナスの見込み額はある程度わかっていると思いますが、事前にしっかりと使い道、割り振り方を決めておくことが大事です。たとえば、以下の5つのポイントを参考に、ボーナスの使い方を考えてみてください。

(1)毎月の生活費の赤字補てんに回す
→今回限りとして、毎月の収入で赤字を出さないようにする

(2)ボーナス払いのクレジットカードの引き落とし
→大きな買い物は計画的に貯蓄から支出するようにする

(3)住宅ローンの繰り上げ返済に回す
→子どもの教育費など、ほかに優先すべき貯蓄がないか確認する

(4)ボーナスが残ったら貯蓄する
→あらかじめ使う予算を決め、先に貯蓄をする

(5)ボーナスが出てから使い道を決める
→普通預金口座に入れっぱなしにしておかない

くれぐれも、せっかくのボーナスが、いつの間にかなくなっていた。ということがないよう、有意義な使い方を心がけてください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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